外壁塗装の保証の条件は?種類や契約前の注意点を解説

外壁塗装工事を実施するにあたって、工事終了後に施工業者から保証を受けられるかどうかはとても重要です。
保証が受けられないことを知らずに工事を行ってしまい、後でトラブルに発展するケースも少なくありません。

施工業者が保証を行っているかどうかは、トラブルを回避するための必要事項といえます。

この記事では、外壁塗装の保証の種類や保証条件、契約前の注意点などを詳しく紹介します。工事後も長く安心して住み続けるために、外壁塗装の保証制度についてきちんと理解しておきましょう。

目次

外壁塗装の保証の種類は3種類

外壁塗装工事終了後には、想定外の不具合が発生してしまうことがあります。

その様な場合に役立つのが工事を対象とした保証制度です。

保証制度には塗装工事業者による工事保証、塗料メーカーによる製品保証、第三者による保証の3種類があり、それぞれに特徴やデメリットがあります。

まずはこれらについて理解しておくことが大切です。

外壁塗装業者による自社保証

保証にはまず施工を行った施工業者による自社保証があります。

実施した工事に対して保証するもので、工事保証とも呼ばれています。

工事保証は、保証期間中に塗装工事に起因する部分に瑕疵があった場合に無償で手直し工事を行うものですが、業者によって保証期間や保証範囲が異なります。

また親切な業者であれば、施工後に何か問題が発生すれば対応してもらえますが、保証の対象となるのは塗膜の剥がれのみだったりするので、注意が必要です。

さらに同時に塗装した部分であっても、鉄部や木部などの外壁ではない部分については保証対象外となっていることもあります。

工事依頼の前にあらかじめ保証内容を十分にチェックしておくことが大切です。

また必ずしも全ての業者が保証を行なっている訳ではないので、工事に対しての保証制度があるかどうかを業者に事前に確認する必要があります。

その他では、保証期間中であるにも関わらず施工会社が倒産してしまい、保証が受けられずに泣き寝入りというケースもあります。

塗料メーカーによる保証

外壁塗装工事の保証には、工事保証のほかに塗料メーカーが行っているメーカー保証があります。

製品保証とも呼ばれ、塗料に瑕疵があった場合に塗料メーカーが塗料代を上限として保証するものです。

ただしあくまでも塗料に対する保証なので、工事内容に対しては保証されません。

保証期間は塗料によって異なりますが、最低1年から最長で10年程度となり、塗料の耐用年数が長いものほど保証期間が長くなります。

塗料メーカーは外壁塗装業者よりも倒産してしまう可能性が低く、塗装業者の工事保証のように難癖をつけて断られてしまう心配がないのがメリットです。

しかし保証の対象となるのは「塗膜のはがれ」など塗装に起因したものがほとんどで、戸建住宅の場合には保証されないケースもあるため注意が必要です。

リフォーム瑕疵保険(第三者保証)による保証

「リフォーム瑕疵保険」とはリフォーム瑕疵保険に加入している業者に工事を依頼した場合にのみ適用される保険です。

リフォーム、または塗装したすべての部分が保証の対象となり、工事を行った施工業者が倒産してしまった場合にも保証を受けることが出来ます。

また塗装工事の場合には、使用した塗料の種類を問わずに保証制度が適用されます。

ただし、保証期間が1年しかないのがデメリットになります。

外壁塗装の保証を受けられる症状とは?

外壁塗装で保証を受けられるケースには以下のようなものがあります。

ただし施工業者や塗料メーカーによって保証の適用条件が変わるので、保証範囲や保証内容などをあらかじめ確認しておくことが大切です。

外壁や屋根が色あせしている

塗膜の色が塗装直後よりも色あせしている場合には、保証が受けられる可能性があります。

色あせをそのまま放置しておくと、塗膜が剥がれてしまう場合があります。

外壁や屋根にチョーキング現象が起きている

チョーキングとは、塗料に含まれている顔料が塗膜の表面に白いチョークの粉のようになって現われる現象です。

主には塗膜の劣化が原因ですが、施工不良が原因でチョーキングの発生時期が早まってしまう場合があり、この場合には保証対象になります。

外壁や屋根にヒビが入っている

外壁や屋根の塗膜がひび割れする主な原因は塗膜の経年劣化ですが、下塗り材と上塗り材の塗装間隔が原因でひび割れが発生することがあります。

施工不良は保証対象になりますが、この場合にはそれを証明するのは簡単ではありません。

外壁や屋根の塗装が剥がれている

塗装して3年以内に塗膜が剥がれる場合には、施工不良が疑われます。

塗膜の剥がれは保証の対象になります。

雨樋などのパーツの劣化

雨樋や雨戸、シャッターボックス、軒天、破風板などのパーツを同時に塗装した場合には、外壁よりも早く剥がれてしまうことがあります。

保証の対象になるかどうかは、施工会社によって異なります。

あらかじめ業者に確認しておいた方が良いでしょう。

外壁塗装の保証を受けることができた実例

塗装工事後に万一不具合が発生しても、保証が適用されれば施工業者に無償で補修してもらうことができます。

以下のようなケースでは、業者に無償で補修してもらうことができるでしょう。

外壁塗装した塗料が数か月で剥がれたケース

一般的には、塗膜が施工後数カ月で剥がれてしまうことはありません。

想定される原因はとして、下塗りの施工不良や塗料の混合ミスなどが考えられます。

いずれにしても施工ミスが原因である可能性が高いので、施工業者に補修工事を要求することができます。

早めに業者に連絡するようにしましょう。

シーリング部分が数か月でひび割れしたケース

新たにシーリングを打ち直した部分の塗膜がひび割れした場合は、何らかの施工不良が疑われます。

施工業者の工事保証が適用される可能性が高いので、早急に業者に連絡しましょう。

外壁塗装の保証を受けることができなかった実例

一方、以下の様な場合には、施工業者の工事保証は適用されない可能性が高いでしょう。

塗装してから10年後に塗膜が剥がれてきたケース

この場合には、すでに塗料の耐用年数が過ぎている可能性があるので、保証により無償で補修してもらうことはできないでしょう。

念のため保証書の保証期間を確認して下さい。

5年経って塗膜にヒビが入ってきたケース

塗膜のひび割れは、地震や大型車両の通行などでも発生する可能性があります。

塗装後5年が経過している場合、経年劣化と判断されて業者に施工責任を追求するのは難しいでしょう。

また、ひび割れについてははじめから保証対象外としている業者もいるので、保証書に記載された保証期間、保証内容を確認してみましょう。

多くの保証で共通する保証対象外事項(免責事項)

工事保証書には、保証に該当しない保証対象外事項(免責事項)が必ず記載されています。

多くの保証書に共通しているものには、次のようなものがあります。

  • 地震、噴火、洪水、津波、台風、竜巻、豪雨、地盤沈下などの自然現象が原因の場合
  • 火災、爆発、落雷などの外部要因が原因の場合
  • 戦争、内乱、暴動などが原因の場合
  • 保証対象部位以外の損傷
  • 工事請負業者以外の作業が原因の場合
  • 所有者の不適切な使用方法等が原因の場合
  • 施主の指示が原因の場合
  • 建物の構造上の欠陥による場合

※横にスクロールしてください。

上記のように、火災や天災などによる不可抗力、不適切な管理によって不具合が生じた場合、人為的な原因による場合、工事請負業者以外の作業が原因(増改築やリフォーム等)の場合などは保証対象外になることがほとんどです。

自社保証(工事保証)の平均的な保証期間とは?

外壁塗装工事の自社保証(工事保証)の保証期間や保証内容は、業者ごとに自由に定めることができます。

したがって業者によって3年、5年、10年など保証期間はさまざまです。

また、保証内容や保証範囲もさまざまなので、一概に「保証期間が長いから安心」とは言い切れません

一般的に、外壁塗装の保証対象は塗膜の剥がれになることがほとんどです。

外壁塗装を依頼する際には単に保証期間だけではなく、保証内容や保証範囲まであらかじめしっかりと確認しておくことが大切です。

さらに木部や鉄部などの外壁以外の部分に対して保証してもらえるケースは少ないようです。

なぜなら不具合が発生するのは木部や鉄部が多いためです。

この点についても事前に良く確認しておくことが大切です。

塗料に対する保証期間の一例

外壁塗装業者が独自に保証する自社保証(工事保証)では、塗料の種類により保証期間が異なります。一般的に耐久性の高い塗料、高価な塗料ほど保証期間が長くなる傾向になります。

塗料の種類別保証年数の一例

塗料の種類 保証年数
アクリル塗料 3年
ウレタン塗料 5~6年
シリコン塗料 7~8年
フッ素塗料 7~10年
光触媒塗料 7~10年

※一般的に保証年数は塗料メーカーが公表している耐用年数よりも若干短くなります

※施工業者によって保証年数は異なります

※屋根は劣化しやすいので、これよりも短くなる傾向があります。

※塗料メーカーの保証期間は、更に商品ごとに細かく決められています。

外壁塗装以外の工事に関する保証期間の一例

外壁塗装以外の主な外部改修工事の保証期間の一例は以下のようになります。

部位 保証年数
防水工事 10年
タイル補修工事 5年
シーリング工事 5年
木部、鉄部 1~2年

防水工事は10年保証が一般的ですが、その他の保証期間は施工会社によって異なることが多いようです。

契約前に確認!外壁塗装の保証の注意点

事前に外壁塗装業者から工事完了後の保証があるといわれていても、実際に満足のいく保証を受けられるとは限りません。

外壁塗装の保証に対するトラブルは非常に多いので、トラブルを未然に防ぐ上でもいくつか注意しておくべきことがあります。

いずれも契約前に行うべきことなので、必ず行っておきましょう。

契約内容を事前にしっかり確認する

外壁塗装工事の契約時には、工事金額や施工範囲、工期にばかり気をとられてしまいがちで、施工後の保証については確認するのを忘れてしまう方が多いように思われます。

しかし次の点については必ず確認しておくことが大切です。

  • 工事完成後に保証書を発行してもらえるか
  • 「工事保証」と「製品保証」がついているか
  • 保証範囲や保証期間は満足できる内容になっているか
  • 木部や鉄部についての保証を受けられるか
  • 施工店の保証以外に、リフォーム瑕疵保険などといった第三者団体の保証があるかどうか(自社保証のみの場合には倒産リスクに注意が必要)
  • 保証は無料で受けられるか(有料になる場合もあり)

※横にスクロールしてください。

これらの項目について業者から納得できる回答が得られることが非常に大切になります。

塗装業者の創業年数を調べる

外壁塗装には10年程度の耐用年数を期待することがほとんどなので、できれば創業10年以上の業者を選んでおくと安心です。

一方、創業してから数年しか経っていない業者の中にも良い業者がいるのも事実なので、インターネットの口コミ情報や地域の評判なども併せて判断すると良いでしょう。

アフターフォローがあるかどうかについて確認する

塗装業者の中には、施工後にも数年ごとに無償で定期点検を実施している業者もいます。

こういった業者であれば安心感が高いでしょう。

また定期点検までは行っていなくてもアフターサービス体制が確立しており、連絡すればすぐに点検してもらえる業者であれば信頼できるといえます。

外壁塗装の30年保証・20年保証は有り得ないので注意

外壁塗装では、保証期間が30年、20年などということはありえません

したがって30年保証や20年保証をセールストークにして勧誘してくる業者は悪質な業者といっても過言ではありません。

基本的に10年以上の保証を謳っている業者は避けた方が良いでしょう。

外壁塗装の保証をスムーズに受けられる業者の選び方とは?

外壁塗装の保証の有無は、外壁塗装工事を依頼する業者を選定する上で非常に大切な項目のひとつです。

また保証に加えて、定期点検などのアフターフォロー体制が充実している業者に依頼すればさらに安心です。

大切なご自宅のためにも、保証やアフターサービスが充実した業者に依頼するようにしましょう。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

まとめ

「保証」の有無は外壁塗装工事業者を選定する上で非常に重要な要素になります。

また外壁塗装の保証制度には「自社保証」「メーカー保証(製品保証)」「第三者保証(リフォーム瑕疵保険)」があります。

自社保証の内容や保証期間は業者によってさまざまなので、必ず契約する前までに詳細まで確認しておくことが大切です。

さらに自社保証の場合には、業者の倒産リスクにも注意して契約する必要があります。

リフォーム瑕疵保険があれば一層安心ですが、保証期間が短いので注意が必要です。

それぞれの保証のメリット、デメリットを十分に考慮して、後悔のない業者選びを行右ようにしましょう。

この記事のライター:亀田 融
東証一部上場企業の不動産・建設会社の建築部門に33年間勤務。 13年間の現場管理経験を経て、取締役事業部長に就任。 事業部内で年間1000件以上のリフォーム工事を手掛けるなかで、中立的立場でのコンサルティングの必要性を実感し、独立を決意。 現在はタクトホームコンサルティングサービスの代表として、住まいに関する専門知識を生かし、多岐にわたり活躍している。 (保有資格:一級建築施工管理技士、宅地建物取引士、マンション管理士、JSHI公認ホームインスペクター、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、日本不動産仲裁機構ADR調停人)

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