雨漏りの原因ランキング!調査方法と修理の費用相場

ある日突然家の中で雨漏りが発生し、対処法がわからず悩んでいる方はいらっしゃいませんか?

すぐにでも修理しようと思っても、雨漏りを修理するためにはまずは調査を行って原因をしっかりと特定させなければなりません。

ただやみくもに修理しても、改善できないことが多いからです。

そして雨漏りの原因はさまざまで、簡単に原因が特定できるものばかりではありません。中には専門の業者に調査を依頼しても、なかなか原因がわからないこともあります。

雨漏りは、建物にとって非常に深刻な事態です。そのまま放置しておくと構造躯体にまで大きな被害を及ぼしてしまうことにもなりかねません。

そこで本記事では、戸建て住宅によくある雨漏りの原因対処の仕方雨漏り調査の費用相場などについて解説します。

ここが原因!雨漏りの原因ランキング

雨漏りの原因といえばすぐに屋根の不具合を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

しかし雨漏りの原因は他にも外壁やベランダ、サッシ廻りなどがあり、屋根ばかりとは限りません。

そこで雨漏りの原因をランキング形式で紹介します。

雨漏りの原因第1位:外壁

雨漏りの原因箇所で最も多いのは、実は外壁です。

雨水の侵入口として考えられるのは、外壁のひび割れ部分やサイディングの継ぎ目部分の隙間シーリングの劣化外壁と軒天の取り合い部の隙間などがあります。

新築当時にはなかったとしても、モルタル外壁が乾燥収縮を繰り返すことによって次第にひび割れが発生することがあります。

また地震などにより、外壁がひび割れしてしまうケースもあるでしょう。

ひび割れが発生して塗膜の保護機能が低下すると、やがて雨水の侵入口になってしまうのです。

またサイディングの継ぎ目部分のシーリングが劣化して、亀裂や剥がれ、隙間などが生じるとそこから雨水が侵入してしまうことがあります。

その他では、配管の外壁貫通部の隙間、換気扇フード・換気ガラリ廻り、配線貫通部の隙間、ビス穴などが雨水の侵入口になることが多いようです。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

 

雨漏りの原因第2位:屋根

天井から雨漏りすることで、屋根が原因となる雨漏りに気付くことが多いようです。

最上階の天井に水染みやクロスの浮き、剥がれがある場合には屋根からの雨漏りが疑われます。

雨水の侵入口としては、屋根材のひび割れや欠け、欠損、ずれ、反りによる隙間の発生や、棟板金・谷・ケラバ部等の板金の隙間や穴、屋根漆喰の崩れや剥がれ、トップライト廻りの施工不良箇所などがあります。

また近年では、屋根に設置した太陽光発電パネルが雨漏りの原因になる事例もあります。

屋根材の裏側に侵入した雨水は、釘やビス、タッカーと呼ばれる防水紙を留め付けるためのホチキスの様な工具などから屋根裏に入り込みます。

しかし屋根から雨漏りするケースでは、比較的ほかの部分からの雨漏りよりも原因究明が容易なケースが多いようです。

雨漏りの原因第3位:ベランダ

ベランダから雨漏りするケースでは、下階の天井やサッシの上端から雨水が垂れてくることで雨漏りに気付くことが多いようです。

ベランダの雨水の侵入口としては、床や壁の立ち上がり部分である防水層のひび割れや浮き、排水ドレーン廻り、笠木廻り、つなぎ目である手摺や笠木と外壁の取り合い部分、シーリングのひび割れ部分などがあります。

多くは経年劣化により発生することが多いようですが、稀に新築時の施工不良によって発生することがあります。

雨漏りの原因第4位:サッシ

サッシからの雨漏りは近年増加する傾向にあるようです。

サッシから雨漏りしている場合は、下の階の天井やサッシの上端から室内に雨が侵入することにより、雨漏りに気付くことが多いようです。

雨水の侵入口としてはサッシ廻りのシーリングの隙間や、サッシ本体の変形による隙間などがあり経年劣化によるものがほとんどですが、新築時の施工不良(納まり不良等)に起因する場合もあります。

雨漏りの原因第5位:雨どい

稀に雨どいが原因で雨漏りすることがあります。

特に軒先をスッキリと見せるために屋根や壁の内側に作られた内樋になっている場合には要注意で、内樋にゴミが詰まってオーバーフローしたり、内樋自体の隙間から室内に雨水が入り込んでしまったりすることがあります。

内樋はこまめに点検を行い、落ち葉などのごみを取り払うことが必要なので、できるだけ雨どいと屋根は切り離して設置することをオススメします。

雨漏りの原因を調査する方法と費用相場

雨漏りの原因を特定するのは、屋根や外壁の施工業者やハウスメーカーなどでも非常に難しいといえます。

雨水の侵入箇所と室内に雨漏りしている箇所が必ずしも近くにあるとは限らないからです。

専門の雨漏り調査会社が存在しているほどです。

そして雨漏り調査にはいくつかの手法があり、必要に応じて使い分けます。

この章では、雨漏りの原因を特定する調査方法とそれぞれの費用相場について紹介します。

目視調査

目視調査とは、実際に雨漏りが発生している住宅を目で見て、屋根材の不具合や外壁のひび割れ、サッシ廻りのシーリングの剥がれなどの雨漏りの原因になりそうな箇所を洗い出す作業です。

目視調査は初期の調査として実施することがほとんどですが、費用相場は出張費として1~3万円程度かかるのが一般的です。

ハウスメーカーがアフターサービスとして対応する場合や、以前工事を行った業者に依頼する場合には無料で行ってくれることもあります。

散水調査

散水調査とは、目視調査で抽出した雨漏りの原因となりそうな箇所に直接ホースや高圧洗浄機を使って水をかけて雨漏りを再現しようとする調査です。

2人以上で調査するのが一般的で、一人が散水を行いもう一人が天井裏などを覗いて漏水の様子を確認します。

水をかける向きや水圧にもよりますが、状況によっては半日ほど散水しても雨漏りが再現できないこともあり、水かけしてから半日~1日後に室内に雨漏りが発生することもあります。

また水かけする場所によっては、足場や高所作業車が必要になります。

いずれにしても、水かけを行う人の経験値や習熟度合いによって成果が大きく異なることが多いといえます。

費用は3~5万円程度で、足場や高所作業車が必要な場合にはその分の費用最大20万円程度上乗せされます

発光液調査

発光液調査とは、雨漏りが疑われる箇所に発光液を流し込み、屋根裏から紫外線(ブラックライト)を当てて発光液が蛍光色に光っている場所を探し出して、雨水が侵入する経路を特定しようとする調査です。

目視では確認しづらい雨水が室内に漏れ出すまでの通り道を探し出すことが可能で、複数箇所で同時に雨漏りが発生した場合にも有効な調査方法です。

費用相場は10~20万円程度ですが、調査を行う前には雨漏りの原因箇所をある程度予測する必要があるため、散水調査と合わせて行われることが一般的です

赤外線サーモグラフィー調査

赤外線サーモグラフィー調査とは物体の温度が見た目でわかるサーモグラフィーを使った調査で、雨漏りして水が通った場所は温度が低くなるため、そこを探し出して雨漏りの原因箇所を特定する方法です。

ただし雨漏りの量が僅かな場合は乾くと温度変化が見られなくなってしまうので、実際に雨漏りが発生している時に調査を行うか、散水調査と同時に実施する必要があります。

一般的な費用相場は20~30万円程度ですが、散水調査と併用して補助的に実施される場合には、散水調査の料金を含めて15~20万円程度が相場になります。

雨漏り時の修理方法と費用相場

調査により雨漏り箇所が特定できると修理に着手することができますが、修理方法や費用相場は雨漏りの原因箇所や被害状況によって大きく異なります。

破損している屋根材の部分的な差し替えコーキングの補修程度であれば数万円程度で修理できます。

一方、屋根の葺き替え外壁の部分的な張り替えサッシ交換などが必要になると10~150万円ほどの補修費用が必要になり、他に腐蝕してしまった構造躯体の改修工事が必要になったり、内装工事が必要になってしまったりすることもあります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

雨漏りはDIYで修理できる?

雨漏り修理を行うためにはまず原因を特定することが不可欠なので、基本的には専門業者に雨漏りの原因調査を行ってもらう必要があります。

調査の結果雨漏りの原因箇所が明確になって、シーリング補修程度で修理できる様であればDIYで修理することも可能です。

しかし雨漏り修理は、屋根の上など高所作業が必要になるケースが多いので、決して無理をしないことが大切です。

少しでも危険を感じるようであれば、業者に修理を依頼しましょう。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

まとめ

雨漏りの原因はさまざまで、雨水の侵入箇所を特定するのはプロでも難しい場合があります。

しかし原因究明を疎かにしてしまうと、適切な修理を行うことはできません。

こうしたことから、長期間に渡ってズルズルと雨漏り修理を繰り返し行っているケースは決して珍しくありません。

雨漏りが発生した際にはまず応急処置を行って二次被害を防ぐ必要がありますが、その後はしっかりとした調査を行い、原因を究明して適切な補修工事を行うことが大切です。

この記事のライター:亀田 融
東証一部上場企業の不動産・建設会社の建築部門に33年間勤務。 13年間の現場管理経験を経て、取締役事業部長に就任。 事業部内で年間1000件以上のリフォーム工事を手掛けるなかで、中立的立場でのコンサルティングの必要性を実感し、独立を決意。 現在はタクトホームコンサルティングサービスの代表として、住まいに関する専門知識を生かし、多岐にわたり活躍している。 (保有資格:一級建築施工管理技士、宅地建物取引士、マンション管理士、JSHI公認ホームインスペクター、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、日本不動産仲裁機構ADR調停人)

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