築20年経っている場合は今すぐ外壁塗装を検討しましょう!

「築20年経過したけど、そろそろ外壁塗装をした方が良い?」
「外壁塗装は20年が限界と聞いたけど本当?」

と、考えている方も多いのではないでしょうか。

外壁塗装は日々の紫外線や雨風により経年劣化を引き起こすため、再塗装による定期的なメンテナンスが必要です。

築20年が経過し、まだ一度も外壁塗装などのメンテナンスをしていない場合は、すぐに外壁塗装を検討するべきです。

この記事では築20年が経過している方や前回の外壁塗装から20年が経過している人向けに、メンテナンスの方法、費用、注意点を紹介します。

目次

築20年経過している場合はすぐに外壁塗装をするべき!

塗料

外壁塗装の耐用年数は一般的に10年前後といわれ、グレードが高い耐久性の高い塗料であっても築20年が耐用年数の目安になります。

このような理由からほとんどの方が新築後10~15年の間に外壁の塗り替え工事を行っているため、すでに築20年が経過している場合にはすぐにでも外壁塗装を行う必要があります。

外壁塗装の寿命は塗料の耐用年数で決まる

それぞれ塗料の種類ごとに耐用年数の目安があり、グレードが高くなるほど塗料の性能や質が良く、耐用年数も長くなります。

外壁塗装の寿命が一般的に10年前後であるといわれている理由としては、新築時に施主側から塗料の指定をしなかった場合、基本的にシリコン塗料が外壁塗装に使用されていることが挙げられます。

塗料の種類とそれぞれの耐用年数は以下の通りです。

塗料の種類 耐用年数
アクリル塗料 5~8年
ウレタン塗料 7~10年
シリコン塗料 10~15年
ラジカル(制御型)塗料 12~15年
光触媒塗料 12~20年
フッ素塗料 15~20年
無機塗料 20~25年

新築時に耐用年数の長い無機塗料やフッ素塗料等をを使用した場合には、築後20年が経過しても塗膜の劣化がほとんど生じていないこともあります。

しかし外壁の表面に劣化が見られない場合であっても、必ず定期的な点検を受けるようにしてください。

築20年経過している場合は外壁材もチェック!

外壁の点検作業

外壁塗装は外壁材を紫外線や雨風から保護する重要な役割がありますが、すでに築20年が経過している場合には、外壁塗装の塗膜だけでなく外壁材自体も傷んでいる可能性があります

住宅に使用される外壁材にはさまざまな種類がありますが、塗料と同じように種類に応じてそれぞれメンテナンス周期があります。

そのため、築20年が経っている場合には外壁塗装の塗膜だけではなく、外壁材の状態も併せて確認しておくことが大切です。

主な外壁材の種類別メンテナンス周期と耐用年数は次のようになります。

外壁材の種類 メンテナンス周期の目安 耐用年数
窯業系サイディング 8〜10年 20〜40年
金属系サイディング 10~15年 20〜40年
木質系サイディング 3~10年 15〜40年
樹脂系サイディング 10~20年
※ただし塗り替えは不要
20〜50年
タイル 約20年 30~50年
ALC 10~15年 30〜40年
モルタル 8~10年 30〜40年

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サイディング外壁の寿命

サイディング自体の耐用年数は一般的に20~30年以上といわれていますが、これは前述したように外壁塗装のメンテナンスをしっかりと行うことが前提です。

したがって築20年が経過してこれまで一度もメンテナンスを行っていない場合には、耐用年数に関係なくすでに寿命がきている可能性があります。

ここでは、4種類に分けられるサイディングの特徴や耐用年数を紹介します。

窯業系サイディング

サイディングの中でも最も多く採用されているもので、セメントに木質繊維を混ぜ合わせて焼いたものです。

耐震性や耐火性に優れ、定期的にメンテナンスを実施すれば30年以上の耐久性があります。

金属系サイディング

原材料には溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板、アルミニウム合金、ステンレス鋼板などがあり、これらの鋼板に断熱材を張り合わせたものです。

軽量であることが最大の特徴で、最も代表的なガルバリウム鋼板製のものは25~35年の耐久性があるといわれています。

ただし潮風などで腐食しやすく、サビが発生してしまうと寿命が縮まってしまうことがあります。

木質系サイディング

天然の木材に塗装や表面処理などを施した外壁材です。

断熱性が高いことが特徴ですが、木材の性質上吸水性が高いため劣化しやすく、耐用年数は15~30年と他のサイディングと比較して短くなります。

樹脂系サイディング

塩化ビニル樹脂を主原料としたもので、耐腐食性がありひび割れしにくいのが特徴です。

軽量で耐震性にも優れており、寒冷地でも凍害が発生しにくいというメリットがあります。

サイディング自体に顔料が練り込まれているので基本的に塗り替えは不要で、耐用年数は25~30年以上といわれています。

タイル・ALC・モルタル外壁の寿命

タイルの壁

外壁材にはサイディングのほかにタイル、ALC、モルタルなどがあります。

ここではタイル、ALC、モルタルそれぞれの特徴と寿命を紹介します。

タイル

タイルは土や石、砂などの原料を成型し、高温で焼き固めたものです。

タイル自体の寿命は30~50年以上なので、メンテナンスフリーの外壁材といわれています。

しかしタイル張りの外壁は接着剤や目地のシーリング(コーキング)に劣化が生じてしまうので、10年に1度程度のメンテナンスは不可欠といえます。

また、専用のスプレーガンを使って塗料を吹き付けて仕上げたものを「吹き付けタイル」といいますが、これは本物のタイルではないので、8~10年程度でメンテナンスが必要になります。

ALC

ALCとは軽量気泡コンクリートのことで、耐震性・耐久性・断熱性に優れた外壁材です。

ALCの耐用年数は適切なメンテナンスさえ行っていれば50~60年ともいわれていますが、吸水性が高いため、塗装工事などの定期的なメンテナンスの必要性が高いのがデメリットになります。

モルタル

モルタルとはセメントと砂を混ぜたもので、耐震性や耐火性に優れているものの、ひび割れが発生しやすく防水性が低いのがデメリットになります。

モルタルの耐用年数は30年以上といわれていますが、モルタルを保護するために定期的に塗装する必要があります。

外壁塗装や外壁材の寿命は建物の立地条件が大きく影響する

白とベージュの外壁

外壁の塗膜や外壁材の寿命には、建物の立地条件が大きな影響を与えるといわれています。

紫外線や雨風、砂ぼこり、潮風、排気ガス、気温、湿度、振動などが塗膜や外壁材そのものを劣化させる原因になり、寿命を縮めてしまうことにつながります。

このような理由から、同じ築年数や同じ仕様の建物であっても、立地条件が異なれば建物ごとに劣化状態も異なるといわれています。

また、地震や台風などの自然災害も塗膜や外壁材を傷める原因になります。

築20年の建物に発生しやすい塗膜の劣化症状の例

外壁の苔

外壁塗装が必要かどうかを判断するためには、現在使用されている塗料の耐用年数をもとに判断するほか、外壁の塗膜に実際に発生している劣化症状から判断するとより確実といえます。

外壁の塗膜が劣化すると発生しやすい症状には次のようなものがあります。

発生しやすい劣化症状 発生状況
チョーキング 外壁に触った時に手に白い粉状のものが付着する
カビやコケ、藻の付着 外壁にカビやコケ、藻が付着するようになる
褪色や色あせ 外壁の色が薄くなったり変色したりするようになる
塗膜の剥がれや膨れ 塗膜の一部に剥がれや膨れが発生する
塗膜のひび割れ 塗膜にひび割れが発生する
鉄部のサビ 鉄部にサビが発生する

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チョーキング現象の発生

チョーキング現象は「白亜化現象」とも呼ばれ、外壁に触った時に手に白い粉が付着するようになる外壁の劣化症状です。

白い粉状のものの正体は、雨や紫外線によって塗料の中の合成樹脂が分解し、顔料が粉状になって塗膜の表面に現れたものです。

チョーキングは塗膜劣化の初期症状で、新築後5年前後から発生するといわれています。

そのため、築20年が経過している場合はより深刻な劣化症状が発生している可能性が高いといえます。詳しくは以下の記事で解説しています。

 

外壁表面の褪色や色あせ

外壁表面の褪色や色あせも比較的初期の劣化症状であることが多いため、早急に外壁塗装を行うほどではないことが多いようです。

しかし築20年が経過している場合にはすでに褪色や色あせが発生し、外壁の痛みが進行している状態であることがほとんどです。

外壁塗装の色あせが起きる原因や対策は、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

塗膜の剥がれや膨れ

外壁の塗膜に剥がれや膨れが発生している場合は、塗膜がすでに劣化していて防水機能を失い、外壁材の内部にも雨水が侵入している可能性が高いといえます。

そのため、築20年が経過しているにもかかわらず一度もメンテナンスを行っていない場合には、建物の構造躯体が湿気のために腐蝕してしまっている可能性もあります。

外壁の剥がれの原因や対処方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

塗膜のひび割れ

外壁の塗膜にひび割れが発生している場合も塗膜の剥がれや膨れと同様に、外壁塗装がすでに劣化していることを示すもので、外壁材自体も傷んでいる可能性が高いといえます。

また、ひび割れを起こしている部分からは雨水が侵入している可能性があります。

雨漏りの発生は建物の構造躯体に悪影響を及ぼすばかりでなく、室内にいつ雨漏りが発生してもおかしくない状態にあります。

外壁のひび割れについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

築20年前後で検討したい外壁のメンテナンス方法と費用相場

外壁のメンテナンス方法には、部分的な補修を除くと外壁塗装のほかに外壁の重ね張り(カバー工法)、外壁の張り替えの3つがあります。

基本的には外壁塗装によるメンテナンスを行いますが、外壁の傷みが著しい場合には重ね張りや張り替えを行う必要があります。

そのため、20年間外壁塗装を行わなかった場合にはこれを視野に入れて検討することが大切です。

また、コーキング(シーリング)の打ち替えや増し打ちも併せて行うようにします。

外壁塗装の費用相場

外壁塗装の工事費用は実際に塗装する部分の外壁の面積をもとに算出しますが、建物の延べ床面積からおおまかな費用を知ることができます。

建物の延べ床面積ごとの外壁塗装工事費用の相場は、次の表のようになります。

坪数 外壁塗装面積 塗装工事費用相場
20坪 66㎡ 79.2~92.4㎡ 約40~90万円
30坪 99㎡ 118.8~138.6㎡ 約60~100万円
40坪 132㎡ 158.4~184.8㎡ 約80〜130万円
50坪 165㎡ 198.0~231.0㎡ 約90〜160万円
60坪 198㎡ 237.6~277.2㎡ 約120~200万円

※「外壁塗装面積=延床面積×1.2~1.4」で計算
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一般的な大きさの一軒家である場合は30坪前後であることが多く、外壁塗装には約60〜100万円の工事費用がかかります

外壁塗装の費用相場については、以下の記事でも詳しく解説しています。

 

張り替え・重ね張りの費用相場

築年数が経過していて外壁の汚れやひび割れ、欠損などの劣化が著しい場合には、外壁材の張り替えや重ね張りを行います。

「張り替え」は、既存の外壁材をすべて撤去して新しい外壁材に張り替える方法です。

また、「重ね張り」は既存の外壁材の上に新しい外壁材を張り付けること方法で、カバー工法とも呼ばれています。

約30坪の木造2階建住宅(外壁面積120~150㎡程度)の外壁を張り替える場合の費用は、概ね次のようになります。

外壁材の種類 張り替え工事費用(総額)
窯業系サイディングに張り替え 180~250万円
タイル張りに張り替え 250~500万円

ただし張り替えを行う場合は、下地材や構造躯体の劣化状態に合わせた補修工事を行う必要があり、その場合には費用が割り増しになります。

外壁材の張り替え工事については、以下の記事でも詳しく解説しています。

 

一方、重ね張りの場合には既存の外壁材を撤去しないことから、費用は同様の建物の場合で150~200万円程度になります。

また、重ね張りに使用するサイディングは軽量な金属製サイディングになることがほとんどです。

外壁の重ね張りの費用の内訳は概ね次のようになります。

工事項目 工事費(材工価格)
足場 15~20万円
防水シート 4~6万円
下地胴縁 10~25万円
土台水切り 5~7万円
コーキング(シーリング) 5~35万円
金属サイディング 70~100万円
管理費・諸経費 工事費合計の10%程度

外壁材の重ね張り工事については、以下の記事でも詳しく解説しています。

 

コーキング(シーリング)補修の費用相場

コーキング作業

コーキング(シーリング)にはアクリル、ウレタン、シリコン、変性シリコン等の種類があります。

耐用年数は種類によって異なりますが、一般的には10~15年程度です。

そのため、外壁の塗り替えや重ね張り、張り替えを行う際にはコーキング(シーリング)工事を併せて行っておく必要があります。

コーキング工事には「打ち替え」と「増し打ち」の2つの工法があります。

「打ち替え」は傷んだコーキングをカッターなどで切り取ってから新しいコーキング材を充填する方法で、「増し打ち」は古いコーキングの上に新しいコーキングを塗り重ねる方法です。

外壁材の劣化が著しい場合や、外壁材の重ね張り、張り替えを行う際には「打ち替え」が必要になるので、築20年の建物の修繕を行う場合にはコーキングの打ち替えを行います

それぞれの費用は次のようになります。

補修方法 費用相場
打ち替え 約900~1,200円/m
増し打ち 約500~900円/m

コーキングの補修方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

 

次回のメンテナンスに向けて外壁塗装の耐用年数を延ばすコツ

この章では外壁塗装の耐用年数を延ばして、以降のメンテナンス周期をできるだけ長くする方法を紹介します。

外壁の洗浄で耐用年数を延ばす

外壁の塗膜は、外壁にチリやホコリ、排気ガス、空気中の塩分、カビ、コケなどが付着して蓄積することで劣化のスピードが早まります。

そのため、耐用年数を延ばすためにも外壁の定期的な洗浄が必要です。

ただし家庭用の高圧洗浄機を使って高圧で洗浄すると塗膜や外壁材を傷めてしまうことにもなりかねないので、スポンジや柔らかいブラシを使ってホースで丁寧に水洗いすることが大切です。

外壁の汚れの落とし方や汚れを防ぐ方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

再塗装時にグレードの高い塗料で外壁塗装を行う

再塗装時に耐用年数が長い塗料を使用して塗装することで、次回のメンテナンス時期を先延ばしにすることができます。

ただし耐用年数の長い塗料は高額になるので、築20年の建物に初めて外壁塗装を行う場合には、外壁材自体の残りの耐用年数と照らし合わせて使用する塗料のグレードを決定することが大切です。

たとえ塗料の耐用年数が残っていたとしても、外壁材の耐用年数が残っていなければ意味がないので注意が必要です。

塗料の種類と選び方については、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

再塗装後は約5~15年ごとのメンテナンスが重要

外壁の点検

築20年で初めて外壁塗装を行った場合は、使用した塗料の耐用年数や劣化症状にもよるものの、定期的に点検を行ってできるだけ早め早めのタイミングで次回の外壁塗装を行った方が良いでしょう。

外壁の劣化症状は再塗装後5年前後で発生しはじめるといわれています。

再塗装後5年前後で外壁塗装を検討するかどうかは、外壁や塗膜の劣化から判断することができます。

たとえ再塗装から5年前後しか経過をしていない場合であっても、外壁や塗膜に著しい劣化症状が現れている場合は外壁塗装によるメンテナンスが必要です。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

また、外壁塗装は10年に1回のメンテナンスが基本であるといわれていることから、再塗装後10年前後で外壁塗装を行う必要があります。

しかし使用した塗料の耐用年数や外壁の状態によっても異なるため、適切なメンテナンス時期を見定めることが重要です。詳しくは以下の記事で解説しています。

耐用年数を延ばしたい場合は塗装後20年以上もつ無機塗料がおすすめ

塗料

外壁塗装の塗膜の耐用年数を延ばしたい場合には、耐用年数が長いハイグレードの塗料を使用することが不可欠です。

前述したように一般的に耐用年数が長いといわれている塗料には次の3つがあります。

  • 光触媒塗料  耐用年数:12~20年
  • フッ素塗料  耐用年数:15~20年
  • 無機塗料   耐用年数:20~25年

中でも無機塗料は耐用年数が20年以上と非常に長く、現在の国内の塗料の中では最も寿命の長い塗料です。

無機塗料は耐候性が高く汚れにくい

無機塗料の耐用年数が長い理由は、樹脂成分に無機物が含まれているためです。

無機物とは鉱石やガラス、陶器などの有機物を含まない物質のことをいい、紫外線や雨風に長年さらされ続けても腐食してしまうことがありません。

このような理由から、無機塗料は紫外線で劣化しにくく、従来の塗料よりもはるかに耐候性の高い塗料になっています。

さらに無機塗料は親水性が高いことから水と良く馴染み、雨で汚れやホコリを浮き上がらせて洗い流す効果があります。

無機塗料については、以下の記事でも詳しく解説しています。

 

築20年前後で外壁塗装を行う場合の注意点

築20年前後で外壁塗装を行う場合は、通常の10年周期で外壁塗装を行うよりも慎重に業者選びを行う必要があります。

また、そのほかにもいくつかの注意点があるため、外壁塗装前に知っておくと良いでしょう。

この章では、築20年前後で外壁塗装を行う場合の注意点を紹介します。

事前に外壁塗装の費用相場を知っておく

外壁塗装工事には、使用する塗料の金額のほかにも足場代や付帯工事など、工事項目ごとに費用の相場があります。

そのため、外壁塗装工事を行う際には事前にこれらの大まかな費用相場を知っておくと、業者から提示された見積もり金額が妥当なものなのかどうかを自分で判断することができるようになります。

また、外壁塗装工事にかかる金額は建物の劣化状況などによって多少前後することがありますが、通常は相場から大きくかけ離れてしまうことはほとんどありません。

しかし新築してから20年が経過した建物にはじめて外壁塗装を行う場合は、外壁の劣化症状次第では費用が高額になってしまうこともあります。

外壁塗装工事の費用相場や坪別の適正料金については、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

悪徳業者の特徴を知っておく

外壁塗装工事を行っている業者の中には悪質な業者が多数存在しているといわれており、実際に毎年多くの方が被害にあっています。

その多くが、突然訪問してきた業者からさまざまな理由をつけて外壁塗装をすすめられ、業者にいわれるままに契約してしまったというものです。

このような場合は高額な費用を払ったにもかかわらず、手抜き工事が行われることが多いので十分に注意しなければいけません。

悪徳業者の特徴を事前に知っておくことで、こうした被害を避けることができます

悪徳業者の特徴や手口については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

1社だけではなく複数の業者から同じ内容で相見積もりを取得する

見積書

業者から提出された見積もり書をチェックしようと思っても、1社の見積もりを見ただけではその金額が妥当であるかどうかがわかりません。

そこで外壁塗装工事を業者に発注する際には、事前に複数の業者から同じ工事内容の見積もり書を取得して、各社の見積書の内容を比較検討することが大切です。

また、単に金額の高い安いだけではなく、各社の担当者の対応も良く見極めるようにしましょう。

特に築20年前後で初めての外壁塗装を行う場合には外壁材そのもののメンテナンスが必要になることも多いので、通常よりも慎重に業者選定を行うことが大切です。

相見積もりの取得方法や比較方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

外壁塗装後の保証やアフターサービスの有無を確認する

外壁塗装工事では、工事完成引き渡し後に塗膜の膨れや浮き、剥がれといった不具合が発生することがあります。

しかしどんなに丁寧な工事を行ったとしても、このような瑕疵を100%無くすことはできません。

そのため、業者に工事を依頼する際には施工業者による工事保証や塗料メーカーによる製品保証、施工業者のアフターサービス体制が充実していると安心です。

不具合は施工してから数年後に発生することもあるので、保証期間についても契約する前に必ず確認しておくと良いでしょう。

外壁塗装の保証やアフターサービスについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

 

外壁塗装は屋根塗装と一緒に行った方がお得

屋根の修理作業

屋根は外壁よりも紫外線や雨風の影響を強く受けることから外壁以上に定期的な点検とメンテナンスが欠かせませんが、屋根のメンテナンス工事を行う際にも足場の設置が必要になります。

そのため、外壁と屋根のメンテナンス工事を同時に行うことで一回分の足場架設費用を節約することができます。

外壁と屋根修理の同時施工については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

不動産オーナー向け:外壁塗装の法定耐用年数と税務上の扱い方

外壁塗装の定期的なメンテナンスは戸建住宅だけに限らず、賃貸マンションや賃貸アパートでも欠かせないものです。

そこで不動産オーナーが税務上で外壁塗装をどのように扱っているのかを紹介します。

外壁塗装工事費用は、税務上「修繕費」または「資本的支出」として扱います

「修繕費」として扱う場合にはその年に費用の全額を経費として処理することができるため、翌年にかかる所得税を減らすことができるようになります。

一方、「資本的支出」として扱う場合には、国税庁が定めた建物の法定耐用年数で按分して減価償却を行います。

外壁塗装工事費用をどちらで扱うのかは、実施した工事が建物の価値を高めたものであるかどうかで分かれます

外壁塗装を行った結果、建物の耐久性が本来の状態まで戻ったとみなされれば「修繕費」に、元の状態よりもグレードアップして資産的価値が高まったとみなされた場合には「資産的支出」に該当するようになります。

そして「資本的支出」とみなされて、外壁塗装を減価償却する場合の法定耐用年数は次のようになります。

建物の構造 用途 法定耐用年数
木造・合成樹脂造 事務所
店舗・住宅
工場・倉庫
24年
22年
15年
木骨モルタル造 事務所
店舗・住宅
工場・倉庫
22年
20年
14年
鉄骨鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート造
事務所
店舗・住宅
工場・倉庫
50年
47年
38年

※横にスクロールしてください

税務上は外壁塗装単体では法定耐用年数が定められていないため、外壁塗装の法定耐用年数は建物の法定耐用年数と同じになります。

また、同じ構造であっても使用用途が違えば法定耐用年数も異なります。

まとめ

外壁の塗装作業

新築してから20年間外壁塗装を行っていない建物はすでに塗膜の耐用年数を過ぎていると思われるので、早急に外壁塗装行う必要があります。

しかし単に外壁塗装の塗膜が劣化しているだけではなく外壁材自体も傷んでいる可能性が高いので、メンテナンス工事に着手する前には詳細な調査・診断が不可欠です。

長い間外壁塗装のメンテナンスを行わないままでいると、さまざまな問題が発生する恐れがあります。

そのため、定期的にメンテナンスを行うと共に、メンテナンス周期を延ばしたいのであれば耐久性の高い無機塗料などを使用して塗装するようにしましょう。

この記事のライター:亀田 融
東証一部上場企業の不動産・建設会社の建築部門に33年間勤務。 13年間の現場管理経験を経て、取締役事業部長に就任。 事業部内で年間1000件以上のリフォーム工事を手掛けるなかで、中立的立場でのコンサルティングの必要性を実感し、独立を決意。 現在はタクトホームコンサルティングサービスの代表として、住まいに関する専門知識を生かし、多岐にわたり活躍している。 (保有資格:一級建築施工管理技士、宅地建物取引士、マンション管理士、JSHI公認ホームインスペクター、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、日本不動産仲裁機構ADR調停人)

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