防水テープによる雨漏りの補修方法!初心者向けに手順を解説

住宅の急な雨漏りには、応急処置として防水テープが使えることをご存知でしょうか。

防水テープによる補修は一時的な応急処置ですが、雨漏りが起きてしまった際の対応には良い方法になります。

しかし、防水テープの使い方によっては雨漏りが止まらないこともあります。

そこで今回は、急な雨漏りの補修に使える防水テープの種類や防水テープの使い方について解説します。

雨漏り補修で使う防水テープとは?種類・特徴

防水テープには、雨漏り補修で使う防水テープの他にも水回りの配管用や外壁の補修用などさまざまな種類があります。

ここでは防水テープの種類と特徴について解説します。

防水ブチルテープ

防水ブチルテープは合成ゴムを使用した防水テープです。

気密性や耐久性、接着性に優れた防水テープで、雨漏りの補修用として使えます。

粘着力が高いので、屋根の凹凸や外壁の細かな形状にもしっかりと密着してくれます。

さらに新築現場では、サッシ周りや開口部の防水目地シール、透湿防水シートの固定用のテープとしても使用されています。

防水テープの幅は5~10㎝程度です。

防水アルミテープ

防水アルミテープは、ブチル系の粘着剤の片面がアルミ箔で出来た防水テープです。

アルミ箔の表面をポリエステルでラミネートすることで、長期耐久性や耐候性に優れた防水テープとなっています。

接着面が粗い場所での使用も可能な接着性の高さも特徴のひとつです。

また柔軟性が高いので、トタン屋根などの細かな形状にも柔軟に接着することができ、波板やトタン屋根などの金属屋根の雨漏り補修に最適な防水テープになります。

防水アルミテープの幅は5~10㎝程度です。

ファストフラッシュ

ファストフラッシュは、ブチル粘着材とEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)を全面に採用した防水テープです。

EPDMの耐用年数は20とも言われ、柔軟性に優れている特徴があります。

最大60%も伸びるため、波板のような形状にもしっかりフィットします。

またファストフラッシュの幅は、14~56㎝と広いため、防水シートとして広範囲の雨漏りにも対応できます。

【屋根・外壁から雨漏り】防水テープの使い方

防水テープを使った屋根や外壁の雨漏り補修方法について解説します。

雨漏りの補修を行う際には、始めに雨漏りの場所を特定することが重要です。

ここでは、雨漏りの補修方法を順を追って説明します。また、補修に必要なものについても紹介していますので参考にしてください。

①雨漏りの場所を特定する

雨漏りの場所を特定する方法は、雨漏りしている場所を目視で確認する方法と、雨漏りが疑われる場所に防水テープを貼って雨漏りが止まるかを確認する方法の2通りの方法があります。

専門の業者に外壁や屋根の雨漏り補修を依頼する場合には、コーキング剤が使われることが一般的です。

しかし雨漏りの場所の特定ができていない状態では、コーキング剤を使うよりも防水テープを使った確認方法がおすすめです。

コーキング剤は一度充填してしまうと取り除くことが難しい素材です。

雨漏りの場所を特定するまでは貼ったり剥がしたりが可能な防水テープを使った方が良いでしょう。

②雨漏り箇所の汚れを落として乾燥させる

雨漏りの場所が特定できたら、雨漏り箇所の汚れを落として乾燥させます。

防水テープは一般的なテープに比べて粘着力に優れていますが、濡れた状態では高い粘着力を発揮することができません。

また、ほこりや汚れがある場合にも、粘着力の低下やわずかな隙間からの雨漏りを止めることが難しくなるので、雨漏り箇所は汚れを綺麗に落とす必要があります。

さらに防水テープを貼る部分はしっかりと乾燥させることが大事です。

③屋根や外壁材に防水テープを貼る

しっかりと乾燥させた雨漏り箇所に防水テープを貼ることで、一時的な応急処置が可能になります。

外壁材に防水テープを貼る場合には、下から上に向かって防水テープを重ねていきます。

屋根に防水テープを貼る場合も、外壁材と同じように水下から水上に向かって防水テープを貼ることが大事です。

防水テープを貼る順番を間違えてしまうと、防水テープが重なった部分の隙間から水が入り込んでしまうので注意が必要です。

防水テープ同士の隙間を埋めるには、両面に粘着剤のある防水テープを使うことが効果的です。

またトタン屋根などの耐久性が求められる場所での雨漏り補修には、防水テープの表面にアルミ箔が貼られた防水アルミテープが最適です。

【サッシ・窓枠から雨漏り】防水テープの使い方

サッシや窓枠から雨漏りしている場合の防水テープを使った雨漏り補修方法を解説します。

雨漏りは屋根からだけでなく、サッシや窓枠の周辺から起きることもあります。

ここでは、サッシや窓枠の雨漏りの特定から順を追って説明します。

①雨漏りの場所を特定する

サッシや窓枠から雨漏りしている場合、雨漏りの場所を特定する方法は2通りです。

サッシや窓枠周りを目視で確認する方法と、雨漏りが疑われる場所に防水テープを貼って実際に雨漏りが止まるかを確認する方法です。

目視で雨漏りを確認するには、サッシや窓枠周りの外壁材を目視し、ひび割れやクラック、コーキングの劣化状況をチェックします。

サッシや窓枠からの雨漏りの場合には、最終的にコーキング剤を使って処理することが一般的です。

しかし雨漏りの場所を特定するまでは、コーキング剤を使うよりも防水テープを使った方が良いでしょう。

防水テープを使うことで後で剥がしやすいなどのメリットがあります。

②サッシの周辺の水分を拭き取る

防水テープを貼る前にサッシの周辺の水分を拭き取ります

サッシの周辺に水分が残った状態では、防水テープの高い粘着力を十分に発揮することができません。

またサッシの上端には砂ほこりなどが溜まりやすく、防水テープの粘着力低下の原因になりますので、雑巾などを使ってしっかりと清掃することが大事です。

さらに水分を拭き取った後には、しっかりと乾燥させることも必要です。

③サッシに防水テープを貼る

しっかりと乾燥させたサッシに防水テープを貼ります。

雨漏り補修では防水テープを貼る順番が重要で、防水テープの重なりによっては隙間から水が入り込んでしまいます。

サッシに防水テープを貼る順番は、サッシの下→両サイド→サッシの上の順になります。

この時、常に水上側の防水テープが上に来るようにすることが需要です。

また防水テープ同士の隙間を極力減らすためには、両面タイプの防水テープを使うことも効果的です。

広範囲の雨漏りには防水シートが良い

広範囲の雨漏りの場合には、防水テープよりも防水シートを使って補修する方が良いでしょう。

防水テープの幅は5~10㎝程度の物が多く、広範囲の雨漏りでは何枚もの防水テープを重ねて貼る必要があります。

防水テープの重なりが増えてしまうほど、隙間から水が入りやすくなる危険性が高まります。

一方の防水シートは防水テープよりも幅が広く、14~56㎝程度の物があります。

何枚もの防水テープを重ねることなく広範囲の雨漏り補修に使うことができ柔軟性にも優れているため、トタン屋根などの細かな形状にも対応することができます。

防水テープによる雨漏り補修はあくまでも応急処置である

ここまで防水テープによる雨漏りの補修方法を紹介しましたが、防水テープによる雨漏り補修はあくまでも一時的な応急処置です。

防水テープによる補修だけでは、いずれ防水テープの劣化や浮き、剥がれなどが起きてしまうことがあり、防水テープで応急処置した場所から雨漏りが再発していまうことにも繋がります。

また雨漏りは水が出ている場所はわかりやすいですが、外部から入った水がどこを通って出てきているかを特定することが難しいです。

雨漏りの原因はさまざまな住宅の不具合とも関係していることが考えられるので、雨漏りを発見した場合には出来るだけ早く業者による雨漏り調査を行った方が良いでしょう。

雨漏りの原因や調査方法などはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

雨漏りを放置するとどうなるの?

防水テープによる雨漏り補修はあくまでも一時的な応急処置です。

一時的に防水テープで雨漏りの補修を行なったとしても抜本的な解決にはならず、住宅の劣化が進行する可能性があります。

この章では雨漏りを放置しているとどうなるのかにういて解説します。

雨漏りはカビや虫の発生などの二次被害をもたらす

雨漏り補修に防水テープを使うと、外部からの水の侵入を抑えることができます。

しかし同時に、内部に溜まった水分や湿気も防水テープによって外に排出することができない状態になってしまいます。

このような状態のまま放置すると、雨漏りによる湿気で住宅の内部にカビが発生することがあります。

カビによるアレルギーや感染症などの健康被害にも繋がる可能性があるほか、カビが発生するような湿気の多い場所では、ダニや虫、ネズミなどの有害生物の被害が発生することも考えられます。

雨漏りは漏電を引き起こす

雨漏りで住宅の内部に入り込んだ水は、電気配線などに触れて漏電することがあります。

通常は、住宅の内部に施工された電気配線は絶縁処理がされた状態です。

しかし経年劣化などによって、絶縁体の隙間から雨水が入り込んでしまうことがあります。

天井裏などの普段は目にすることが無い場所で起きてしまうため、漏電を発見することは難しいです。

ブレーカーが頻繁に落ちる場合には漏電の可能性も検討する必要があります。

また、漏電した状態を放置すると感電や火災を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

住宅全体の建て替えをしなくてはならないことも

雨漏りを放置すると住宅の内部の構造躯体まで劣化が進行することがあります。

柱や梁、土台などの構造躯体は住宅にとって重要な部材です。

住宅の構造躯体が劣化してしまった場合には、屋根の葺き替えや外壁材の張り替えなどの部分的な補修では対応しきれなくなってしまう可能性があります。

最悪の場合には、建物全体の建て替えをしなくてはならないこともあり、解体工事費や廃材処理費などの費用も必要になります。

また、一度雨漏りが始まるとさまざまな箇所から雨漏りをする可能性があります。

外部からの水の入口はひとつでも、出口は無数にあることを想定しておく必要があります。

まとめ

雨漏りを発見した場合には、防水テープで補修することは可能です。

しかし、防水テープによる雨漏り補修は一時的な応急処置に過ぎません。

応急処置のままで放置してしまうと二次被害や住宅の構造躯体への劣化にもつながる可能性があります。

できるだけ早く専門の業者に相談して、抜本的な解決をすることが大事になります。

この記事のライター:タナカ サトシ
木造ハウスメーカーにてリフォームと新築の現場監督を経験後に二級建築士資格を取得、エクステリア会社にてハウスメーカーへの新築外構図の設計職を担当。 現在は二級建築士の資格を活かし、住宅を中心とした外壁塗装の職人として活躍中。 また、現場監督時代の経験と建築士の知識を活かし店舗などのリフォームを提案、設計監理を行う。趣味は子供と休日に思い切り遊ぶこと。

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