40坪の外壁塗装にかかる費用相場!パターン別の事例、安くする裏ワザ
外壁塗装工事費用は、外壁の面積が広くなればなるほど高額になります。
では「40坪の家の場合はいくら位かかるの?」と思う方も少なくないのではないでしょうか。
そこで本記事では、40坪の住宅の外壁塗装工事費用の相場や費用の内訳、自分で出来る費用の計算方法や費用を安くする方法などを解説します。
目次
住宅40坪の外壁塗装にかかる費用相場は?
40坪の家とは、延べ床面積(各階の床面積の合計)が40坪の家のことをいいます。
1坪は約3.3㎡なので、延べ床面積が約132㎡の家を指します。外壁塗装の費用は外壁の面積によって左右されますが、40坪の家の外壁塗装費用の相場は、90~140万円程度といわれています。
外壁の面積は延べ床面積が大きくなるほど増え、同じ延べ床面積の家でも建物の形状や窓の数・大きさによっても変わりますが、40坪の家の外壁面積の目安は158~185㎡(延べ床面積×1.2~1.4)になります。
また塗装費用は、使用する塗料の種類や他のさまざまな条件によっても変動します。
外壁塗装の費用相場は各条件によっても左右される
この章では、外壁塗装費用に影響を与えるさまざまな要因について詳しく紹介したいと思います。
使用する塗料
前述したように、外壁塗装費用に影響を与える要因のひとつに使用する塗料の種類があります。
塗料にはアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などといったさまざまな種類がありますが、塗料の種類によって耐用年数が異なると共に価格も異なります。
一般的には耐用年数が長い塗料ほど価格が高くなります。
安い塗料を選べば塗装費用を安く抑えることができますが、耐用年数が短くなるので塗り替え周期が短くなるというデメリットがあります。
塗料の種類ごとの耐用年数と施工単価(1㎡あたりの材工価格)は下の表のようになります。
塗料の種類 | 耐用年数 | 施工価格 |
アクリル塗料 | 5~8年 | 1,000~1,800円/㎡ |
ウレタン塗料 | 7~10年 | 1,500~2,500円/㎡ |
シリコン塗料 | 10〜15年 | 1,800~3,500円/㎡ |
ラジカル(制御型)塗料 | 12〜15年 | 2,200~4,000円/㎡ |
光触媒塗料 | 12〜20年 | 3,800~5,500円/㎡ |
フッ素塗料 | 15〜20年 | 3,500~5,000円/㎡ |
無機塗料 | 20〜25年 | 4,500~5,500円/㎡ |
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同じ業者に全く同じ2つの住宅の外壁塗装の見積もりを依頼した際、フッ素塗料を使用する場合にはウレタン塗料を使用する場合と比べて価格が2倍になりますが、塗料の耐久性も約2倍になります。
築年数
塗装費用に影響を与える要因のひとつに建物の築年数があります。
建物は築年数の経過に伴い経年劣化が進行するので、次第にダメージが蓄積されていきます。
築10年目の外壁塗装工事の際には必要のなかった工事でも、築20年、築30年と経過するにつれて広範囲にわたる補修工事が必要になることは珍しくありません。
特に外壁以外木部、鉄部、雨樋、シーリングなどの付帯部分の状態が酷くなることが多いので、外壁塗装工事の際に補修費用がかかるようになります。
したがって単純に40坪だからという理由だけで外壁塗装費用が決まるわけではありません。
建物の階数
一般的に同じ延べ床面積の家であっても、3階建の住宅の方が2階建の住宅よりも外壁の面積(塗装面積)が大きくなる傾向があります。
したがって実際に塗装する外壁の面積から工事費を算出する外壁塗装工事においては、3階建の方が2階建よりも工事費が多少高くなる傾向があるといえます。
また、3階建住宅の足場は2階建住宅の足場よりも高さが高くなる分強度が必要になるため、足場代が高くなることがあります。
建物の建築方法
外壁塗装工事費用は、家の形状によっても変動します。
正方形に近い総2階建の家が最も費用が安くなる傾向があり、長方形の家や凹凸のある複雑な形状の家になるほど費用が高くなります。
これは形状が複雑な家になるほど、同じ床面積であっても外壁の面積が増える傾向があるためです。
したがってデザイナーズ住宅と呼ばれる意匠性の高い建物ほど、ローコスト住宅や建売住宅よりも外壁塗装費用が高額になってしまうことが多いようです。
その他では、狭小地や前面道路との高低差のある敷地に建つ住宅などは費用が割高になります。
このように、建物の立地条件や周辺環境などが外壁塗装工事費用に大きな影響を与えます。
また屋根を同時に塗装する場合には、屋根勾配が急勾配になるほど屋根面積が増えてしまうので、塗装費用が割高になります。
40坪の住宅:3つの工事それぞれの費用相場の例
40坪の住宅とはどの程度の大きさの家になるのでしょうか。
総2階建の正方形の家であれば1辺の長さが約8mの家(1階約64㎡、2階約64㎡)で、間取りは4LDK~5LDK程度の4~6人家族向けの家になります。
この章では、40坪の住宅の塗装費用の相場について紹介します。
外壁塗装のみの費用相場
上記の外壁サイディングボード張りの家に、シリコン塗料を使って外壁塗装を行った場合の費用相場の例は、以下の表のようになります。
項目 | 数量 | 単価(円) | 合計(円) |
足場 | 260㎡ | 900 | 234,000 |
飛散防止ネット | 260㎡ | 200 | 52,000 |
高圧洗浄 | 160㎡ | 250 | 40,000 |
養生 | 160㎡ | 200 | 32,000 |
シーリング打ち替え | 230m | 1,000 | 230,000 |
外壁シリコン塗装(3回塗り) | 160㎡ | 2,500 | 400,000 |
下地補修 | 1式 | 30,000 | |
廃棄物処分 | 1式 | 25,000 | |
諸経費 | 1式 | 104,000 | |
合計 | 1,147,000 |
※横にスクロールしてください。
外壁塗装と屋根塗装を行う時の費用相場
次に同じ家を外壁塗装するのに併せて屋根塗装も同時に行った場合の費用相場の例は次のようになります。
ただし屋根は勾配の緩い寄棟のスレート(カラーベスト)屋根とします。
項目 | 数量 | 単価(円) | 合計(円) |
足場 | 260㎡ | 900 | 234,000 |
飛散防止ネット | 260㎡ | 200 | 52,000 |
高圧洗浄(屋根、外壁) | 240㎡ | 250 | 60,000 |
養生 | 160㎡ | 200 | 32,000 |
シーリング打ち替え | 230m | 1,000 | 230,000 |
外壁シリコン塗装(3回塗り) | 160㎡ | 2,500 | 400,000 |
タスペーサー | 80㎡ | 300 | 24,000 |
屋根シリコン塗装(3回塗り) | 80㎡ | 2,500 | 200,000 |
屋根下地補修 | 1式 | 15,000 | |
外壁下地補修 | 1式 | 30,000 | |
廃棄物処分 | 1式 | 25,000 | |
諸経費 | 1式 | 130,000 | |
合計 | 1,432,000 |
※横にスクロールしてください。
外壁塗装と屋根塗装・付帯部の修繕を行う時の費用相場
外壁・屋根塗装工事に併せて付帯部分の塗装を行う場合の付帯部分の工事費の目安は次のようになります。
項目 | 数量 | 単価(円) | 合計(円) |
軒天塗装 | 21㎡ | 1,200 | 25,200 |
破風板塗装 | 37m | 1,000 | 37,000 |
軒樋塗装 | 37m | 600 | 22,200 |
竪樋塗装 | 30m | 600 | 18,000 |
諸経費 | 1式 | 10,000 | |
合計 | 112,400 |
※横にスクロールしてください。
したがって上記の付帯部分まで併せて塗装工事を行う場合には、前述の費用と合わせて1,544,400円になります。
外壁塗装の費用の内訳
外壁塗装費用に影響を与える主な要因は以下の4つになります。
➀外壁の塗装面積
外壁の塗装面積が広くなるほど使用する塗料の量や職人の手間が増えるため、費用がかかります。
塗装面積は前述したように建物の延べ床面積の1.2~1.4倍程度になることが多く、40坪の住宅の場合には約158㎡~185㎡になります。
➁足場代
外壁塗装工事は高所作業がともなうため、足場の設置が不可欠です。
40坪の2階建住宅の足場代の目安は20~27万円前後で、この他に飛散防止ネット(養生シート)代がかかります。
➂使用する塗料の種類
外壁塗装費用は使用する塗料の種類によって大きく変わり安価な塗料になるほど耐久性が劣るため、塗り替え周期が短くなります。
現在最も人気の高いシリコン塗料で塗装する場合には28~55万円程度かかりますが、耐用年数は10~15年です。
➃工事内容
一般的に外壁塗装と同時にシーリングの打ち替えや軒天・破風板などの付帯部分の塗装を行います。
また工事中は足場を組むため、屋根塗装やバルコニーの防水工事を併せて行うケースが多いようです。
しかし工事範囲が増えればその分費用がかかります。
以上が外壁塗装費用に影響を与える4つの要素ですが、特に塗装面積と使用する塗料の種類に大きな影響を受けます。
費用相場に定価がない理由
外壁塗装に使用する塗料には塗料メーカーによって設計価格と呼ばれる価格の目安が定められていますが、塗装工事の見積もり単価自体には定価というものがなく、施工業者が自由に定めているのが現状です。
これは塗装する家の劣化状態や立地条件、周辺環境などが1軒ごとに異なるためですが、劣化状況や施工条件が異なれば施工手順や施工の難易度が変わってしまうので、やむを得ないことといえます。
塗装工事では事前に現地調査を行い、建物の劣化具合や周辺環境などを細かく調査した上で一軒ごとに見積もり書を作成することが重要になります。
外壁塗装の費用算出に必要な単価相場
外壁塗装を行うにあたって業者の見積もり書をチェックする際には、工事に必要な塗料や資材、ひとつひとつの工程の単価の相場を知っておくことが大切です。
単価相場とは外壁の面積1㎡(1平米、1m×1m)あたりの価格や1箇所補修するための費用のことをいいます。単価にも一般的な相場があるので、これを知っておくことで業者に騙されてしまうことがなくなります。
また単価がわかれば自分で大まかな費用を計算することができるようになります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
自分で出来る費用相場の計算方法
ご自宅の延べ床面積や1階の坪数がわかっていれば、そこから大まかな外壁や屋根の面積を自分で計算することができます。
そしてそれを元に、業者の見積もり書に記載されている数量が正しいものなのかどうかをチェックすることが可能になります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
外壁塗装の費用を安くする裏技
外壁塗装を行うためにはまとまったお金が必要になるので、まずは資金を調達しなければなりません。
そして工事の質を落とさずに、できるだけ費用を安く抑えたいと誰もが思うことでしょう。そこでこの章では、外壁塗装の費用を安くする方法を紹介します。
相見積もりをする
外壁塗装に限らず工事をできるだけ安く発注する方法のひとつに、複数の業者から相見積もりをとる方法があります。
相見積もりを取ることをあらかじめ業者に伝えておくことで、業者間で価格競争が起こり、各社の提示価格を全体的に引き下げることが期待できます。
また単に価格を下げるだけでなく、各社の提案を引き出すこともできるようになります。
複数の業者の見積もり書を比較した上で、その中から最も自分の予算に近くて要望に合った業者を選択することができれば、工事の満足度も高くなるでしょう。
ただし単に金額の安さだけで業者を選んでしまうと後悔することにもなりかねないので注意が必要です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
補助金や助成金を活用する
全国の自治体では住民が自宅のリフォームを行う際に費用の一部を補助・助成する制度を設けていることがあり、外壁塗装もその対象になっているケースがあります。自分が居住している自治体にそのような補助金・助成金制度があるかどうかを事前に確認しておくと良いでしょう。
なお、多くの場合が工事金額や施工業者、申請を行う時期・タイミング、遮熱・断熱塗料を使用するなどの条件を設けているので、必ず工事を行う前に確認することが大切です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
リフォームローンを利用する
資金が不足してしまう場合やできるだけ手元に現金を残しておきたい場合には、銀行などの金融機関のリフォームローンを利用する方法があります。
リフォームローンを利用する際に「住宅借入金等特別控除」を使って、ローンの残高に応じ所得税の控除を受けることができます。
ただしリフォームローンは、通常の住宅ローンと比較して金利が高い、返済期間が短いなどのデメリットもあるので、事前にメリットとデメリットを良く知っておくことが大切です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
火災保険を使用する
外壁塗装が必要になった原因が台風や大雪などの自然災害であれば、火災保険の保険金を利用して工事を行うことができます。
ただし保険会社への申請時の条件があるので、事前によく調べてから申請する必要があります。
また保険会社から修繕が必要になった原因が経年劣化よるものと判断されてしまうと保険金がおりないので注意が必要です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
外壁塗装の費用を支払うタイミングで注意した方が良いこととは?
外壁塗装工事を業者に依頼する際には事前に契約書の取り交わしを行いますが、その際に注意すべき点があります。
それは工事代金の支払い時期に関することです。
工事完了後に代金を全額支払うのであれば特に問題はありませんが、中には工事着工前に全額支払うことを要求してくる業者がいます。
悪質な業者の場合によくみられる支払い方法ですが、この場合にはお金だけ受け取って実際にはいつ工事を行うのか分からないといったことにもなりかねません。
したがって絶対に着工前に工事代金を全額支払う様な契約は行わないことが大切です。
最も多い支払い方法は3回払い
外壁塗装工事では、工事着工前(契約時)に50%、工事完成後に50%支払う方法や、着工前・工事中(着工時)・完成後の3回に分けて支払う方法が最も多いパターンです。
着工前に工事代金の一部を支払うことに抵抗のある方もいると思いますが、塗装業者も職人の手配・段取りをしたり、工事に必要な塗料を購入したりする都合があるので、その点を良く理解しておくことが大切です。
まとめ
40坪の家の外壁塗装の費用相場や費用の内訳、費用を抑える方法などを紹介してきましたが、理解して頂けましたでしょうか。
40坪の家の外壁塗装費用の相場は90~140万円といわれていますが、使用する塗料の種類や現場の周辺環境等のさまざまな条件により費用が変わります。
複数の業者から相見積もりをとると、業者によって金額が大きく異なることも決して珍しくありません。
一方、塗装費用はある程度は自分で計算することも可能なので、本記事の内容を参考にして業者の見積もり書をチェックする際に役立てて頂けたら幸いです。
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