外壁塗装の塗料の耐用年数!長持ちさせる秘訣も解説

外壁塗装の耐用年数は一般的に10年前後といわれていますが、使用している塗料に応じて異なります。

美しい外観を保つためには適切なメンテナンスが必要ですが、正しいタイミングでメンテナンスを行うためにも塗料の耐用年数について知っていることが重要です。

そこで今回は、外壁塗装で使われる塗料の耐用年数について解説します。

また、外壁材・屋根材・コーキング材の耐用年数などについても解説しますのでぜひ参考にしてください。

目次

外壁塗装の耐用年数は10年~25年!

外壁塗装で使われる塗料の耐用年数は10年~25年前後です。

塗料のグレードによって耐用年数には差がありますが、外壁塗装用の塗料のほとんどが10年前後で耐用年数を迎えます。

ただし、耐用年数は実際の建物で試験された数値ではなく、「促進耐候性試験機」で検証された数値のためあくまでも目安でしかありません。

実際の建物では、立地条件や気象条件などのさまざまな要因によって耐用年数は異なります。

また、外壁塗装を行う業者によっては「この塗料は30年の耐用年数がある」などど言って営業をかけてくる業者もいますが、残念ながら30年の耐用年数が期待できる塗料はまだ開発されていません

塗料の種類 耐用年数 施工価格
アクリル塗料 5~8年 1,000~1,800円/㎡
ウレタン塗料 7~10年 1,500~2,500円/㎡
シリコン塗料 10~15年 1,800~3,500円/㎡
ラジカル(制御型)塗料 12~15年 2,200~4,000円/㎡
光触媒塗料 12~20年 3,800~5,500円/㎡
フッ素塗料 15~20年 3,500~5,000円/㎡
無機塗料 20~25年 4,500~5,500円/㎡

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各塗料ごとの耐用年数

外壁塗装に使われる塗料は、樹脂の種類や機能性によってさまざまなグレードに分かれています。ここでは、各塗料ごとの耐用年数について解説します。

また施工価格についても解説しますので参考にしてください。

アクリル塗料:耐用年数5~8年

アクリル塗料の耐用年数は5~8年です。

外壁塗装に使われる塗料の中では、耐用年数が短い塗料です。さらに塗膜が硬くなりやすいため、ひび割れなどの症状が起こりやすい特徴があります。

しかし、アクリル塗料は豊富なカラーバリエーションと発色のいい仕上がりが特徴です。

また塗料の中では価格が安く作業性も高いことから、室内での塗装やDIYで使われることが多くなっています。

アクリル塗料の施工価格は平米あたり1,000~1,800円程度です。

アクリル塗料についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

ウレタン塗料:耐用年数7~10年

ウレタン塗料の耐用年数は7~10年です。

10年以上前までは、外壁塗装の塗料としてウレタン塗料が広く使われていました。ウレタン塗料には水で希釈する水性塗料と、シンナーなどの溶剤で希釈する油性塗料があります。

さらに主剤だけで使える1液型と、主剤と硬化剤を混ぜて使う2液型などさまざまな種類があります。

ウレタン塗料の中でもさまざまな選択肢の中から建物の状態に合わせて塗装することが可能です。

またウレタン塗料の特徴でもある高い密着力から、幅広い素材へ塗装することができます。

ただし現在では、シリコン塗料の普及によって住宅の外壁塗装で使われることは減っています。

ウレタン塗料の施工価格は平米あたり1,500~2,500円程度です。

ウレタン塗料についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

シリコン塗料:耐用年数10~15年

シリコン塗料の耐用年数は10~15年です。

シリコン塗料は現在の外壁塗装の主流とも言える塗料です。耐用年数と施工価格のバランスが良いため、外壁塗装で使われることが増えています。

シリコン塗料は艶のある仕上がりが特徴ですが、塗膜がひび割れしやすいデメリットもあります。

ウレタン塗料と同様に、水性塗料と油性塗料、1液型と2液型などさまざまな種類があります。

シリコン塗料の施工価格は平米あたり1,800~3,500円程度です。

シリコン塗料についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

ラジカル(制御型)塗料:耐用年数12~15年

ラジカル制御型塗料の耐用年数は12~15年です。

ただし2012年ごろから発売された新しい塗料のため、実際の耐用年数はまだ正確ではありません。

外壁塗装は紫外線などによる劣化因子(ラジカル)によって、色あせや変色、ひび割れなどの症状が発生します。

ラジカル制御型塗料では、このラジカルの発生を抑える効果が期待できるため、耐用年数が長く設定されています。

防汚性、防カビ性などが高い塗料で、シリコン塗料とフッ素塗料の間のグレードとして普及し始めています。

ラジカル制御型塗料の施工価格は平米あたり2,200~4,000円程度です。

ラジカル制御型塗料についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

光触媒塗料:耐用年数12~20年

光触媒塗料の耐用年数は12~20年です。

光触媒塗料に含まれる酸化チタンが紫外線と反応することで、外壁についた汚れを分解する機能が備わった塗料です。

耐用年数が非常に長い特徴がありますが、住宅の外壁塗装用塗料としてはあまり普及していません。

光触媒塗料には、施工価格が高額で塗膜が硬化しやすくひび割れが発生しやすいというデメリットがあります。

また、塗料に酸化チタンを含む必要があるため、白系の塗料が多くなります。紫外線が当たらない場所では、セルフクリーニング機能も発揮されません。

しかし、強力な抗菌作用や浄化作用を持っていることから、コロナウイルスに対するコーティング剤として再び注目されています。

光触媒塗料の施工価格は平米あたり3,800~5,500円程度です。

光触媒塗料についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

フッ素塗料:耐用年数15~20年

フッ素塗料の耐用年数は15~20年です。

フッ素塗料は外壁塗装用塗料の中では、高級塗料に分類されています。

フッ素塗料は耐用年数が長いため、トータルコストを抑えたい商業施設や橋梁などで使われていますが、施工価格が高額なため住宅の外壁塗装ではあまり普及していません。

また、防汚性、防寒性、耐熱性など優れた機能を持っていますが、塗膜が硬くなる特徴からひび割れが起こりやすくなります。

フッ素塗料の施工価格は平米あたり3,500~5,000円程度です。

フッ素塗料についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

無機塗料:耐用年数20~25年

無機塗料の耐用年数は20~25年です。

無機塗料は、セラミックなどの無機物を主成分とした塗料です。

一般的なシリコン塗料などに含まれる有機物は、紫外線などによって劣化します。

有機物の代わりに劣化しない無機物を主成分にすることで、長い耐用年数を確保しています。

無機塗料は塗料の中でもトップクラスの耐久性持った塗料ですが、塗料に含まれる無機物の割合によって耐久性に大きな差が出てしまうので注意が必要です。

塗料に含まれる無機物の割合が高いほど耐久性は上がりますが、同時に塗膜の柔軟性がなくなってしまうので、ひび割れが起こりやすくなる特徴があります。

また、無機塗料を使った外壁塗装のできる職人も限られているため価格が高額になります。無機塗料の施工価格は平米あたり4,500~5,500円程度です。

無機塗料についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

外壁材・コーキング(シーリング)・屋根材の耐用年数

住宅では外壁塗装などの耐用年数に合わせてメンテナンスを行うことが重要です。

しかし、塗装以外にも外壁材やコーキング、屋根材などにも耐用年数があります。

ここでは、外壁塗装以外のそれぞれの耐用年数について解説します。

各外壁材の耐用年数

外壁材の耐用年数は、外壁材の種類によって大きく異なります。

住宅の外壁として使われるサイディングボードは、窯業系の他にも金属系や木質系、樹脂系などの種類があります。

窯業系サイディング

一般的な住宅の外壁材として使われているのが、窯業系サイディングです。デザインやカラーバリエーションが豊富で耐火性に優れているなどのメリットがあります。

しかし、窯業系サイディング自体には防水性能がないので塗装工事が必要になります。

耐用年数は20年~40年ほどですが、メンテナンスは8年~10年前後で行った方が良いでしょう。

 

金属系サイディング

金属系サイディングボードは、柄をつけた金属板と断熱材を組み合わせた外壁材です。

外壁材自体を軽量にすることで、建物の耐震性を向上させることが期待できます。

そのため古くなった住宅のカバー工法などでも使われることが多い外壁材です。

金属系サイディングは、表面の金属や断熱材によって耐久性や断熱性に差がでるので注意が必要です

耐用年数は20年~40年ほどですが、メンテナンスは10年~15年前後で行った方が良いでしょう。

 

木質系サイディング

木質系サイディングは、木材を主原料にしたサイディングボードです。

窯業系や金属系のサイディングボードにも木目調などのデザインはありますが、あくまでも木目をデザインしているだけです。

木質系サイディングは実際の木材を使っているため質感などが異なり、デザイン性の高い外壁にすることが可能です。

しかし、その他の外壁材に比べると耐久性や耐火性は低くなります。また、メンテナンスの頻度によっても耐久性が大きく異なります。

耐用年数は15年~40年ほどですが、メンテナンスは3年~10年前後で行った方が良いでしょう。

 

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、樹脂を主原料としたサイディングボードです。

外壁材自体が軽量で耐久性が高いことが最大のメリットですが、、国内での施工実績がまだ少ないため、工事費用が高額になることや樹脂系サイディングボードのデザインなどが限られてしまうなどのデメリットもあります。

耐用年数は20年~50年ほどですが、メンテナンスの必要なほとんどありません

 

ALC壁

ALC壁は軽量気泡コンクリートで施工された外壁です。

ALCは無数の穴が空いたコンクリートを外壁材として使用しています。

軽量で耐火性が高く、断熱性や防音性などさまざまな効果が期待できる外壁材です。

ただし、吸水性が高いために防水処理としての塗装が必要です。

耐用年数は40年ほどですが、メンテナンスは10年~15年前後で行った方が良いでしょう。

コンクリート壁

コンクリート壁には、外壁材として使用するモルタル壁と、構造体兼外壁材として使用するコンクリート壁に分かれます。

一般的な木造の住宅ではモルタル壁が多いですがRC造などの住宅もあります。

コンクリート壁は、主成分が無機質で作られているため耐火性や耐久性が非常に高い外壁材です。

ただし、防水性が低いために塗装によって防水性能を確保する必要があります。

また、経年劣化によってひび割れなどが起こりやすいという特徴があります。

耐用年数は60年~100年と非常に長いですが、メンテナンスは10年~15年前後で行った方が良いでしょう。

外壁材 メンテナンスの目安 耐用年数
窯業系サイディングボード 8年~10年 20年~40年
金属系サイディングボード 10年~15年 20年~40年
木質系サイディングボード 3年~10年 15年~40年
樹脂系サイディングボード 必要なし 20年~50年
ALC壁 10年~15年 40年
コンクリート壁 10年~15年 60年~100年

※横にスクロールしてください。

各外壁材は耐用年数が長くても、メンテナンスの時期が近づいて来たらメンテナンスを行った方が良いでしょう。

通常は、外壁材のメンテナンス周期と外壁塗装のメンテナンス時期が同じになるので、塗装と同時にメンテナンスを行うことが多くなります。

サイディング外壁のメンテナンスについては、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にして下さい。

 

コーキング(シーリング)の耐用年数

住宅に使われるサイディング外壁などでは、外壁材のジョイントや窓などの開口部まわりに必ずコーキングが施工されています。しかし、使われるコーキング材の種類によって耐用年数が異なるので注意が必要です。

コーキング材 耐用年数
アクリル 10年
ウレタン 10〜15年
シリコン 10年
変性シリコン 10~15年
ポリウレタン 5〜10年

・アクリル

アクリル系コーキング材は、ALC外壁の目地や室内のクロス目地などに使われます。

耐候性は高くないため、塗膜の下に隠れてしまう場所や、室内の内装目地などで使われることがほとんどです。

耐用年数は10年前後です。

・ウレタン

ウレタン系コーキング材は、ALC外壁やサイディング外壁の目地などに使われます。

耐候性は低いので、屋外で使用する場合には上から塗装が必要になります。

また、上からの塗装は良くできますが乾燥に時間がかかってしまうデメリットがあります。

耐用年数は10〜15年前後です。

・シリコン

シリコン系コーキング材は、上から塗装することができないためサイディング外壁などの目地としては使われません。

キッチンや浴槽などの水回りの補修などで使われることが多く、耐候性や耐久性などが高い特徴があります。

また、上から塗装することができないので、コーキング材に汚れが付きやすくなります。

耐用年数は10年前後です。

・変性シリコン

変性シリコン系コーキング材は、ウレタン系コーキング材を改良してできたコーキング材です。

耐候性や塗装性が良く、サイディング外壁などの目地や窓などの開口部まわりなど建物の補修作業でも多く使われています。

シリコン系コーキング材とは異なり、上から塗装することが可能です。

耐用年数は10年~15年前後です。

・ポリウレタン

ポリウレタン系コーキング材は、耐久性や耐候性が高いコーキング材です。

紫外線などにも強いため、コーキング材を仕上がりとして使用することもあります。

また耐水性も優れているので、水回りなどでも使用することができます。

幅広い場所で使用できるコーキング材ですが、乾燥時間や硬化後の弾性などが異なる特徴があります。

耐用年数は5年〜10年前後です。

コーキング材の劣化を放置していると、外壁全体の劣化に繋がってしまうことがあります。

コーキング材は外壁の防水性能を確保するために重要なポイントです。

最悪の場合には建物の構造躯体の劣化が進行してしまい、建て替えが必要になることもあります。

コーキングは外壁塗装同様に、適切な時期にメンテナンスを行う必要があります。

コーキングについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

屋根材の耐用年数

外壁材と同じように屋根材の種類よって耐用年数は異なります。

屋根材の劣化は建物の重要な構造体の劣化に繋がりやすいの注意が必要です。

屋根材 耐用年数
化粧スレート 約25~25年
天然スレート 30年以上
日本瓦(和瓦) 約50~100年
セメント・コンクリート瓦 約30~40年
トタン 約10~20年
ガルバリウム鋼板屋根 約30~40年
アスファルトシングル 約20~30年
銅板 60年以上
陶板 50年以上

化粧スレート

カラーベストやコロニアルと言われる屋根材です。5㎜程度の薄い板を並べて施工していきます。

化粧スレートは軽量な上、耐火性や断熱性に優れているという特徴があります。

耐用年数は約25~25年前後です。

天然スレート

天然スレートは、天然の岩を薄く加工して板状に並べた屋根材です。

天然の岩を使用するため、屋根全体の重量が重くなってしまうデメリットがあります。また施工にかかる費用も高額です。

耐用年数は30年以上です。

日本瓦(和瓦)

日本瓦は耐久性の高い屋根材で、現在でも人気の屋根材です。

強風などによるズレや飛来物による欠けや破損はしますが、基本的なメンテナンスは必要ありません。

ただし、瓦自体の重量があるため屋根全体が重くなってしまうデメリットがあります。

耐用年数は約50~100年前後です。

セメント・コンクリート瓦

セメント、コンクリート瓦は、1980年代ごろまで使われていた屋根材です。

セメントを主原料にすることで陶器瓦よりも価格を抑えることができました。

しかし、日本瓦などと違い塗装によるメンテナンスが必要です。

耐用年数は約30~40年前後です。

トタン

トタンは金属性の屋根材で、波板や桟葺き屋根などで使われています。

現在では住宅の屋根材として使われることは減っています。

金属性のため、錆びなどに弱くメンテナンスの周期も短くなるデメリットがあります。

耐用年数は約10~20年前後です。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は、トタンに代わって金属性の屋根材として近年人気な屋根材です。

金属に亜鉛を混ぜることで錆びにくい性質を持たせています。金属性のため、軽量で建物への負担を軽減することができます。

また金属性の屋根材ですが耐久性が長い特徴があります。

耐用年数は約30~40年前後です。

アスファルトシングル

アスファルトシングルは、ガラス繊維にアスファルトを浸透させた屋根材です。

耐水性が非常に高い特徴がありますが、表面のざらざらした仕上がりのために苔や藻が発生しやすいというデメリットがあります。

耐用年数は約20~30年前後です。

銅板

銅板を屋根材に使うことで高い耐久性と屋根の軽量化が期待できます。

お寺や神社などの建物にも使用されていることが多く、古くから日本の建物に使われてきた屋根材です。

しかし、銅板を使った屋根の施工ができる職人の減少や、施工価格が高額になってしまうデメリットがあります。

耐用年数は60年以上と非常に長いです。

陶板

陶板は日本瓦などの耐久性の高いメリットを残しつつ、軽量化した屋根材です。

スレート屋根等に比べると重量はありますが、瓦同様にほとんどメンテナンスが必要ありません。

ただし、施工できる職人の減少などから施工価格が高額になってしまいます。

耐用年数は50年以上と非常に長いです。

屋根材についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装のメンテナンスを行う時期の判断基準

外壁塗装のメンテナンスを行うことで、建物の重要な部分への劣化を防ぐことができます。

ここでは外壁塗装のメンテナンスを行う時期の判断基準を解説します。

耐用年数から時期を判断する

外壁塗装に使われる塗料の耐用年数は、塗料のグレードや種類によって異なります。しかし、10年前後でメンテナンスを行うことが一般的です。

コーキングの耐用年数も外壁塗装と同様に10年前後になることが多いので、10年を目安にメンテナンスの時期を判断すると良いでしょう。

劣化症状から時期を判断する

外壁塗装の耐用年数を過ぎると、さまざまな劣化症状が見られます。

耐用年数はあくまでも目安になるので、建物の立地や形状によってはさらに早まることもあります。

雨漏りや外壁材の劣化、害虫の侵入、耐震性や耐候性の低下、見た目の悪化などが見られる場合には、メンテナンスの時期が近づいていると判断したほうが良いでしょう。

外壁のひび割れや剥がれ

外壁塗装の劣化症状として、ひび割れや剥がれがあります。塗膜が硬くなってしまうとひび割れや剥がれが起こりやすくなります。

ヘアークラックと呼ばれる髪の毛くらいのひび割れであれば問題ありませんが、数ミリ程度のひび割れの場合には注意が必要です。

また、塗膜が剝がれてしまっている場合は、すでに塗膜と外壁材との密着性がなくなっているので早急な対応が必要です。

外壁のひび割れや剥がれについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にして下さい。

 

チョーキング現象

チョーキング現象は、塗膜の劣化が原因で起こる症状です。外壁に触れた際に、手にチョークの粉のような白い粉が残ることが特徴です。

外壁塗装の塗膜の劣化は耐水性や耐候性の低下に繋がります。

耐水性が低下してしまうとサイディング外壁などの外壁材自体の劣化にも発展してしまいます。

チョーキング現象が外壁に現れた際には、なるべく早く業者による点検が必要です。

外壁のチョーキングについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

色あせ

外壁塗装の劣化で最初に起こる症状が色あせです。

色あせは見た目でも判断することができるため分かりやすい判断基準のひとつです。

色あせは外壁の色によって程度が異なりますが、原色に近い色や濃い色の方が色あせの程度や時期が早くなる傾向があります。
また、日当たりや紫外線の量によっても時期が前後することがあります。

色あせが予想よりも早い場合などは、次のメンテナンスで耐候性に優れた塗料を補修に使うことで、次のメンテナンスを遅らせることができます。

外壁塗装の色あせについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

カビや苔、藻の付着

外壁にカビや苔、藻が付着しやすくなった場合も、メンテナンスの時期が近づいているサインのひとつです。

苔や藻が付着した状態を放置することで、外壁材の劣化にも繋がってしまうので、定期的に除去することが大事です。

外壁のカビについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

鉄部のサビ

住宅に使われる鉄部は、経年劣化によってサビが発生します。サビの発生はメンテナンスの時期が近づいているサインです。

鉄部のサビは放置することで穴が空いてしまうこともあります。穴が空いてしまった場合には、塗装以外の方法で補修する必要があります。

外壁のサビについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装の耐用年数が過ぎた時に行う工事の種類

外壁塗装の耐用年数が過ぎてしまった時に行う工事には、いくつかの種類があります。

ただし建物の劣化状況に合わせて判断しないと、すぐに劣化が進んでしまうことにも繋がります。

耐用年数が過ぎた後のメンテナンスについては、工事を依頼する業者とよく話し合った上で工事方法を決定するようにして下さい。

塗装による塗り替え

外壁塗装の耐用年数が過ぎた時に、まず一番最初にあがるメンテナンス方法は塗装による塗り替えです。

サイディング外壁などの外壁材は塗装によって防水性を確保していること多く、塗り替えによるメンテナンスが有効です。

ただし、塗装による塗り替えが行えるのは、サイディング外壁などの外壁材の耐久性が残っている場合に限ります。

外壁材の劣化が進行している場合には、塗り替えを行っても塗料の耐用年数よりも短い期間でメンテナンスが必要になることがあります。

外壁塗装の工事方法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

シーリング補修

外壁と外壁の間に充填されているシーリングがひび割れたり、剥がれたりしている場合には、シーリングの補修が必要です。

シーリング材は外壁の防水性にとっても重要な部分です。シーリングが劣化することで外壁材の内側に雨水が侵入してしまうことにも繋がります。

シーリングについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

張り替えや重ね張り(カバー工法)などによる外壁材の交換

塗装などの補修では対応できない場合には、外壁材の張り替えやカバー工法を使って外壁全体を新しいものに交換する必要があります。

外壁材の劣化がひどい場合や使用年数がかなり経過した場合には、塗装やシーリング補修によるメンテナンスでは対応できません。

また外壁内部の劣化が激しい場合は、張り替えによる補修を行います。

外壁材の張り替えについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

外壁材の張り替えは、施工価格が高額になってしまうことや工期が長くなることが一般的です。

また、外壁材にアスベストが含まれている場合には、さらに高額になってしまうこともあります。

外壁内部に痛みや劣化が見られない場合は、カバー工法を使ったメンテナンスも選択肢のひとつとして有効です。

外壁材のカバー工法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装の耐用年数を長くする方法

外壁塗装の耐用年数を長くすることで、建物の寿命も延ばすことにもつながります。ここでは、外壁塗装の耐用年数を長くする方法を解説します。

自分で出来るメンテナンスを行う

外壁塗装の耐用年数を長くするには、日々のメンテナンスが重要です。

定期的な外壁のチェックを行うことで、早い段階でひび割れやチョーキングなどの劣化症状を発見することができます。

また、簡単な外壁の清掃も有効です。外壁材を傷めてしまう可能性があるので、高圧洗浄機などを使わずに優しく水洗いするだけでも良いでしょう。

耐用年数が長い塗料を選ぶ

次のメンテナンス時期を延ばすためには、耐用年数が長い塗料を選ぶのも良いでしょう。ただし、耐用年数が長い塗料は基本的に高額な塗料になります。

耐用年数と価格のバランスの取れた塗料を選択することが大事です。

また、外壁塗装で使う塗料とその他の雨どいなどの付属部分へ使う塗料のバランスも考慮する必要があります。

外壁に使う塗料だけグレードを上げたとしても、建物全体のメンテナンス時期を延ばすことはできませんので注意してください。

塗装前に正確な下地処理を行う

塗料の耐用年数を最大に発揮させるためには、塗装前に行う下地処理が重要なポイントになります。

耐用年数が長くグレードの高い塗料を使ったとしても、下地処理がしっかりしていなければ性能を発揮することはできません。

下地処理の工程を丁寧、正確に行うことが耐用年数を延ばすことにもつながります。

3回塗り以上の塗装を行う

外壁塗装の耐用年数を長くするには、メーカーが指定する施工方法をしっかりと守ることが大事です。

外壁塗装ではグレードに関係なく3回塗りが基本的な施工方法です。

下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りを行うことで耐用年数を確保することができます。

またクリヤー塗装などのように、下塗りと上塗りだけの2回塗りの塗料もあります。

さらに塗料に種類によっては4回塗りが設定された塗料もあるので、それぞれの塗料の使用説明書や施工方法を確認することが大事です。

優良業者に依頼する

外壁塗装の耐用年数を長くするには使用する塗料やグレード以外に、施工する職人の技術や信頼性が重要です。

職人としての腕が確かなことは必要ですが、下地処理や3回塗りなどの施工方法の遵守など、信頼できる業者かどうかがもっとも大事なポイントです。

優良業者に依頼するには3つのポイントがあります。

相見積もりをとる

外壁塗装を依頼する際には、1つの業者に見積もりを依頼するのではなく複数の業者に見積もりを依頼することが大事です。

複数の見積もりを比較検討することで、工事単価や施工面積などの外壁塗装の相場を知ることができます。

 

工事の実績を確認する

実際に工事を行った業者の施工実績を確認することも大事です。

同じ塗装業者であっても公共施設の塗装を主に行っている業者と普段から住宅の塗り替えを行っている業者では、知識や経験が異なります。

普段から住宅の塗り替えを行っている業者であれば、外壁の劣化状態や補修方法などの経験値も豊富です。

業者が取得した資格を確認する

1級塗装技能士などの資格を持った職人がいるかどうかも確認しましょう。

1級塗装技能士は最低でも7年以上の塗装経験がなければ取得することはできません。

資格の取得していることは、経験豊富な職人が作業している証明にもなります。

まとめ

外壁塗装では、塗料の種類やグレードによって耐用年数が決まっています。

耐用年数に合わせてメンテナンスを行うことで、建物の寿命を延ばすことにもつながります。

また、外壁材や屋根材、コーキング材などにも耐用年数がありますが、基本的には外壁塗装などと同時にメンテナンスを行います。

日頃から自分で出来るメンテナンスを行うことで、建物の劣化症状を早期に発見することが可能です。

劣化症状は放置することは、深刻な問題に発展することがありますので、専門の業者に相談することが大事です。

この記事のライター:タナカ サトシ
木造ハウスメーカーにてリフォームと新築の現場監督を経験後に二級建築士資格を取得、エクステリア会社にてハウスメーカーへの新築外構図の設計職を担当。 現在は二級建築士の資格を活かし、住宅を中心とした外壁塗装の職人として活躍中。 また、現場監督時代の経験と建築士の知識を活かし店舗などのリフォームを提案、設計監理を行う。趣味は子供と休日に思い切り遊ぶこと。

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