外壁コーキングの増し打ちとは?補修方法、費用、DIYについて解説
外壁コーキングの補修方法には「打ち替え」「増し打ち」と呼ばれる二つの施工方法があります。
どちらも「打ち直し」という言葉で呼ばれることもありますが、意味合いは全く同じではなく、実際の施工方法や補修にかかる費用などが異なります。
今回は外壁コーキングの補修に使われる二つの施工方法の中でも、「増し打ち」について詳しく解説します。
目次
コーキングとは?
外壁コーキングは、建物の外壁と外壁の間を埋めている緩衝材のようなものです。
コーキングの素材は弾性があり防水性能に優れているため、雨漏り防止の役割も果たしています。
このコーキング部分が劣化したり剥がれ落ちてしまうと、その部分から雨水や汚れなどが入り込みやすくなってしまいます。
その結果建物の内部まで腐食し、建物の寿命を縮めてしまうこともあります。
耐用年数は10年ほどとされていることが多いですが、劣化やひび割れなどの症状が現れた場合はすぐに補修工事を行うことが大切です。
もしも劣化症状を長い間放置しておくと建物自体の安全性が損なわれてしまい、最悪の場合大規模な修繕工事が必要になってしまいます。
そのような事態を引き起こさないためにも、日頃からコーキング部分の劣化症状について定期的にチェックする必要があります。
コーキングの補修方法は2通り
劣化したり剥がれ落ちてしまったコーキングの補修方法として、「増し打ち」と「打ち替え」と呼ばれる2つの方法があります。
増し打ち
コーキングの上から重ねてコーキング材を充填する方法
打ち替え
初めから新しくコーキングを打ち込む方法
「打ち替え」は、現存のコーキング材を全て撤去し、初めから新しくコーキング材を打ち込む方法です。「増し打ち」ではすでに打ち込まれているコーキング材の上からさらに新しいコーキング材を打ち込む方法です。
どちらの工法にもそれぞれのメリットやデメリットが存在するため、建物の状態やご自身のニーズに合わせて工法を決定しましょう。
外壁コーキングの増し打ちとは?
増し打ちとは、簡単にいうと上からコーキング材を補填する方法のことをいいます。
しかしすでに現存のコーキング部分が劣化してしまっている状態で増し打ちを行っても、補填したコーキング材が剥がれやすくなってしまったり、ひび割れなどの原因となってしまいます。
外壁コーキングを行う時に増し打ちを方を選ぶ際は、建物の状態とコーキングの劣化状況に合わせて慎重に判断することが大切です。
時々「プライマーがあれば増し打ちでも問題ない」という施工業者も存在しますが、増し打ちの上にプライマーを塗っても十分な厚さを確保することができず、破断してしまう可能性もあります。
増し打ちと打ち替えの違い
増し打ちは現存のコーキングを撤去せずに、そのまま新しくコーキング材を塗り重ねる方法です。
現存のコーキング材がすでに劣化している場合や、コーキング部分の厚さが足りない場合は増し打ちをすることができません。
打ち替えは現存のコーキング材は一度全て撤去し、新しいコーキング材を打つ方法です。
増し打ちと比較すると耐久性がより長く、劣化した部分も丸ごと補修することができます。
打ち替えについてはこちらの記事を参考にして下さい。
増し打ち工事をする際の条件とは?
増し打ちによる補修は打ち替えよりも安く施工を行うことができるため、できるだけ施工費を安く抑えたいとお考えの方は増し打ちを行いたいと考えているのではないでしょうか。
しかし増し打ち工事を行う際は「現存のコーキングがあまり劣化していない」「基準以上のサイディングボードの厚みが必要」などの条件があります。
一つずつ詳しくみていきましょう。
現存のコーキングがあまり劣化していない
現存のコーキングがすでに劣化している場合は、増し打ち工事を行っても全く意味がありません。
上から塗り重ねたコーキング材が剥がれてしまったり、雨漏りや虫などによる被害が余計に進行してしまう可能性もあるため、補修工事を行っているつもりがさらに住宅の寿命を縮めてしまいます。
増し打ちを検討している場合は、コーキング部分が劣化していないかどうかをしっかりと確認しましょう。
サイディングボードの厚みが最低でも15mm以上
増し打ち工事を行う際は、サイディングボードの厚みが最低でも15mm以上必要とされています。
厚みが15mm以下になってしまうと増し打ちでコーキング材を充填することができないため、注意が必要です。
増し打ちによるコーキング補修にかかる費用単価
増し打ちにかかる費用単価は1㎡あたり500〜1,000円とされています。
コーキング部分の撤去費用はかからないため、この金額に足場代金(15〜20万円)をプラスした金額が施工費用になります。
増し打ちの費用単価は1㎡あたりで算出されているので、コーキングを打ち込む面積が大きくなればなるほど費用単価も上がります。
一般的な二階建て住宅(施工面積180㎡)の場合、足場代金を含めた施工費用は24〜37万円ほどとなるでしょう。
増し打ちによる補修工事のメリット
施工費を安く抑えることができる
増し打ちでは、打ち替えにかかる「コーキング材の撤去」という項目がなくなるため、施工費を安く抑えることができます。
短期間で工事が完了する
既存のコーキングを撤去しなくて良いため、短期間で工事が終了するのも大きなメリットです。
増し打ちによる補修工事のデメリット
既存のコーキングが痛んでいる場合は補修が出来ない
増し打ちのデメリットは、すでに打ち込んであるコーキング材が劣化している場合は施工することができないという点です。
劣化したコーキング部分は上から新たなコーキング材を塗ってもダメージが進行してしまうため、結局その後打ち替えを行わなくてはいけません。
耐用年数が低い
増し打ちによる補修を行なった場合、耐用年数は2年〜5年となります。長期的なコストパフォーマンスは良くないといえるでしょう。
こんな場合は補修が必要!外壁コーキングの劣化症状
外壁コーキングの劣化症状は、コーキングの補修時期を知らせてくれるサインでもあります。
このサインを見逃したまま生活を続けていると、傷んだコーキングが剥がれる・雨漏りする・汚れがたまるなどさらに劣化が進んでしまいます。
最悪の場合、住宅を立て直さなくてはいけないほど被害が進行することもあるため、日頃から外壁コーキングの状態をチェックしておくことがとても重要です。
詳細はこちらの記事を参考にしてください。
増し打ちによる補修工事を行うときのポイント
増し打ちによる補修工事を行う際は、「今現在どれだけ劣化が進行しているのか」「増し打ちによる補修工事を行うことでどれだけのリスクが伴うのか」をしっかりと把握した上で施工を行うことが大切です。
一つ一つ項目ごとに解説します。
既存のコーキングの痛みの確認
増し打ちを行うには「現存のコーキングが劣化していないこと」が条件として挙げられます。
ただしコーキングの劣化具合や状態については、素人が勝手に判断するのは難しいため必ず専門業者にチェックしてもらう方が確実です。
「コーキングは傷んでいないように見えるからいいや」などと思わず、必ず定期的なメンテナンスは欠かさず行いましょう。
ただし、施工業者の中にはコーキングの状態を念入りに確認しないまま増し打ちを進めてくる人もいます。
施工を依頼する際は複数の業者に見積もりを依頼し、どの業者が丁寧に状態をチェックしてくれているのかを比較しましょう。
「うちの方が○○円お安く施工できますよ!」と言ってくる業者も多いですが、しっかりと見積もりの内容や施工方法の確認をすることが大切です。
シーリング部分が劣化しているのにもかかわらず「シーリングは傷んでいないので、増し打ちでいい」と言ってくる場合や、詳細な説明がないまま増し打ち工事で見積もりを作成して安さを売りにしてくる施工業者には注意が必要です。
増し打ちによる補修工事のリスクを正しく知っておこう
コーキングの補修工事を行う際は、基本的には増し打ちではなく打ち替えを行う方が良いでしょう。
打ち替え工事に比べて増し打ち工事は安価で済ませることができますが、耐用年数が低くなってしまうことはもちろん、さらに劣化を進めてしまう可能性もあります。
増し打ちによる補修工事を行う際は、しっかりとリスクを認識した上で正しく施工を行うことが大切です。
コーキング補修のDIYはおすすめできない
外壁コーキングの補修工事は一見すると簡単なように見えるため、「素人でも簡単に補修工事をすることができるのでは?」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
実際にはコーキングの補修工事は高度な技術を必要としているため、素人が自分で材料を揃えてDIYをするのには限界があります。
もしもDIYで見落とす部分があったり、正しい方法で補修できていないとさらに劣化を進めてしまうことにもなりかねません。
ですのでコーキングの補修工事を行う際は、必ず専門技術を持っている施工業者に依頼を行うようにしましょう。
しかし、軽度の劣化であればDIYで補修をすることができる場合もあります。
詳細はこちらの記事を参考にしてください。
コーキング補修をしてくれる優良業者の探し方
外壁コーキングは、住宅の防水機能を高めて劣化を防いでくれる重要な部分です。
補修工事を行うには高い技術力を必要とするため、施工を依頼する際は信頼できる業者を探すことが大切になります。
外壁塗装業者を探す際は、口コミ・評判や過去に依頼した人の感想などを十分に参考した上で、ニーズや要望にしっかりと寄り添ってくれる優良業者を見極めていきましょう。
また口コミや値段だけでなく、過去の施工実績なども参考にすることをおすすめします。
詳細はこちらの記事内の「コーキングの優良業者を選ぶ3つのポイント」を参考にしてみてください。
まとめ
外壁コーキングの補修工事「増し打ち」について詳しく紹介しました。
コーキング部分の劣化や剥がれなど、コーキングを交換するべきサインが現れたらなるべく早く施工を行うことをおすすめします。
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