外壁コーキングの寿命は何年?リフォームの目安と費用相場

外壁コーキングは住宅の外壁同士を密着させるために欠かせないものなのですが、この外壁コーキングには寿命があることをご存知でしょうか。

寿命を迎えた外壁コーキングをそのままにしておくと、住宅の安全性や耐久性が失われ重大なダメージを及ぼしてしまいます。

今回はコーキングの寿命はどれくらいなのか寿命がきた場合はどのように対処すればいいのかを解説します。

外壁のコーキングの寿命は5〜10年!

外壁に使用されているコーキングは、外壁をサポートするため弾力性のあるゴムのような素材でできています。

この外壁コーキングは外壁と同様、毎日紫外線や雨風などにさらされているため劣化しやすく、寿命はおおよそ510年ほどと言われています。

そして外壁コーキングの寿命は建物の立地や周辺環境によっても変動するため、寿命が10年以上持つコーキングはないとされています。

一見するとなんのダメージも起きていないように見えても、目に見えない部分のコーキングが劣化していることもあるので、どんなに長くても10年ほどで交換が必要なのです。

コーキングの役割とは?

コーキングの役割は簡単に表すと「隙間に汚れや水分を入れないために塞ぐ緩衝材」「穴を埋めるための粘土」のようなものです。

基本的にはシリコンなどの弾力性のある素材でできているため、雨水・汚れなどの侵入を防ぐことができます。

建設する際はどうしても外壁と外壁の間に隙間が生じてしまうため、その隙間をコーキングで埋めることにより建物内部に雨水や汚れが侵入するのを防ぎ、建物の寿命を長持ちさせているのです。

コーキングは別の名前で「シーリング」と呼ばれることもありますが、外壁塗装を行う上でのコーキングとシーリングは同じ意味合いを持っており、役割なども同じです。

コーキングが使用されている場所

コーキングは住宅の中でも換気口・窓枠・壁の隙間などさまざまな場所で使用されていますが、その中でも最も使用されている箇所が多いのが「外壁」です。

外壁にはサイディングボードやALCボードが使用されていますが、その一つ一つの目地の隙間にコーキングが使用されています。

浴室やトイレなど住宅内部の水まわりに使用されているコーキングについては、劣化をしていても侵入した水分はしっかりと排水されるので特に大きな問題はありません。

しかし外壁に使用されているコーキングについては、目地の一つ一つのコーキングに隙間・ひび割れなどが発生してしまった場合その部分から水分が侵入し、内部の腐食の原因となってしまいます。

普段何気なくみている外壁ですが、コーキング部分に劣化や損傷がみられないか日頃から注意深く観察することも大切です。

コーキングの種類

コーキングにはさまざまな種類がありますが、中でも最も使用されているのが「変成シリコン」という種類です。

変成シリコンの特徴は、ウレタン樹脂を原料とし外壁・サッシ・板金加工などの場面で使用されることが多いということです。

耐候性や塗装性に優れているため、幅広い場面で活用されているコーキング素材でもあります。

外壁のコーキングの寿命や劣化のサイン

外壁のコーキングが劣化すると、肉痩せ・ヒビ・裂け・隙間・欠落などさまざまな症状が現れます。

このような症状は、新築の状態から5年ほど経過した建物の外壁に現れやすいものです。

ここでは具体的に寿命や劣化のサインについて詳しく解説します。

肉痩せ

肉痩せは、コーキングの厚みが薄くなってきている状態のことを表します。

見た目でわかる症状としては、外壁とコーキングの境目が凸凹していたり、段差ができているのが特徴です。

肉痩せしているコーキングを放置しておくとヒビが入ってしまう可能性もありますが、劣化の状態が軽症の場合は経過観察で様子を見る場合もあります。

ヒビ

ヒビは、先述した肉痩せを放置しておくことで発生する劣化症状です。

表面に細かな線が入っている症状ですが、軽い劣化であれば経過観察で済む場合があります。

ただし、ヒビの入り具合によってはすぐに補修工事が必要となる場合もあるので注意が必要です。

コーキングの裂け

コーキングがさけてしまっている状態です。

さけてしまっている部分から雨水や汚れが侵入してしまうため、このような状態の場合はすぐに補修工事を行う必要があります。

外壁との隙間

サイディングボードとの間に隙間ができてしまっている状態です。

肉割れ・ヒビ・裂けなどをそのままにしておいたり、プライマーの塗り忘れ・不足などが起きると外壁とコーキング部分の間に隙間ができてしまいます。

隙間ができてしまった場合、その部分から雨水や汚れが侵入しやすくなってしまうため、補修工事を行わなくてはいけません。

コーキング材の欠落

コーキング材の欠落は、コーキング部分が完全に剥がれ落ちて内部が露出してしまっている状態のことを言います。

欠落が発生してしまう原因として挙げられるのは、プライマー不足やコーキング材の厚み不足と言われています。

コーキングの劣化症状の中でも一番悪化している状態ですので、早急に補修工事を行う必要があります。

補修が必要な症状の場合は打ち替えによる補修がベスト

コーキングの補修工事を行う際は、基本的には増し打ちではなく打ち替えで対処するようにしましょう。

増し打ちでも対応できる場合もありますが、劣化が進んでいる場合は増し打ちの効果がなくなってしまう・耐用年数が低くなってしまうなどさまざまなデメリットもあります。

補修が必要となっているコーキングはすでにダメージが内部まで進行している可能性もあるため、現存のコーキング材は全て新しいものに取り替える「打ち替え」工法を選びましょう。

詳しくはこちらの記事をを参考にしてください。

外壁コーキングの補修費用

外壁コーキングにかかる費用はどれくらいなの?と思う方も多いのではないかと思います。

補修工事にかかる費用相場は1㎡あたり500〜1,500円ほどとされています。

「打ち替え」「増し打ち」どちらを選ぶかによっても補修費用は大きく異なりますので、ここではそれぞれの費用の違いについて説明します。

「打ち替え」と「増し打ち」による費用の違い

  • 「打ち替え」322,000〜446,000円(撤去費・足場代を含む)
  • 「増し打ち」240,000〜362,000円(撤去費・足場代を含む)

「打ち替え」は既存のコーキングを一旦外し、新しいコーキング材で充填していく工事になります。

この工法の費用相場は1㎡あたり900〜1,500円となっており、一般的な二階建て住宅の場合の費用相場は322,000〜446,000円(撤去費・足場代を含む)ほどです。

一方で「増し打ち」は既存のコーキングの上からコーキング材を充填するだけの工事となります。

費用相場は1㎡あたり500〜1,000円ほどとされており、二階建て住宅の場合の費用相場は240,000〜362,000円(撤去費・足場代を含む)で打ち替え工法より施工費用が大幅に低くなります。

増し打ちは現存のコーキング材の撤去費用がかからないため費用を大幅に下げることができますが、すでに劣化が進んでいる場合は効果がなくなってしまうだけでなく、メンテナンス周期も短くなってしまいます。

各費用の相場についてはそれぞれこちらの記事を参考にしてみてください。

コーキング材の種類によっても寿命は違う

コーキング材の寿命には「原材料の違い」「1液型と2液型の違い」などがあり、種類によって寿命が5〜10年で変動します。

ここでは、コーキング材の種類による寿命や品質の違いについて解説します。

1液型と2液型の違い

コーキング材には、1液型と2液型の二種類があります。

1液型はその名の通り1液のみで使用できるコーキング材のことで、そのまま使用することができるコーキング材です。

ホームセンターなどのお店でも購入することができ、素人でも簡単に扱うことができるのが特徴です。

2液型のコーキング材は、材料を2種類混ぜて使用します。

混ぜる二種類の材料はコーキング材と硬化剤(コーキング材を固めるもの)ですが、素人には扱いが難しく、施工業者の中でもベテランのスタッフ以外はあまり扱いません。

2液型の方が耐久性・寿命がより長く、施工や管理にも手間がかかります。

原材料の違い

コーキング材によく使用される原材料は、水性アクリル・ウレタン系・変成シリコンなどです。

中でも水性アクリルは最も耐用年数が長く、新築の建物を建設する際に使用されています。

次に耐用年数が長いのはウレタン系で、新築よりもリフォーム時に採用されることが多いです。

塗装との密着性が高く、外壁塗装・コーキングのひび割れ補修にも使用されています。

変成シリコンはこの中で最も耐用年数が短い原材料ですが、紫外線に強く外壁のコーキング材として優れているのが特徴です。

コーキングの補修はDIYできるの?

コーキングの補修作業は、一見すると素人でも作業ができるように思う方も多いでしょう。

しかし、簡単なように見えていても実際には高度な技術が必要なのです。

また、コーキングの劣化については見えない部分でダメージが進行している場合もあり、素人目では判断することができません。

万が一劣化部分を発見したとしても、実際に劣化が進んでいるのはその箇所だけでなく、広範囲に渡っている可能性が高いのです。

作業自体も範囲が広く高所での作業を行わなくてはならないため、プロの職人に依頼を行った方が安全かつ確実です。

素人判断で増し打ちなどを行うと更に劣化を悪化させてしまう可能性もあるため、DIYなどで処置をするのはやめておきましょう。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

信頼できる業者を探すポイントとは?

信頼できる業者を探すためには、優良業者を見極める・口コミを調べておく・詐欺などを行う悪徳業者に気をつけるなどのポイントがあります。

一つ一つのポイントをしっかりと抑え、安心して施工を依頼できる業者を探しましょう。

優良業者を見極める

優良業者にはいくつか特徴がありますが、その特徴をしっかりと把握しておくことにより、実際に外壁塗装業者を選ぶ際の判断材料にすることができます。

例えば見積もりの内容が詳しく記載されている営業が強引ではない、などが特徴です。

依頼をする側の立場に立っているか、説明はわかりやすいかなども含めて慎重に見定めることが大切です。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

 

信用できる口コミを調べる

インターネット上で依頼を検討している業者の口コミを調べてみるのも有効な方法の一つです。

これまでに実際に施工を行った方のリアルな声や感想を見ることができるので、信憑性が高く業者選びの参考にすることができます。

しかし、中には信憑性の低い口コミや信用しない方が良い口コミも存在します。

口コミの一つ一つの見極めも業者選びにはとても重要ですので、信用できる口コミ・信用できない口コミについても知っておくことが大切です。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

外壁塗装工事の詐欺に気をつけよう

コーキングの補修工事などをはじめとした外壁塗装に関連する工事は、残念ながら詐欺のような手口で契約を迫ったり、適当な施工を行ったりする業者が後を断ちません。

悪徳業者に騙されない、トラブルに巻き込まれたりすることのないよう、外壁塗装工事やコーキング補修工事を依頼する際の施工業者はきちんと見極めることが大切です。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

信頼できる業者を外壁エージェントで探そう

まとめ

外壁コーキングの寿命や補修費用の相場、劣化症状について解説しました。

あまり注意深く観察をする機会のない外壁のコーキングですが、劣化を放置しておくとダメージをさらに進行させてしまう恐れがありますので注意が必要です。

また外壁コーキングの補修を行う際は、外壁塗装の塗り替え時期のタイミングや住宅の状態などを考慮し、信頼できる施工業者最適な施工を行うようにしましょう。

この記事のライター:外壁エージェント編集部
こんにちは、外壁塗装エージェント編集部です。「安心の外壁塗装」をコンセプトに、外壁塗装をトータルでサポートする外壁塗装エージェント。コラムでは、何を基準に業者を選べばよいかわからない、外壁塗装の注意するべきポイントが知りたいなど、外壁塗装にまつわる皆さまのさまざまな疑問にお答えします。外壁塗装アドバイザーによる有益で信頼できる情報をお届けしますのでぜひ参考にしてください。

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