一部だけの外壁塗装はダメ?おすすめできない理由、部分塗装でもOKな場合を解説
外壁塗装は補修工事などによる定期的なメンテナンスが必要ですが、メンテナンスの際に「一部だけの補修でメンテナンスを済ませたい」と思っている方も多いと思います。
しかし一部だけの補修工事では後の不具合につながることが多く、おすすめできません。
そこでこの記事では、一部だけのメンテナンスをおすすめしない理由や一部だけの補修で対応できるケースをはじめ、外壁塗装費用を安くする裏ワザなどを紹介します。
目次
外壁塗装で一部だけの部分補修をおすすめしない理由
外壁は、新築後約10年前後で経年劣化を起こすといわれており、劣化症状に合わせた補修工事が必要になります。
補修工事では外壁全体の外壁塗装を行いますが、中には一部だけの部分補修で済ませてしまうケースもあるようです。
しかしさまざまな理由から、外壁塗装の一部補修をおすすめすることはできません。
ここでは、外壁塗装で一部だけの部分補修をおすすめしない理由を紹介します。
外壁塗装の一部補修は全体の劣化に対応できない
外壁は基本的に全体的に劣化を起こすため、たとえ一部分のみ劣化症状が発生していたとしても、見えない場所に劣化が発生している可能性があります。
劣化症状が発生している部分だけ補修を行なった後に別の場所から劣化がみつかることもあるほか、直した箇所と直さなかった箇所の劣化の進行がバラバラになることで工事費用が何度もかかる可能性があります。
このような理由から一部だけの補修を何度も行うよりも、約10年に一度のペースで全体を補修した方が良いといわれています。
足場設置費用が工事のたびに発生する
外壁塗装の工事費用で最も大きな割合を占めているのは足場代です。
外壁塗装工事では足場がない状態での施工は難しく、必ず設置する必要があります。
足場設置にかかる費用は一般的な二階建て住宅の場合10〜20万円ほどが相場ですが、一部の補修工事を複数回行うとその都度足場代がかかります。
このような理由から、一部だけではなく全体の補修を一度に済ませた方が足場代の節約につながるといえるでしょう。
足場の費用については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
色ムラや艶ムラが悪目立ちしてしまう
外壁塗装を一部分だけ行うと、外壁塗装を行っていない部分との色ムラや艶ムラが起きてしまい、見栄えが悪くなります。
また、塗装をした部分としていない部分の劣化速度が異なってくるため、一部分のみが変色して見える可能性があります。
また、艶ありの塗料を使用した場合も、同様の理由から艶ムラを起こすことがあります。
適切なメンテナンス時期が分かりにくくなる
外壁塗装は基本的に使用した塗料の耐用年数に合わせてメンテナンスを行います。
しかし一部のみ塗装を行ってしまうと耐用年数がズレてしまうため、メンテナンス時期が判断しにくくなります。
その結果、適切なメンテナンス時期に補修を行うことができず、劣化が発生していた箇所に関しては更に進行するおそれもあります。
外壁の一部だけではなく全体の塗装がおすすめ
外壁塗装を行う際は一部のみの塗装ではなく、家全体を塗装した方が良いといわれています。
足場代をはじめとする工事費用や工期などを考慮すると、同じ工事を何度も行うよりも、一度に済ませてしまった方が費用と時間の節約になるといえるでしょう。
また、外壁塗装を行う前には外壁の劣化部分を補修しますが、一度に補修をした方が全体の劣化に対応することができます。
全体塗装と一部塗装の価格差に注意
外壁の全体塗装を行う場合、30坪の住宅で約100万円の工事費用がかかります。
この工事費用の中には約20万円前後の足場代も含まれていますが、外壁塗装の工事費用は約2割近くが足場代になります。
そのため、一部塗装を行う際も約20万円の足場代がかかり、結果として一部塗装を繰り返した方が工事費用が工事の都度かかることになります。
一見すると一部塗装の方が工事費用が安いのではないか?と思う方も多いと思いますが、総合的に判断をすると全体塗装の方が工事費用を安く済ませることができます。
外壁の一部補修で対応できるケース
外壁塗装では基本的に一部のみの塗装はおすすめできませんが、例外的に一部だけの補修で対応できるケースもあります。
一部だけ増改築している場合
古い建物の増改築をしている場合、古い外壁のみの塗装工事を行うことは可能です。
ただし増改築から5年以上経過している場合は古い外壁と新しい外壁が両方とも劣化している可能性があるため、全体の外壁塗装を行なった方が良いといわれています。
一部だけ未塗装の部分がある場合
給湯器やエアコンを設置した箇所など一部だけ未塗装の箇所が建物にある場合は、部分塗装が可能です。
ただし部分塗装を行う部分が高所にある場合など足場を設置しなければいけない場合については、全体塗装の際に同時に塗装をした方が良いでしょう。
しかし築浅の場合は全体塗装の時期が先になることもあるため、業者の判断を仰いでください。
外壁塗装の費用を少しでも安くする裏ワザ
外壁塗装にかかる費用は建物の状況や塗装面積、使用する塗料によって異なりますが、できれば安く抑えたいと考えている方は少なくはないかと思います。
下記では、外壁塗装にかかる費用を少しでも安くするための裏ワザを紹介します。
外壁塗装工事に火災保険を利用する
地震や台風、豪雨などの自然災害が原因で外壁が損傷した場合は、住宅に付帯している火災保険を利用できることがあります。
しかし保険の種類やお住まいの自治体によって条件や申請方法など異なるため、施工業者に依頼を行う前に保険の適用条件などについて確認をしておくことが重要です。
また、悪徳業者の中には火災保険が使えるといった謳い文句で契約を迫る業者も存在しています。しかし基本的に火災保険が使えるかどうかは保険会社の判断となるため、早急に契約をしないようにしてください。
火災保険を使った外壁塗装工事の条件や申請の流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
自治体の助成金を利用する
日本全国の多くの自治体では、外壁塗装を行う家庭に向けて助成金や補助金などを支給しています。
こちらも火災保険同様、条件や申請方法はお住まいの自治体によって異なるため、まずは事前に自治体が助成金や補助金などの制度を導入しているかどうか確認しておくようにしましょう。
助成金や補助金などの支給要件を満たしていると助成金を受け取ることができます。
ただしこちらも同じく施工前に自治体への申請などが必要な場合があるため、外壁塗装を依頼する前に申請手順を聞いておくと良いでしょう。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
地元の業者に依頼を行う
地元に事務所を構えている地域密着型の業者であれば、施工にかかる交通費や出張費などの移動費を安く抑えることができます。
また、大手の業者に依頼する際に発生する中間マージンと呼ばれる紹介料が発生しないため、施工費用を安く済ませることができます。
地元の業者に依頼をした場合は希望の日程や希望の費用についても臨機応変に融通を利かせてくれる可能性が高く、こちらの意見や要望を直接伝えることもできるため、安心して工事を依頼することができます。
地元の業者に依頼するメリットなどについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
リフォーム専用のローンを利用する
外壁塗装を行う際にまとまった費用が準備できない場合、外壁塗装に対するリフォームローンを組むことができます。
リフォームローンは銀行や農協などで取り扱っているのが一般的で、金融機関によっては住宅ローンに組み込むことができる可能性もあります。
外壁塗装にリフォームローンを使用する際の注意点などは、以下の記事で詳しく解説しています。
外壁塗装を一部だけDIYで補修しても大丈夫?
外壁塗装は基本的に一部補修のみの施工はおすすめできませんが、全体の塗装工事を依頼する前に応急措置としてDIYで補修できるケースもあります。
しかしDIYによる補修は応急措置にしか過ぎないため、DIYを行なったあとは必ず専門業者による点検を受けるようにしてください。
DIYによる正しい補修方法などは、以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
外壁塗装を行う際は一部のみだけの塗装ではなく、全体的に外壁塗装を行う必要があります。
一部のみ補修を行なった場合は他の場所との劣化進行速度が異なってしまい、さまざまな不具合が生じます。
そのため、外壁塗装を行う場合は劣化症状から適切な時期を見極め、必ず全体塗装による補修を行うようにしてください。
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