外壁塗装は40万円でできる?予算40万円で依頼する方法、費用の抑え方を解説

「外壁塗装をなるべくお金をかけず、予算40万円くらいでどうにかしたい」
「40万円程度の予算でできる外壁塗装工事を知りたい」

と思っている方も多いと思います。

外壁は数年ごとに定期的なメンテナンスが必要です。

メンテナンスには通常の外壁塗装工事で約100万円前後がかかるため、まとまった金額を用意する必要があります。

この記事では予算40万円でできる外壁塗装工事の条件をはじめ、予算40万円でできること、外壁塗装工事の費用相場を紹介します。

一定の条件をクリアすれば外壁塗装を40万円台でも行うことができる!

白と黒の外壁

外壁塗装の工事費用は延べ床面積が30坪程度の住宅で100万円近くかかるといわれていますが、一定の条件のもとでは40万円台で行うことができます。

しかし40万円台の予算で外壁塗装工事を行うためには、次の2つの条件をクリアしなければいけません。

  • 家の面積が小さい(塗装面積が100㎡以内)
  • グレードが低い安価な塗料を使用する(アクリル塗料を使用)

この条件を満たすことができない場合には、外壁の一部だけ塗装する、自治体の補助金や助成金を利用する、火災保険を活用する、リフォームローンを利用するなどの何らかの対策を施す必要があります。

具体例➀:外壁面積100㎡前後の家にアクリル塗料を使用して閑散期に外壁塗装をする場合

外壁の塗装面積が100㎡程度の家であれば、耐用年数が5~8年といわれる安価なアクリル塗料を使用して外壁塗装を行うことで外壁塗装工事を40万円台で行うことが可能になります。

業者の閑散期にあたる時期に工事を依頼するようにして割引を受けることができれば、さらに良いでしょう。

アクリル塗料を使って外壁塗装を行う場合の業者の見積もり例(塗装面積100㎡)は次のようになります。

項目 数量 単価 金額
足場 200㎡ 900 180,000
飛散防止ネット 200㎡ 200 40,000
高圧洗浄 100㎡ 200 20,000
養生 100㎡ 200 20,000
下地補修 1式 25,000
外壁塗装
(アクリル塗料)
100㎡ 1,500 150,000
廃棄物処分 1式 15,000
諸経費(10%) 1式 45,000
合計 495,000

※横にスクロールしてください

通常の見積もり金額は495,000円になりますが、業者の閑散期に工事を依頼するようにして業者から値引きを受けることができれば、さらに安い費用で外壁塗装工事を行うことができます。

上表の外壁塗装工事で使用されているアクリル塗料は発色が良くツヤがあってカラーバリエーションが豊富であるというメリットがあります。

しかし紫外線に弱いことから耐用年数が短く、他の塗料よりもメンテナンス周期が短くなってしまうデメリットがあります。

一般的には近い将来建て替えや転居する予定がある方や、とりあえず安く外壁塗装を行いたいという方におすすめの塗料です。

アクリル塗料の特徴やメリット、デメリットについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。

 

具体例➁:一部だけ外壁塗装をする場合

外壁の傷みが激しい部分のみを応急的に塗装することで、塗装工事費用を40万円台にすることができます

部分塗装では塗料のグレードを落とす必要はありませんが、一部だけ新しい塗料で塗装することになるため、その部分だけ目立ってしまいがちです。

そのため、部分的に新たに塗装した場合には外壁の点検を常時怠らないようにして、他の部分に劣化が見られた場合には外壁全体の塗り替えを検討する必要があります。

また、何度も補修を繰り返すことで結果的に割高になってしまうことを念頭に入れておかなければなりません。

外壁塗装業者が基本的に部分塗装をおすすめしていない理由については、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

外壁塗装費用をできる限り40万円前後で抑える方法

この章では、グレードの低い塗料を使ったりわざわざ閑散期に外壁塗装を行なったりしなくても40万円前後に工事費用を抑える方法を紹介します。

費用を安くするコツについては、以下の記事でも紹介しています。

 

自治体の助成金や補助金を利用する

外壁塗装費用の負担をできるだけ減らすためには、自治体の助成金や補助金を利用する方法があります。

現在全国の1/3ほどの自治体に、持ち家の外壁塗装工事にかかる費用の一部を負担してくれる助成金・補助金制度があります。

助成金・補助金制度が存在している自治体であれば、外壁塗装工事に対し10万円から最大20万円を受け取ることができます。

支給条件や支給額については自治体によって異なりますが、省エネ効果が高い遮熱塗料を使って塗装することを条件としていることが多いようです。

また、対象戸数が設定されている場合もあるので、早めに自治体の窓口に相談に行くと良いでしょう。

助成金や補助金を支給している自治体や申請条件の詳しい内容については、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

火災保険を使う

外壁が台風や地震などの災害で破損してしまった場合には、被災から3年以内であれば火災保険を利用して保険金を外壁塗装工事費用の一部に充てることができます。

ただし他にも「損害の補修にかかる費用が火災保険の免責金額を超えること」などの条件があるので、加入している火災保険の適用範囲を一度調べてみると良いでしょう。

詳しくは以下の記事で紹介しています。

 

火災保険を利用した詐欺に注意

外壁塗装業者の中には、最初から火災保険の保険金を使用した外壁塗装工事を提案してくる業者がいます。

しかし火災保険が適用できるかどうかの判断は火災保険を扱っている保険会社が行うものなので、塗装業者がすすめたからといって必ず保険金を受け取ることができるわけではありません。

また、中には虚偽の申請により保険金の不正受給をすすめている業者も存在しているので注意が必要です。

大手の業者ではなく地元の業者に依頼する

外壁塗装工事は大手ハウスメーカーや大手リフォーム会社でも請け負っています。

しかしこれらの会社は比較的信頼度が高い反面で、実際の工事は下請け業者に発注して行うことがほとんどです。

そのため、中間マージンが見積もり金額に上乗せされます。

一方、地元の塗装業者は施工管理も現場での施工も全て自社のスタッフが行うので、余計な費用が発生しません。

このような理由から、費用面を重視するのであれば地元の業者に依頼した方が有利になります。詳しくは以下の記事で解説しています。

 

複数の業者から相見積もりを取る

外壁塗装工事を含む建築工事を業者にできるだけ安く発注するためには、複数の業者から相見積もりを取ることが欠かせません。

相見積もりを取ることによって業者間で価格競争が起こり、単独で業者に見積もり依頼をするよりも各社の見積金額が安くなることが期待できます。

また、自治体の補助金・助成金や火災保険に詳しい業者であれば、安く外壁塗装を行うための適切なアドバイスが受けられることがあります。

相見積もりの正しい取り方や比較方法は、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

値引き交渉する

外壁塗装工事は比較的費用が高額になるので、業者によっては受注するために一定金額までは値引き交渉に応じてもらえることがあります。

大幅な値引き交渉は手抜き工事につながる恐れがあるため決しておすすめすることはできませんが、見積もり金額の5%程度であれば交渉してみるのもひとつの方法といえます。

外壁塗装工事を発注する際に値引き交渉を行う方法は、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

無駄なサービスがないか見積もり書を確認する

業者が作成する外壁塗装工事の見積もり書の中には、見積もり金額を少しでも高くするために過剰な工事項目が含まれていることがあります。

また、決して過剰ではないものの、雨樋などの付帯部分の塗装工事が含まれていることがほとんどです。

少しでもコストを削減しようと思うのであれば見積もり書に記載されている工事項目を良くチェックして、必要のない項目は思い切って削除してしまうのも一つの方法です。

日頃から定期的なメンテナンスを行う

外壁塗装工事費用をできるだけ安くするためには日頃からこまめに外壁の水洗いを行って、外壁に付着しているチリやホコリ、排気ガス、藻、コケなどの汚れを落とすことが大切です。

こうすることで塗膜劣化のスピードを遅らせてメンテナンスを先延ばしにできると共に、いざ外壁塗装が必要になった時にも下地処理の費用などを削減することができるようになります。

外壁の汚れの落とし方や汚れを防ぐ方法は、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

そもそも外壁塗装の一般的な費用相場はどれくらい?

外壁塗装には適切な費用相場があります。

そこでこの章では、外壁塗装の費用相場を紹介します。

外壁塗装の費用相場は30坪の家で約60~90万円

外壁塗装工事の費用は、使用する塗料の種類や建物の立地条件、周辺環境によって異なりますが、延べ床面積が30坪前後の2階建住宅の場合には概ね60~90万円程度が費用相場であるといわれています。

このように外壁塗装の工事費用は家の大きさごとに費用相場があるので、ご自宅の延べ床面積がどれくらいになるのかを事前に調べておくと良いでしょう。

住まいの坪数ごとの外壁塗装の適正価格については、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

外壁塗装の工事費用の内訳

外壁塗装の工事項目にはさまざまなものがありますが、大きな割合を占めるのは足場代と塗装代です。

延べ床面積が30坪程度の家の場合は約15~20万円の足場代がかかり、塗装代は外壁の面積(実際に塗装する部分の面積)から算出されます

30坪(約99㎡)の家の外壁塗装面積は一般的に118~139㎡(延べ床面積の1.2~1.4倍)程度になり、最も多く使用されているシリコン塗料を使って塗装する場合の費用は30~35万円前後になります。

30坪の外壁塗装にかかる費用相場や内訳は、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

外壁塗装の工事費用は塗料の価格に左右される

外壁塗装の工事項目で大きな割合を占めるもののひとつは塗装代です。

塗装代は塗料の価格に左右され、塗料のグレードが上がるほど耐用年数は延びるものの価格も高くなります

外壁塗装に使用される主な塗料の種類ごとの費用相場は、次のようになります。

塗料の種類 費用相場
アクリル塗料 1,000~1,800円/㎡
ウレタン塗料 1,500~2,500円/㎡
シリコン塗料 1,800~3,500円/㎡
ラジカル(制御型)塗料 2,200~4,000円/㎡
光触媒塗料 3,800~5,500円/㎡
フッ素塗料 3,500~5,000円/㎡
無機塗料 4,500~5,500円/㎡

※表の下にいくほど塗料のグレードが高くなります

塗料の種類や費用相場については、以下の記事でも詳しく解説しています。

 

見積もり書の確認方法

見積書

この章では、業者から提出された見積もり書の内容を確認する方法を紹介します。

見積もり書のチェック項目及び確認事項は次の表の通りです。

チェック項目 確認事項
作業工程 工程ごとに具体的な内容が記載されているか
※足場の設置、高圧洗浄、養生、下地処理等
塗装工程 塗装工程が3回塗りになっているか
※外壁塗装に使用する塗料は3回塗りであることがほとんど
塗装面積 塗装面積が詳細に記載されているか
※一式は不可
塗料の種類 塗料の商品名や塗料メーカー名が記載されているか
塗料の単価 塗料の単価が正しく記載されているか

※横にスクロールしてください

外壁塗装工事では、足場の設置~高圧洗浄~養生~下地処理~下塗り~中塗り・上塗り~付帯部分の塗装~足場の解体に至るまでいくつかの工程があります。

それぞれの工程が見積もり書に正しく記載されていることが非常に重要になります。

また、業者によっては見積もり書に「外壁塗装工事一式 ○○円」とだけ記載して数量の明細が記載されていないことがありますが、このような業者は信用できません。

きちんと数量を計算して、見積もり書に記載している業者に工事を依頼するようにしましょう。

外壁塗装工事の見積もり書のチェック方法や良い例、悪い例は以下の記事でも詳しく紹介しています。

 

格安で工事を受注する悪徳業者には要注意!

外壁の点検作業

外壁塗装業者の中には最初から「40万円で外壁塗装工事ができる」などといって口約束し、工事着工後に高額な追加工事費用を請求する悪質な業者もいます。

しかしそもそも詳細な現地調査を行う前から40万円で工事ができると断言することはできず、工事費用算出には必ず事前の現地調査が必要です。

優良業者であれば、現地調査の結果をもとに詳細な見積もり書を作成して工事請負契約を行い、着工後に万一予期せぬ追加工事が発生した場合には、その都度説明を行います。

優良業者の探し方については、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

手元にまとまったお金がない場合は、リフォームローンを利用する

外壁塗装の塗膜が劣化していることはわかっていても、手持ち資金がないために工事を先送りにしている方も少なくありません。

しかしそのまま放置し続けると、いざ工事を行なおうと思った時には劣化が進んで高額な修繕費用が必要になってしまうことにもなりかねません。

外壁の塗膜劣化は放置するとどんどん進行してしまうので、早めにメンテナンスを行うことが大切です。

したがって外壁塗装をしたいと思っても手元にまとまったお金がない場合には、リフォームローンを利用する方法があります。

近年では外壁塗装工事を対象としたリフォームローンを取り扱っている金融機関も多いので、一度調べてみると良いでしょう。

リフォームローンについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

 

リフォームローンを使うときはグレードの高い塗料がおすすめ

せっかくリフォームローンを利用するのであれば、グレードが高い塗料を使用することをおすすめします。

初期費用は高くなってしまうものの、耐久性が高いのでメンテナンス周期を延ばすことができ、結果的にコスト削減につながります。

まとめ

この記事では、40万円の予算でどのような外壁塗装工事ができるのか、外壁塗装工事費用を安くするためにはどんな方法があるのか、予算がなくても早急に外壁塗装工事をするためにはどうすれば良いのかについて紹介しました。

外壁の塗膜の劣化は放置しておくとさまざまな問題を引き起こす恐れがあります。

そのため、塗膜に劣化症状が現れた時には早急に何らかの対策を施すことが大切です。

この記事のライター:亀田 融
東証一部上場企業の不動産・建設会社の建築部門に33年間勤務。 13年間の現場管理経験を経て、取締役事業部長に就任。 事業部内で年間1000件以上のリフォーム工事を手掛けるなかで、中立的立場でのコンサルティングの必要性を実感し、独立を決意。 現在はタクトホームコンサルティングサービスの代表として、住まいに関する専門知識を生かし、多岐にわたり活躍している。 (保有資格:一級建築施工管理技士、宅地建物取引士、マンション管理士、JSHI公認ホームインスペクター、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、日本不動産仲裁機構ADR調停人)

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