信頼できる業者が保有する外壁塗装の資格・免許一覧!

外壁塗装工事を依頼する際、

「外壁塗装業は無資格・無免許でも開業できるって聞いたけど、自分が依頼するとなると無資格・無免許では不安・・・」

「実際にはどの様な資格を持っていたら安心できるの?」と思う人は少なくないと思います。

そこで今回は、外壁塗装業者が保有していると安心な資格・免許や優良業者を選ぶポイントについて紹介します。

資格や免許がなくても外壁塗装業者として開業できる

外壁塗装業者を選ぶ際には、見積金額・施工実績・担当者の人柄・地元での評判など様々な判断基準がありますが、最もわかりやすい判断材料は資格や免許の有無になるでしょう。

実は屋根や外壁の塗装業者の中には資格や免許を持っていない業者もあり、、無資格・無免許で営業していても違法ではありません

外壁塗装工事の中には、規模によって無免許・無資格でも工事できるものがあるためです。

しかし、建設業法上の「塗装工事業許可」や「一級塗装技能士」などの許可や資格を所有していた方が知識・技術面で一定の信頼感があり、依頼する上でも安心感を持つことができます。

資格を持たないからといって必ずしも信用できないとはいえませんが、優良業者かどうかを判断する上での判断基準の一つになるのは間違いないでしょう。

そこで、外壁塗装工事に関連する資格・免許の種類やそれぞれの内容を知っておくことが大切になります。

外壁塗装業者が持っていた方が良い重要な資格

まず初めに、外壁塗装業者が持っていた方が良い重要な資格・免許について紹介します。

塗装技能士

塗装技能士とは国家資格のひとつで、塗装技術や知識、実績を持っていると認定される資格です。この資格を所有していることで依頼主からの信頼が得やすくなります。

資格には1~3級があり、さらに塗装対象物の種類によって業種ごとに金属、木工、建築などの5つの分野に区分されています。

学科試験と実技試験により合否を判断しますが、1級と2級を受験するためにはそれぞれ実務経験(1級7年以上、2級2年以上等)が必要になります。

足場の組立て等作業主任者

足場の組立て等作業主任者とは、足場の設置や解体の作業を安全に行うために作業員を指揮・指導する役割を持つ者のことをいいます。

規定の講習を受け学科試験に合格することで資格を取得できますが、年齢や足場の設置・解体作業に従事した経験などの受験資格が必要です。

有機溶剤作業主任者

有機溶剤作業主任者とは、有機溶剤を使用した作業を安全に行うために作業員を指揮・指導する責任者のことをいいます。

有機溶剤には塗装工事に使用される液体が含まれ、トルエン、キシレン等のシンナー類があります。

体内に吸収されると中毒症状を起こす危険性があるため、有機溶剤を扱う作業には注意が必要です。

規定の講習を受け、学科試験に合格することで資格を取得することができます。

建設業許可(塗装工事業許可)

建設業の許可には業種により29種類があり、その中の一つに塗装工事業許可があります。

この許可は個人で取得するものではなく会社が取得する資格となり、

請負金額500万円(税込)以上の工事を請け負う際にはこの許可が必要です。

戸建住宅の外壁塗装工事ではほとんど該当しませんが、分譲マンションなどの外壁塗装工事を施工するためには必要なものなので、所有していた方がより会社の信頼度が高いといえます。

許可取得には、建設業に関して5年以上管理責任者として経営業務の経験がある人物が社長・役員として在籍していること、不正行為などの欠格要件がないこと、施工管理技士等の専任技術者が在籍していること、資本金が500万円以上であることなどの厳しい条件があります。

したがって建設業の許可(塗装工事業許可)を所有していれば塗装の技術だけでなく、経営能力も兼ね備えているといえるでしょう。

外壁塗装業者が持っていたら安心が増える資格

ここでは外壁塗装業者に必ずしも必要な資格とは言えないまでも、持っていたらより依頼主に安心感を与えることができる資格について紹介します。

建築士、建築施工管理技士以外は全て民間資格になっていますが、これらの資格保持者が多い業者は、積極的に他社との差別化を図っているといえるかもしれません。

雨漏り診断士

雨漏り診断士とは、雨漏り対策や雨漏り修理に関する専門知識を有し、雨漏りの原因を追究して的確な補修方法や再発防止対策をアドバイスできると認められた人のことをいいます。

外壁塗装の目的が雨漏り防止対策であることが多い一方で、長年外壁塗装の仕事をしてきた人でも雨漏りの原因が分からないということが少なくありません。

その様な場合に役立つのが雨漏り診断士です。

雨漏り診断士はNPO法人「雨漏り診断士協会」が定める民間資格で、20歳以上であれば誰でも受験することができます。
規定の講習を受けて学科試験に合格することで資格取得が可能です。

外壁診断士

外壁診断士とは、外壁の状態や補修に関して的確な判断とアドバイスができると認定された人をいいます。

一般社団法人「全国住宅外壁診断士協会」が認定する民間資格で、塗装やリフォームなどの実務経験が5年以上の方が受験することができます。外壁診断士は学科試験に合格することで、資格を取得することが可能です。

外壁劣化診断士

外壁劣化診断士とは外壁の劣化を診断し、どの様に補修や修繕を行ったら良いのかをアドバイスできる知識や技術を持っていると認定された人のことをいいます。

一般社団法人「住宅保全推進協会」が定める民間資格で、建設業などで実務経験が3年以上あれば受験可能です。

外壁塗装マイスター

外壁塗装マイスターとは、塗装業者の選定に悩む消費者のための資格です。外壁塗装に関する設計・施工の知識・技術が一定基準にある技術者を認める資格となっており、

技術面だけでなく、倫理観や実績、顧客との信頼の有無も考慮して顧客視点で選定しているのが特徴です。

色彩アドバイザー、塗料選定・マイスター、現場マニュアルマイスター、コミュニケーションマイスターの4つの資格を有し、以下の国家資格または信頼度の高い民間資格を1つ以上有していることが求められます。

  • 1、2級建築士
  • 1級塗装技能士
  • 建築施工管理技士
  • 窯業サイディング塗替診断士
  • 雨漏り診断士
  • カラーコーディネーター
  • 戸建住宅劣化診断士

「日本外壁塗装マイスターズ」という団体が認定している民間資格ですが、設立されて日が浅く、認定者がまだ少ないのが現状です。

窯業サイディング塗替診断士

窯業サイディング塗替診断士とは、国内の戸建住宅・アパートの外壁の約7割を占める窯業系サイディング材のメンテナンス(塗り替え・張り替え)の専門家です。

一般社団法人「木造住宅塗装リフォーム協会」が認定する民間資格で、資格取得には認定講習の受講が必要になります。

受講資格は建築士、施工管理技士、実務経験5年以上などとなっています。

建築士

建築士とは、建築物の設計や工事監理などを行うための専門知識や技術を持っていると認められた国家資格で、1級、2級、さらに木造建築士があります。

建築士の資格を持っていると、一定規模以上の建物や特定の建物の設計を行うことが出来ます。

外壁塗装工事を行う際には建築士の資格は必要ありませんが、建築士が工事監理を行うことで依頼主に安心感を与えることができるでしょう。

建築施工管理技士

建築施工管理技士とは、建築工事において施工管理、工程管理、品質管理、安全管理等を行うための国家資格で、1級と2級があります。

小規模な外壁塗装工事の現場管理を行う際には建築施工管理技士の資格は必要ありませんが、建築施工管理技士が社内に在籍していることで顧客の安心感に繋がります。

資格を持たない業者に依頼するとトラブルに巻き込まれることも

外壁塗装工事を行う際には、資格や免許を持った業者に依頼した方が良いでしょう。

外壁塗装工事業は資格や建設業の許可がなくても開業することができますが、外壁塗装工事には100万円ほどの費用がかかるので、できるだけ信用できる業者に依頼することが望まれます。

実際に施工不良によるトラブルや詐欺などの被害は、資格や許可を持たない業者に依頼した方が発生しやすいといえるでしょう。

このような業者は施工に必要な知識や技術が保証されていないので、トラブルが発生しても何ら不思議ではありません。

逆に社員や職人に資格取得を積極的に推進している様な会社であれば、社員教育に熱心な会社といえるので、トラブルに遭う可能性は少なくなるでしょう。

必ずしも全ての民間資格まで取得している必要はありませんが、持っていた方が良い最低限の資格の有無だけは工事を発注する前に確認しておく必要があるといえます。

業者が持っている各種資格や免許を確認する方法

この章では、依頼を検討している外壁塗装業者が持っている資格を事前に確認する方法を紹介します。

外壁塗装工事に限ったことではありませんが、業者が持っている資格の中には民間資格も数多く存在しています。

国家資格であれば信頼性は高いといえますが、民間資格の中には信頼性の低い資格もあるので、資格を数多く所持していれば良いという訳ではありません。

業者を選択する際には所有している資格の数で業者を選ぶことも大切ですが、それぞれの資格がどんな資格なのか、資格の信頼性についてもしっかりとリサーチすることが大切です。

業者に直接尋ねる

一番早いのが業者に直接聞いて確認してみることです。

聞きにくいかもしれませんが、もっとも簡単にできる方法といえます。

どんな資格を持った職人が在籍しているのか、建設業法上の塗装工事業許可の有無など、資格や免許を保有していれば隠すことはないでしょう。

ただし資格を持った職人がいるといいながらも、その職人は自社の職人ではなく下請け業者の職人だったりすることもあるので注意が必要です。

業者の自社HPや情報が記載されているHPなどで調べる

資格を保有している職人がいる業者であれば、自社のホームページやチラシ、会社案内などに保有資格が掲載されていることがほとんどです。

保有資格があるにも関わらず、会社のセールスポイントとして公表していないことは通常では考えられません。

したがってホームページなどで確認するのが非常に有効といえます。

記載がない場合には資格を持っていない可能性が高いので、注意が必要です。

尚、資格を持った職人が在籍していても、必ずしもその職人が自宅の工事を担当するとは限りません。

どうしても資格を持った職人に工事を行って欲しい場合には、あらかじめ業者に伝えておくことが大切です。

資格や免許を持っているだけでは意味がない!優良業者を選ぶポイント

外壁塗装業者を選ぶ上で資格の有無はもちろん大切なことですが、それだけで判断するのは非常に危険です。

前述した様に、資格の中にはあまり信頼性のないものも存在するからです。

資格の有無はあくまでも判断材料のひとつとして考えるようにしましょう。

そこで資格以外の部分で信頼できる業者を選ぶポイントを4つご紹介します。

詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。

 

 

点検や営業担当者の対応が丁寧かどうか

塗装業者による点検作業や営業担当者の対応は、業者を選定する上で非常に重要な判断基準になります。

外壁塗装工事の見積依頼をすると、はじめに業者による現地調査や点検が行われます。

外壁の劣化状況は現場ごとに異なりますが、

最低でも1時間程度の時間をかけて丁寧に点検、計測などの作業を行い、必要に応じて写真などの記録に残すことが大切です。

こうした作業を行わずに短時間で計測だけ行って見積書を作成するような業者は信用できません。

また、こちらの疑問や不明点に対して丁寧にわかりやすく答えてくれるかどうかも重要な判断基準といえるでしょう。

見積もり書の内訳詳細についての説明があるかどうか

現地調査が終了すると、業者から見積もり書が提出されます。

その際、見積もり書に詳細な数量が記載されているか、担当者から内訳明細についての説明があるかどうかが大切です。

悪質な業者の場合には、大雑把な「○○工事 一式〇☓円」といった見積もり書を提出してくることが多いので、たとえ金額が安くてもこの様な業者には注意が必要です。

施工実績を開示しているかどうか

過去の施工実績を自社のホームページなどに掲載しているかどうかも重要な判断基準といえます。

開業してから一定年数が経過している業者であれば、相応の施工実績があるはずです。

こうした施工実績を開示していない業者は、施工に問題があったり、顧客からのクレームがあったりする可能性があるので要注意です。

保証や加入している保険があるかどうか

施工後に万一トラブルが発生した場合どんな保証が受けられるのかも、業者を選定する上で大事なポイントです。

自社保証の有無や保証の内容、塗装業者が加入している団体や組合の保証の有無、リフォーム瑕疵保険加入の有無などを必ず確認しておきましょう。

まとめ

住宅の外壁塗装工事業は無資格でも開業することができますが、やはり塗装技能士、有機溶剤作業主任者、建設業許可などの資格や許可を取得している業者の方が安心です。

ただし資格の有無だけで業者を選ぶのではなく、この記事を参考にして他の4つのポイントも確認することが大切です。

外壁エージェントでは業者の資格も確認できるので是非ご活用ください。

この記事のライター:亀田 融
東証一部上場企業の不動産・建設会社の建築部門に33年間勤務。 13年間の現場管理経験を経て、取締役事業部長に就任。 事業部内で年間1000件以上のリフォーム工事を手掛けるなかで、中立的立場でのコンサルティングの必要性を実感し、独立を決意。 現在はタクトホームコンサルティングサービスの代表として、住まいに関する専門知識を生かし、多岐にわたり活躍している。 (保有資格:一級建築施工管理技士、宅地建物取引士、マンション管理士、JSHI公認ホームインスペクター、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、日本不動産仲裁機構ADR調停人)

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