外壁塗装の「ゆず肌仕上げ」とは?特徴、注意点
外壁塗装の仕上げ方の一つに、「ゆず肌仕上げ」と呼ばれる仕上げ方があるのをご存知でしょうか?普段ではあまり聞きなれない専門用語のため、ゆず肌仕上げが実際にどのようなものなのかご存知でない方も多いかと思います。
ゆず肌仕上げとはゆずの表面のような模様を外壁に付ける仕上げ方で、スタッコ仕上げやリシン仕上げなどとともにメジャーな仕上げ方の一つです。
今回はゆず肌仕上げについて、ゆず肌仕上げとはなんなのか、またゆず肌仕上げの工程や注意点などについて紹介します。
またゆず肌仕上げ以外の仕上げ方についても紹介しますので、外壁塗装を検討されている方、これから外壁塗装を行おうと考えている方はぜひ参考にして下さい。
目次
外壁塗装における「ゆず肌仕上げ」とは何?
外壁を仕上げる際に表面をゆずの皮のように凸凹に仕上げることを、「ゆず肌仕上げ」と呼びます。
このゆず肌仕上げは日本の多くの住宅で採用されており、塗料の粘土を調節することでさまざまな質感に仕上げることができます。
ただし、ゆず肌仕上げは職人の腕によって仕上がりに大きな差が出るため、依頼をする際は熟練度の高い職人へ依頼をすることをお勧めします。
違う意味で「ゆず肌」を使うこともあるので注意!
ゆず肌仕上げは外壁塗装の仕上がりを指す呼び名ですが、外壁塗装の仕上げに失敗してしまった際も「ゆず肌」という言葉を使うことがあります。
塗料の粘度が高すぎると外壁の表面が凸凹に仕上がってしまいますが、このような施工失敗による凸凹をゆず肌仕上げとして表すこともあります。このような場合はデザイン性が悪くなってしまうだけでなく、外壁の耐久性などに悪影響を及ぼすことがあります。
ゆず肌仕上げを依頼していないのにもかかわらず表面が凸凹した仕上がりになってしまった場合は、必ず施工業者へ相談をするようにしましょう。
外壁を「ゆず肌仕上げ」にする工程
外壁をゆず肌仕上げに仕上げる工程は、「吹き付け塗装」「ローラー塗装」の2通りがあります。それぞれの工程の手順は以下の通りです。
吹き付け塗装(スプレー)
スプレー仕上げの場合の工程は以下の通りです。
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ゆず肌に仕上げる場合は、粘度の高い塗料をスプレーに設置して外壁に向かって噴射します。
吹き付け塗装は職人の腕が仕上がりを大きく左右すると言われており、万が一塗料の粘度が高くなりすぎてしまうと施工不良の原因となることもあります。
また、スプレーガンの口径を変えることにより、さまざまなバリエーションの模様を作り上げることができます。
ローラー塗装(手塗り)
ローラー塗装の工程は以下の通りです。
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ローラー塗装でゆず肌仕上げを作るためには、専用のローラーを使用して塗装していきます。
スプレーガン同様、ローラーの種類や塗料の粘度を変えることでさまざまな模様を作り上げることができます。
外壁塗装における「ゆず肌仕上げ」についての注意点
ゆず肌仕上げを選ぶ際は「濃い色の塗料を選ぶ」「汚れが付着しやすいため気をつける」「仕上がりと耐用年数は関連性がない」などの点に注意することが重要です。
この章ではそれぞれの注意点について解説します。
淡い色の塗料を選ぶ
ゆず肌仕上げの最大の特徴は、表面に施された凸凹になります。塗料選びの際は白やクリーム色の塗料などの淡い色を選ぶと良いでしょう。淡い色の塗料を選ぶことで、ゆず肌仕上げの良さがより引き立ちます。
淡い色ではなく黒やブラウンなどの濃い色の塗料を選んでしまうと表面の模様が目立たなくなってしまうため、おすすめできません。
汚れが付着しやすい
ゆず肌仕上げは表面が凸凹しているため湿気が溜まりやすく、結果として汚れが蓄積しやすくなります。
定期的な清掃を行うことで汚れによる劣化を遅らせることもできるため、ゆず肌仕上げを選択した際は、こまめな清掃を欠かさないようにすることが大切です。
あまり清掃をする時間が取れない方や汚れにくい外壁を求めている方は、ゆず肌仕上げ以外の別の仕上げ方法を選ぶことをおすすめします。
仕上がりと耐用年数は関係がない
外壁をゆず肌仕上げにすることにより、耐用年数が向上するということはありません。また、ゆず肌仕上げ以外のの仕上げ方であっても同様です。
外壁の耐用年数を左右するのは仕上げ方ではなく塗料ですので、耐用年数を上げたい方は塗料の種類などを変更する必要があります。
ゆず肌仕上げ以外の外壁塗装の仕上げ方
ゆず肌仕上げ以外の仕上げ方法には「スタッコ仕上げ」「リシン仕上げ」「吹付タイル仕上げ」などさまざまな仕上げ方法があります。
この章では、それぞれの仕上げについて詳しく解説します。
スタッコ仕上げ
スタッコ仕上げは、骨材に砂や大理石を混ぜたものを吹き付けて仕上げていく仕上げ方法です。大理石や砂などの骨材の種類ごとに、仕上がりの質感が大きく異なります。
スタッコ仕上げについては、以下の記事を参考にして下さい。
リシン仕上げ
リシン仕上げは専用の器具を使い、吹き付けによって仕上げていく仕上げ方法になります。骨材に砂が含まれているため、仕上がりはざらざらとした質感になります。
リシン仕上げについては、以下の記事を参考にして下さい。
吹付タイル仕上げ
凸凹模様で、艶のある仕上がりになります。
表面が陶器のようにツルツルとした質感に仕上がることが特徴です。
ウールローラー仕上げ
ウールローラー仕上げは、耐水型紙でできた芯に植毛したものを用いて作ります。
マスチックローラーよりも均一に仕上げることができ、短毛・中毛・長毛の毛丈が外壁の状態に合わせて使い分けられます。
特に凸凹模様をうまく仕上げることができるのは、長毛の毛丈です。
さざ波模様
さざ波模様は、高粘度塗料をローラーを用いて塗っていく仕上げ方法です。
その名の通りさざ波のような模様が特徴的で、ゆず肌よりも凸凹が強く現れることが特徴です。
凹凸模様
凸凹模様は、ゆず肌と同じく表面に凹凸模様をつける仕上げ方法です。
ゆず肌はキメが細かい凹凸なのに対し、凹凸模様はゆず肌よりもまばらな凹凸が特徴とされています。
凸状模様
凸状模様は、外壁仕上げ材で仕上げを行った後にコテやローラーを用いて押さえたり、サンダーでカットすることで作り上げられる模様のことです。
ヘッドカット模様・キャスト模様とも呼ばれており、専用ローラーを用いてパターンづけされることもあります。
意図せずゆず肌になってしまう原因とは?
ゆず肌仕上げは外壁の仕上がりの際に特殊な加工を施して仕上げる方法ですが、時として意図せずゆず肌になってしまうこともあります。
意図せずゆず肌に仕上がってしまう原因にはどのようなものがあるのか、それぞれ解説します。
塗料の粘度が高すぎたことが原因
塗料の粘度が高すぎると、意図せず仕上がりがゆず肌となってしまう可能性があります。このような場合は、塗装の際の塗料の粘度が高すぎたことが原因です。
意図しない状態で仕上がってしまったゆず肌は、最初からゆず肌仕上げにするつもりで塗装した外壁よりも性能が劣ります。
あまりこのような失敗が起きることは少ないですが、塗装は人の手で行われるため、このような施工不良が発生してしまう可能性があります。
スプレーの圧や距離が原因であることも
塗装の際にスプレーガンの圧力が強すぎた、または弱すぎた場合も、意図せずにゆず肌に仕上がってしまうことがあります。
まとめ
ゆず肌仕上げとはいったいどのようなものなのか、またゆず肌仕上げ以外の仕上げ方法について詳しく解説しました。
正しく完成度の高い仕上がりを求めている方は、熟練の職人・経験を詰んだベテランに依頼を行うことが最も大切です。
依頼をする業者を選ぶ際は、これまでの施工実績や口コミなどをよく確認した上で、依頼を行う業者を選択するようにしましょう。
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