外壁塗装で人気№1のシリコン塗料!特徴、価格、おすすめメーカー

外壁塗装の塗料の中で、一番人気といわれているシリコン塗料

塗料選びの際、塗装業者からシリコン塗料をすすめられることも多いと思います。

しかしシリコン塗料は他の塗料と比較して、どのような点が優れているのでしょうか?

また、塗料の価格やデメリットについても気になります。

そこでこの記事では、シリコン塗料のメリット・デメリットから費用相場他の塗料との違いおすすめメーカーなどの気になる情報について詳しく紹介します。

目次

外壁塗装のシリコン塗料は「最も選ばれている人気の塗料」

塗料は樹脂、溶剤、添加剤、顔料の4つの成分から構成されています。

樹脂には耐久性を高める役割、添加剤には機能を追加する役割、顔料には色を付ける役割、溶剤には樹脂を溶かして塗りやすくするための役割があります。

この中で「樹脂」の主成分がアクリル・シリコンのものがシリコン塗料になります。

耐用年数や価格など総合的なバランスに優れていて、コストパフォーマンスが高いことが、外壁塗装で「最も選ばれている人気の塗料」となっている理由です。

外壁塗装のシリコン塗料のメリット・デメリット

シリコン塗料は屋根や外壁の塗装で多くの塗装業者から使われてきた実績があるため、外壁・屋根塗装の際には業者からすすめられることが多くなる傾向があります。

しかしシリコン塗料にはメリットばかりではなく、デメリットもあります。

そこでシリコン塗料のメリットとデメリットを紹介します。

シリコン塗料のメリット

シリコン塗料の主なメリットは次の6つです。

コストパフォーマンスに優れている

価格の割に耐久性が高いため、他の塗料と比較して費用対効果が高いといえます。シリコン塗料が最も多く使われている最大の理由といえるでしょう。

耐候性が高い

紫外線による劣化に強く、光沢保持率が高くなっています。

日々太陽や風雨に晒されても色あせしにくい塗料です。

耐熱性に優れている

耐熱性に優れ、約300℃の環境に耐えることができます。

塗料によっては600℃前後にも耐えることができるといわれています。

塗膜が硬く撥水性がある

水を通しにくく撥水性があるので、湿気や雨による劣化を抑える効果があります。

透湿性がある

外部からの水分は通さず塗膜の内側に溜まる湿気は外部に放出するため、湿気による内部結露やカビを防ぐ効果があります。

防汚性が高い

光沢、ツヤのある仕上がりになるため、汚れがつきにくく雨水や埃などの汚れを弾きます

シリコン塗料のデメリット

シリコン塗料にはさまざまなメリットがある反面で、次のようなデメリットがあります。

ひび割れしやすい

他の塗料よりも乾燥後の塗膜が硬くなるため、ひび割れしやすい傾向があります。

したがって大きな地震が発生した際にはひび割れするリスクがあり、伸縮する素材や振動の多い立地での使用には適しません。

アクリル塗料やウレタン塗料に比べて価格が高い

アクリル塗料やウレタン塗料よりも耐用年数が長いものの、価格は高くなります。

フッ素塗料と比べて耐用年数が劣る

フッ素塗料よりも安価なものの、耐用年数では劣ります。

DIYに不向き

シリコン塗料はやや密着性に劣るため重ね塗りするのが難しく、下塗り材の選定にも注意が必要になります。

そのため知識や経験がないと非常に扱いにくいので、素人のDIYには適していません。

塗料によって耐久性が大きく異なる

同じシリコン塗料と呼ばれているものの中にも、シリコン含有率が20%程度のものから40%程度のものまでさまざまな商品があります。

シリコン含有率が低いと、期待していた効果や耐用年数が得られないので注意が必要です。

シリコン塗料と他の塗料の違い

屋根や外壁の塗装に使用する塗料の中には、シリコン塗料のほかにもさまざまな塗料があります。

それぞれの塗料のおおまかな特徴は次の通りです。

アクリル塗料

軽量なので重ね塗りがしやすく光沢があって安価だが、耐用年数が短い

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ウレタン塗料

柔らかい素材なので密着性に優れているため、複雑な形状の外壁にも塗装しやすい

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ラジカル(制御型)塗料

チョーキング現象の発生を抑えるために開発された比較的新しい塗料である

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光触媒塗料

塗料に含まれている酸化チタンが太陽光から放出される紫外線があたって化学反応を起こすことで、壁面に付いた汚れを分解する効果がある

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フッ素塗料

あらゆる気候に対応できる上に耐用年数が長いので、高層ビルや陸橋、鉄塔などの塗装に多く使用されている

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無機塗料

有機物の含有量が少ないためチョーキングなどの劣化が起こりにくいのが特徴

最も高価なフッ素塗料より価格が高い反面、塗膜が長持ちするため耐久性に優れている

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塗料ごとの耐用年数と施工価格を表にまとめてみました。

塗料 耐用年数 施工価格(単価)
アクリル塗料 5~8年 1,000~1,800円/㎡
ウレタン塗料 7~10年 1,500~2,500円/㎡
シリコン塗料 10~15年 1,800~3,500円/㎡
ラジカル(制御型)塗料 12~15年 2,200~4,000円/㎡
光触媒塗料 12~20年 3,800~5,500円/㎡
フッ素塗料 15~20年 3,500~5,000円/㎡
無機塗料 20〜25年 4,500~5,500円/㎡

※横にスクロールしてください。

シリコン塗料の種類と選び方

塗料には「水性/油性/弱溶剤」と「1液型/2液型」があり、シリコン塗料も例外ではありません。

それぞれの違いも知っておくと良いでしょう。

「水性」と「油性」と「弱溶剤」

シリコン塗料に限らず、すべての塗料は水性と油性に分けられます。

水で薄める塗料を「水性塗料」シンナーで薄める塗料を「油性塗料」といいます。

さらに油性塗料には「溶剤」と「弱溶剤」の2つのタイプがあり、弱溶剤の方がシンナーの刺激や臭いが少ないため、近年では環境に優しい「水性塗料」現場近隣に配慮した「弱溶剤系塗料」が主流になっています。

「1液型」と「2液型」

水性塗料、弱溶剤系塗料のどちらの塗料にも、「1液型」と「2液型」があります。

「1液型」はそのまま水やシンナーで薄めるだけで使用することができますが、「2液型」は「主剤」と「硬化剤」に分かれていて、使用する際には正しい比率で主剤と硬化剤を混ぜ合わせなければなりません。

また、2液型塗料は時間の経過と共に少しずつ固まってしまうため、手際のよい作業が必要になります。

したがって「2液型」は経験豊富な業者でないと上手く扱うことができません。

しかし耐久性は一般的に「2液型」の方が優れています。

水性2液型のシリコン塗料はまだ少なく、水性1液型や弱溶剤の1液型・2液型が現在の主流になっています。

シリコン塗料、おすすめメーカーの商品

ひと口にシリコン塗料といっても、塗料メーカーや商品の種類もさまざまで、どれが良いのかわからないと思う方がほとんどではないでしょうか。

多くの場合は塗装業者が塗料の選定まで行いますが、ある程度の商品知識を持っていた方が安心です。

塗料は大手メーカーの商品であれば、それぞれ一定の品質は確保されているといえます。

ただし職人の技術にも左右されるので、この点には注意が必要です。

そこで国内を代表する三大塗料メーカーのおすすめ外壁用シリコン塗料を紹介します。

1.日本ペイント

ファインシリコンフレッシュ 特殊セラミック成分による低汚染性と防カビ性に優れた塗料
ファインSi さまざまな下地に塗装できるオールマイティーなシリコン塗料

※横にスクロールしてください。

2.エスケー化研

クリーンマイルドシリコン セラミック複合により低汚染性、防藻・防カビ、透湿性に優れた塗料
水性セラミシリコン 通常のシリコン塗料よりも高い耐候性を持った塗膜を形成する塗料

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3.関西ペイント

セラМシリコン3 中塗りと上塗りに色味の異なる塗料を使用するため、塗料の塗り忘れを防止できる塗料
コスモシリコン 耐候性の高さと防カビ・防藻性を備え、旧塗膜との密着性が高い塗り替えに適した塗料

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シリコン塗料による外壁塗装の費用相場

シリコン塗料で180㎡の外壁を塗装した場合の工事費用はどれ位になるのでしょうか。

ほかの塗料と比較したものを表にまとめてみました。

塗料の種類 ㎡単価の相場 工事費用
アクリル塗料 1,000~1,800円/㎡ 18~32万円
ウレタン塗料 1,500~2,500円/㎡ 27~45万円
シリコン塗料 1,800~3,500円/㎡ 32~63万円
フッ素塗料 3,500~5,000円/㎡ 63~90万円

※横にスクロールしてください。
※他に足場代、諸経費などがかかります。

次に、一般的な2階建戸建住宅をシリコン塗料で塗装した場合のおおよその塗装費用を建物の坪数別(延床面積別)にみてみましょう。

建物の坪数 シリコン塗料の塗装費用相場
30坪 21~42万円
50坪 36~69万円
70坪 50~97万円

※実際に塗装する外壁面積=建物の坪数(延べ床面積)×1.2で計算しています。
※他に足場代、諸経費などがかかります。

最後に各塗料のコストパフォーマンスを「1㎡あたりの施工価格」÷「耐用年数」で計算してみましょう。

  • アクリル塗料   約125~360円/年
  • ウレタン塗料   約150~360円/年
  • シリコン塗料   約120~350円/年
  • フッ素塗料    約175~330円/年

上記のように、シリコン塗料が比較的価格と耐用年数のバランスが良いことがわかります。

したがって耐用年数からみたコストパフォーマンスは、シリコン塗料が最も優れているといっても良いでしょう。

シリコン塗料を選ぶ時の注意点

シリコン塗料の一部には価格が安い代わりに耐用年数が短いものもあるので、契約する前には使用する塗料の種類(メーカー名、商品名)耐用年数を必ず確認しておく必要があります。

同じようにシリコン塗料と呼ばれていても、塗料によって耐用年数に大きな差が出ると思って良いでしょう。

そこでシリコン塗料を選ぶ際の注意点について紹介します。

シリコン含有率が低いシリコン塗料は選ばない

前述したようにシリコン塗料の耐久性は、シリコンの含有率によって大きく異なります

シリコンの含有率には特に規定がないので、ほんの僅かでもシリコンが含まれていればシリコン塗料と呼ばれています。

したがって、大手塗料メーカーの商品でないものや、悪質な業者が勧める塗料には注意が必要です。

必ず耐用年数を確認するようにしましょう。

シリコン塗料の耐用年数の確認方法

どのようなシリコン塗料が工事で使用されるのかは、見積書にメーカー名や塗料名まできちんと記載されていれば確認できますが、そうでなければ確認することができません。

このような状態のままで契約するのは絶対にやめましょう。

また見積書に記載されている場合には、念のためにインターネットで検索して耐用年数を調べてみることが大切です。

前述した大手塗料メーカーの塗料であれば比較的安心ですが、そうでない場合には必要に応じてメーカーに直接問い合わせてみても良いでしょう。

外壁塗装にシリコン塗料がおすすめのケース・不向きなケース

非常にメリットが多いシリコン塗料ですが、中には不向きな場合があります。

そこでおすすめのケースと不向きなケースについて紹介します。

シリコン塗料がおすすめのケース

シリコン塗料がおすすめのケースは次のような場合です。

塗料のコストパフォーマンス(費用対効果)を重視する場合

前述した通り、シリコン塗料は非常にコストパフォーマンスが高い塗料です。

コストを節約しつつもある程度の耐久性を求める場合には最適な塗料といえます。

あと10年以上は住み続ける場合

シリコン塗料には10年以上の耐久性が期待できるので、その間塗り替えを行う必要がありません。

光沢感のある外観が好みの場合

シリコン塗料の塗膜には、光沢・ツヤがあるのが特徴です。

シリコン塗料が不向きなケース

一方、シリコン塗料が不向きなケースは次のような場合です。

大きな住宅の場合

大きな住宅の場合には、より耐用年数が長いフッ素塗料などを使用した方が良いでしょう。

塗装費用はかかっても、長期間でみた場合のコストは削減できる可能性が高いといえます。

塗り替え周期を長くして塗り替え回数を抑えたい場合

上記と同じ理由により塗り替え回数を減らすことで、足場代の節約にも繋がります。

10年以内に退去予定の場合

10年以内に退去する予定がある場合には、より安価なウレタン塗料などを使用して塗り替えることで、費用を節約することができます。

建物の前面道路に大型車両の交通量が多く、振動が多い場合

シリコン塗料の塗膜は硬くてひび割れしやすいため、振動が多い立地条件には適しません。

ラジカル制御型シリコン塗料とは?

最後に、今後需要が拡大すると思われるシリコン系塗料の高機能版「ラジカル制御型シリコン塗料」を紹介します。

アクリル系、シリコン系、フッ素系などの何らかの樹脂とラジカル制御型チタンを使用した塗料のことを「ラジカル制御型塗料」といいます。

ラジカル制御型シリコン塗料は2012年に発売され、まだ実績が少ないのですが、非常に注目度が高い塗料です。

顔料に「高耐候酸化チタン」などの高性能な成分が配合されていて、塗膜の劣化症状のひとつであるチョーキングの原因になるラジカル(紫外線や酸素、水などの影響を受けて発生する物質)の発生を抑えます

そのため、従来商品よりも優れた耐久性能が期待されています。

日本ペイントの「パーフェクトトップ」、エスケー化研の「プレミアムシリコン」、関西ペイントの「アレスダイナミックTOP」などの商品があります。

まとめ

現在国内の屋根・外壁塗装工事で最も多く使われているシリコン塗料について、その特徴や価格、性能などを紹介しました。

他にもさまざまな塗料がありますが、それぞれの塗料のメリット、デメリットを良く比較検討した上で、塗料選びを行うことがとても大切です。

そのため、単に塗装業者から紹介された塗料で塗装するのではなく、自分の要望に合っているかどうかを良く確認する必要があります。

ご自宅の外壁の塗装工事を行う際には、本記事を是非お役立てください。

この記事のライター:亀田 融
東証一部上場企業の不動産・建設会社の建築部門に33年間勤務。 13年間の現場管理経験を経て、取締役事業部長に就任。 事業部内で年間1000件以上のリフォーム工事を手掛けるなかで、中立的立場でのコンサルティングの必要性を実感し、独立を決意。 現在はタクトホームコンサルティングサービスの代表として、住まいに関する専門知識を生かし、多岐にわたり活躍している。 (保有資格:一級建築施工管理技士、宅地建物取引士、マンション管理士、JSHI公認ホームインスペクター、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、日本不動産仲裁機構ADR調停人)

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