外壁をツートンカラーにする際の色選びのポイント! 施工例もあわせて紹介します

外壁を塗り替える際、2色を組み合わせたツートンカラーの外壁にしてみたいと思っている方も多いと思います。

ツートンカラーの外壁は近年人気がありますが、組み合わせ方や色の選び方などにポイントがあるため、そのポイントを知っておかないと失敗してしまうことがあります。

そこでこの記事では、ツートンカラーの外壁にするための色選びのコツをはじめ、ツートンカラーのメリットやデメリット、ツートンカラーにする場合の注意点などを紹介します。

 

目次

ツートンカラーの外壁にする場合の色分け事例

外壁をツートンカラーで塗り分ける際は、色の組み合わせやどこで塗り分けるのかによって大きくイメージが変わります。そこでこの章では、ツートンカラーの外壁の色分け事例を紹介します。

1階と2階で色分けをする

白と黒の外壁

住まいの外壁を1階と2階で異なる色を使って上下で水平に塗り分けるのは最もポピュラーな方法で、非常に人気があります。

特に1階を濃い色で塗装すると重厚感があるおしゃれな家に仕上がるほか、明るい同系色の濃淡で塗り分けたり、アクセントカラーを使って上下で塗り分けたりするなどさまざまな色をバランス良く組み合わせることが大切です。

縦のラインで色分けをする‌

2色塗り外壁の住宅

異なる色で縦にラインを入れて塗装すると、スッキリとしたスタイリッシュな印象の仕上がりになります。

縦のラインで色分けをする場合は、ベランダやサッシなどの色に配慮して色選びをするのがコツです。

白系やベージュ系の外壁に紺色や茶色の濃い色のラインを入れるのが一般的ですが、白地に鮮やかな青や緑の縦ラインを入れて、スタイリッシュなデザインにすることも可能です。

外壁とバルコニーや出窓などの出っ張り部分の色を分ける

一部分にポイントカラーを使用した外壁の住宅

バルコニーや出窓、玄関などの出っ張り部分の色を変えると、個性的でおしゃれな仕上がりにすることができます。

また、立体感が生まれることで狭小住宅を大きく見せる効果も期待できます。

ベランダや玄関廻りが周囲よりも張り出している家は意外と多いので、工夫してみると良いでしょう。

ワンポイントのみ色分けをする

ナチュラルで自然な外観の住宅

外壁をワンポイントのみ色分けすることで、さりげなく個性をアピールすることができます。

外壁の一部分のみ色を変える方法で、出窓部分や幕板、袖壁などの外壁の一部の小さな面積だけをアクセントカラーとして濃い目の色で塗装します。

アクセントカラーにはグレーや紺色、こげ茶色のほか、鮮やかなオレンジ色や緑色などもおすすめです。

付帯部のみ色を変える

ブルー系の外壁の住宅

住宅には雨樋や軒天、破風板、鼻隠しなどの付帯部分がありますが、外壁塗装の色選びの際には付帯部の色にも配慮をすることが必要です。

外壁と同系色の色にする、または付帯部のみ濃い色にするなどの塗装方法がありますが、付帯部分の色で建物の印象が大きく変わってしまうので、決して軽視しないことが大切です。

ツートンカラーの外壁にする際の色選びのポイント

外壁をツートンカラーにして塗り分ける場合には、色のバランスに注意する必要があります。

この章では、ツートンカラーの外壁の色選びのポイントを紹介します。

2色の色の比率に注意する

2つの色を組み合わせる時は、2色の比率を6:4または7:3にすると色のまとまりが良くなるといわれています。

しかし色を組み合わせる際は2色とも濃い色にするとまとまりが悪くなり、周囲の経験を損ねてしまうこともあるため、注意が必要です。

必ず片方の色を淡い色にするようにして、家の印象が暗くならないようにしましょう。

また、付帯部を合わせた場合の黄金比率は7:2:1であるといわれています。

ベースカラー7割、アソートカラーが2割、その他の付帯部分の色は1割程度になるように色分けを行うことで、色のまとまりが良い外観になります。

ベースカラーとは

ベースカラーとは建物全体のベースとなる色のことをいい、外壁塗装の場合は全体の7割をベースカラーが占めるようになると配色のバランスが良くなるといわれています。

しかし近隣の外壁の色と釣り合わない色をベースカラーとして選ぶのは禁物で、赤や黄色などの鮮やかな原色はベースカラーに不向きであるといわれています。

アソートカラーとは

アソートカラーはベースカラーの次に大きな面積を占める色です。

ベースの色を引き立てる色であるため、ベースカラーと相性の良い色を組み合わせることがポイントです。

アクセントカラーとは

アクセントカラーには、家の印象を引き締める役割があります。

主に付帯部などに用いられますが、アクセントカラーの色次第で家に個性的な印象を与えることができます。

屋根や外壁を含め合計で3~4色に抑える

住宅の外観には外壁や雨樋、軒天、破風板などの付帯部のほかに屋根がありますが、家全体に使用する色の種類は3~4色に抑えるようにすることが大切です。

5色以上使用すると、まとまりのない印象の家になってしまうといわれています。

外壁に淡い色を1色使用する

外壁に2色以上使用する場合は、必ず1色は淡い色を選んで明るく見えるようにしましょう。

すべて濃い色にしてしまうと家の印象が暗くなり、周囲の景観を損ねてしまいます。

同系色を組み合わせると失敗が少なくなる

複数の色を使用して配色の失敗を防ぐためには、同系色の色でまとめると無難です。

外壁の色の一般的な組み合わせには、アイボリー×ブラウン、ホワイト×グレー、グレー×黒などがあります。

まずはベースとなる色を決めた上で、同系色の色をアソートカラーにしてコーディネートしてみましょう。

付帯部との相性も考慮する

外壁の色を選定するにあたっては、雨樋や軒天などの付帯部の色との相性も重要です。

雨樋や軒天、破風板の色が白か黒かで家全体の印象が大きく変わってしまうので、注意が必要です。

色がまとまらない時はセパレーションカラーを取り入れる

同系色の色を選んでも何となくしっくりしない場合や、2色の対比が強すぎる場合には、2色の間にセパレーションカラーを入れる方法があります。

2色の境目となる箇所に幕板などを入れて別の色で塗装することで、外壁全体の印象を引き締めてくれます。

セパレーションカラーを取り入れる際は、隣り合う色とぶつかることがない白や黒などの無彩色・低彩度の色がおすすめです。

ツートンカラーに使用する2色のカラーを選ぶ方法

この章ではツートンカラーに使用する2色の選び方について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ベースとなるメインカラーの選定を行う

ツートンカラーの2色を選ぶ際には、一般的にまずはベースとなるメインカラーを決めてカラーシミュレーションを行い、アソートカラーとアクセントカラーを選びます。

ツートンカラーによる塗り分けを希望している場合であっても、主軸となるのはあくまでもメインカラーなので、メインカラーを決定した後にアソートカラーとアクセントカラーを選んだ方が失敗を少なくすることができます。

アソートカラーとアクセントカラーの選定を行う

メインカラーを決めたら、アソートカラーとアクセントカラーを選定します。

アソートカラーを選ぶ際には、ベースとなるメインカラーを引き立てる相性の良い色にすることが大切です。

ここで色の組み合わせを間違えると後悔することになるので、慎重に選ぶようにしましょう。

また、雨樋や破風板、出窓などにアクセントとなる色を施したい場合には、面積割合で5~10%程度のアクセントカラーを差し色として採用しましょう。

色見本やカラーシミュレーションを確認する

だいたいの色が決まったらA4サイズ以上の「塗り板」と呼ばれる大きめの色見本を業者に用意してもらって、最終的な確認を行います。

その際には室内で確認するだけではなく、必ず屋外の太陽光のもとで確認するようにしましょう。

また、朝と昼間、夕方でも受ける印象が異なるので、それぞれの時間帯に確認することが大切です。

さらには業者に依頼して、候補に挙げた色の組み合わせをカラーシミュレーションしてもらうと良いでしょう。

色は同じ色の組み合わせであっても、面積比によってイメージが大きく異なるので注意が必要です。

ただしカラーシミュレーションは業者によっては対応していないこともあります。その場合には自分でカラーシミュレーションのサイトやアプリなどを利用して確認する方法があります。

おすすめのカラーシミュレーションアプリは、以下の記事で紹介しています。

カラーシミュレーションは使い方に注意!

カラーシミュレーションは塗り替え後の印象がイメージしやすいので非常に人気が高いのですが、信じすぎてしまうと塗装後に実際の色味との違いが生じて後悔してしまうことにもなりかねません。

そこでこの章では、カラーシミュレーションを使って外壁塗装の色を選ぶ際の注意点を紹介します。

パソコンやプリンターによって色味が異なることも

カラーシミュレーションでは、パソコンのディスプレイやプリンターの種類によって色の見え方が異なることがあります。

パソコンやプリンター次第で同じ色でも違う色に見えてしまうので、カラーシミュレーションはあくまでもイメージであることを知っておく必要があります。

色の面積効果に注意

色には状況によって見え方が変わってしまうという視覚効果があります。

色同士が近くに配置されているためにお互いが影響を与え合って違う色に見えてしまったり、色の大きさによって見え方が変わってしまったりするためです。

この現象を「色の面積効果」と呼びますが、色見本帳で確認した色であっても、実際に外壁塗装を行った後に色を確認すると、色見本よりも薄く見えてしまいます。

そのため、外壁塗装の色決めで失敗しないためにはカラーシミュレーションや色見本だけで色を決めるのではなく、実際に現場で試し塗りをしてもらうのも良い方法といえるでしょう。

ツートンカラーにした場合の施工費用は高くなる?

外壁塗装工事費用は、家の大きさ(延べ床面積)や構造、現在の建物の劣化度合い、現場の周辺環境、立地条件、使用する塗料の種類などによって変動します。

ツートンカラーにする場合には、厳密には塗り分けるための養生手間が余分にかかりますが、よほど特殊なデザインにしない限り単色で塗装する場合と比べて工事費用が上がることはほとんどありません。

ただし片方の塗装にのみ耐候性の高い塗料を使用した場合などの特別なケースでは、塗料の費用を含む工事費が高くなります。

外壁塗装に使用する塗料の費用相場

外壁塗装工事費用は、使用する塗料の種類によって相場があります。

塗料の種類 耐用年数の目安 施工単価(1㎡あたり)
アクリル塗料 5~8年 1,000~1,800円/㎡
ウレタン塗料 7~10年 1,500~2,500円/㎡
シリコン塗料 10~15年 1,800~3,500円/㎡
ラジカル(制御型)塗料 12~15年 2,200~4,000円/㎡
光触媒塗料 12~20年 3,800~5,500円/㎡
フッ素塗料 15~20年 3,500~5,000円/㎡
無機塗料 20~25年 4,500~5,500円/㎡

※横にスクロールしてください。

住宅の外壁塗装で一般的に多く使用されているのは、価格と耐用年数のバランスが良いシリコン塗料です。

機能性に優れた塗料はその分施工単価が高額になりますが、耐用年数は長くなります。

外壁塗装に使用されている塗料の種類や選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。

ツートンカラーの外壁塗装に失敗しないための注意点

外壁塗装では色選びで失敗してしまう方が多いといわれています。

そのため、特に2色の配色バランスに注意を要するツートンカラーの外壁の場合には、慎重に色選びを行うことが大切です。

そこでこの章では、ツートンカラーの外壁塗装に失敗しないための注意点を紹介します。

外壁に奇抜なカラーを選ぶ場合は要注意

居住している地域によっては、建築協定などで建物の構造や用途、形態などのほか、屋根や外壁の色などを制限し、街並みとの調和を図ることが義務付けられていることがあります。

このような場合には、奇抜な色で外壁塗装することが禁止されています。

また、そうでない場合でも周辺の住宅とマッチしない外壁塗装を行うと、近隣住民からクレームが発生することがあります。

あまりにも明るすぎる色は悪目立ちしてしまう可能性が高いので、奇抜な色を選ぶのは避けた方が良いでしょう。

付帯部の塗装は外壁塗装工事に含まれない

基本的な外壁塗装工事では、玄関ドアやアルミサッシの部分の塗装を行うことはありません。

そのため、色選びの際は玄関ドアやアルミサッシの相性などを考慮した上で色の選定を行うと良いでしょう。

玄関ドアやアルミサッシの塗装も希望する場合は、外壁塗装とは別料金になります。

玄関ドアの塗装については、以下の記事で詳しく解説しています。‌

ツートンカラーの施工実績が豊富な外壁塗装業者に依頼を行う

ツートンカラーで外壁塗装を行う際には色選びが非常に重要になるので、契約する前の段階から親身になってアドバイスをしてくれる業者に依頼すると安心です。

また、ツートンカラーの外壁塗装の施工実績が豊富な業者であれば、過去の施工事例写真などを見ながら適切な助言を受けることもできるでしょう。

実際に調和のとれたおしゃれな外壁に仕上がるかどうかは、業者のセンスや腕が大きく影響します。

必ず事前に数社から同じ工事内容で相見積もりをとって、各社の見積もり書の内容を比較検討すると共に、担当者の人柄や質問に対する対応などを良く比較した上で工事を発注する業者を決めるようにしましょう。

外壁塗装業者の選び方については、以下の記事で詳しく紹介しています。

まとめ

白とベージュの外壁

ツートンカラーの外壁は単色で仕上げた外壁よりもおしゃれで洗練されたイメージがあることから、元々単色だった外壁を塗り替える際にツートンカラーにする方が増えています。

しかしツートンカラーは選んだ色の組み合わせや色の塗分け方によってまったく異なる印象の家になり、色の選択をひとつ間違えると後悔してしまうことにもなりかねません。

そこで本記事の内容を参考にして、満足度の高いツートンカラーでの塗り替えを行っていただけたら幸いです。

この記事のライター:亀田 融
東証一部上場企業の不動産・建設会社の建築部門に33年間勤務。 13年間の現場管理経験を経て、取締役事業部長に就任。 事業部内で年間1000件以上のリフォーム工事を手掛けるなかで、中立的立場でのコンサルティングの必要性を実感し、独立を決意。 現在はタクトホームコンサルティングサービスの代表として、住まいに関する専門知識を生かし、多岐にわたり活躍している。 (保有資格:一級建築施工管理技士、宅地建物取引士、マンション管理士、JSHI公認ホームインスペクター、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、日本不動産仲裁機構ADR調停人)

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