東レ建材(旧東レACE)のサイディングが知りたい!特徴、おすすめサイディング材
2020年に創業した東レ建材は、以前は東レACEとして住宅建材事業、環境資材事業を行うほか、住宅のサイディングや外装材をはじめ土木用の製品などを製造、販売していた建材メーカーです。
中でも東レ建材が誇るラップサイディング工法は、古くは鎧張りなどど呼ばれる木造の伝統建築に見られる工法を使っています。
この工法を利用して、窯業系サイディングを使用しながらも、木質系サイディングのような美しい木目調の仕上がりを実現しています。
そこで今回は、ラップサイディングで注目される東レ建材が製造・販売しているサイディング外壁の特徴や商品などを紹介します。
目次
東レ建材(旧東レACE)とは?
東レ建材は、東レACEとして住宅建材事業や環境資材事業を行っていました。2020年から東レが新たに設立した東レ建材に事業譲渡を行っています。
外壁材では主力となるラップサイディングを中心に、いつまでも美しく強い外装材の開発を目指し、住宅用外装材である窯業系サイディング材の製造や販売を行っています。
さらに建材用樹脂成型品の販売や土木、建築資材、耐震用補強材などの販売も行っています。
また住宅の外装材の他にも、建築分野におけるカーテンウォール工法やガラスまわりのグレージングなど、現代建築工法に不可欠なシーリング材の取り扱いも行っています。
東レ建材(旧東レACE)のサイディング材の特徴
東レ建材のサイディング材の特徴は、主力となるラップサイディングにあります。
ここでは東レ建材のサイディング材の特徴について解説します。
30年の歴史を誇る、ラップサイディング
ラップサイディングは幅の細い板材を1枚1枚重ねて施工する工法を使用しています。
日本においての歴史は古く、「鎧張り」「下見板」「横羽目」などと呼ばれる木造の伝統建築で採用される技法のひとつです。
東レ建材では伝統的な工法を使う外装材として、ラップサイディングを製造・販売しています。
2020年に設立された東レ建材ですが、ラップサイディングは旧東レACEから30年余の歴史を持った窯業系サイディング材です。
1枚1枚重ね張りされた板に光が当たることで影が⽣まれ、天候や光の加減によって全く異なる表情を⾒せてくれます。
東レ建材独自の技術でシーリング不要、美しい外観を演出
東レ建材のラップサイディングは、左右のジョイント部の独自加工により板間のシーリングが不要な外壁材です。一般的なサイディング材を横張りする際には、最低でも約4m毎にシーリングによるつなぎ目が必要です。
しかし東レ建材のラップサイディングでは、ジョイント部分をランダムにずらすことや1段おきに配置するなどが可能なので、つなぎ目が一か所に集まらないことでジョイント部を目立たなくすることができます。
またラップサイディングは、強調されたシンプルで美しい水平ラインが特徴です。
継ぎ目にシーリングをしないことで、水平線のようにつながる美しい外観を演出しています。
シンプル&ベーシックなモダンデザイン
完璧シリーズの「KANPEKI」&「ピュアステージ」はシンプルでベーシックなモダンデザインの中に、卓越したファッション性とオリジナリティー性にこだわった外装材です。
幅広いデザインからあらゆるタイプの住宅の外観に対応することができます。
美しいラインを強調したシンプルな羽目板調から、打ちっぱなしのコンクリート調をはじめ落ち着きのある天目の質感を追及したウッド調などがあります。
また、モダンさを演出したタイル調から、風格ある外観を表現するレンガ調などのデザインも揃っています。
さらに超親水性を持たせる特殊コーティングのオートクリーンや、紫外線の影響を抑えるハイブリッドコートFなど耐候性に優れたサイディング材もあります。
外観デザインの質感を向上させる外装部材
※出典:東レ建材「外装化粧部材トレパーツ®/トレパーツ®デラックス」
外壁材と合わせて製造されている「トレパーツ」は、さまざまな住宅スタイルの外観デザインの質感を向上させる装飾部材です。
外壁材と合わせて製造されているので、住宅の外観をトータルでデザインすることができます。
また多様化する外観に合わせたカラーリングや装飾のバリエーションが豊富なので、自由に発想を広げて好みのスタイルを作り出すことが可能です。
また表面にサンド塗装やマット調仕上げを採用することで、より一層の高級感を演出することができます。
さらにトレパーツは非常に軽量でなおかつ強度、寸法安定性に優れているので外壁の安定度を向上させることができます。
東レ建材(旧東レACE)のおすすめサイディング材
東レ建材(旧東レACE)のおすすめサイディング材は、主力となっているラップサイディングです。
ラップサイディングは縦横に伸びるシンプルなラインが美しい外観を演出してくれるサイディング材です。
ここでは東レ建材のおすすめのサイディング材を紹介します。
ラップ14窯変タイプ
出典:東レ建材「窯変タイプ」
ラップ14窯変タイプは東レ建材の新商品です。
焼物の釉だまりのような風合いと石材の硬質さを合わせ持ったサイディング材で、つやを抑えた落ち着いた質感と光の当たり方によって不規則に変化する表情がこれまでにない上質な存在感を与えてくれます。
セルフクリーニング機能を持たせるオートクリーンや紫外線の影響を抑えるハイブリッドコートFなどが付与されたサイディング材で、塗膜色には15年保証がついています。
シェーブウッド・シェーブウッドSC・ウッドタイプ・ウッドタイプSC
シェーブウッド・シェーブウッドSC・ウッドタイプ・ウッドタイプSCは、窯業系サイディングながらも木質系サイディングのような本物感のある木目の風合いを持ったサイディング材です。
シェーブウッドSCとシェーブウッドは、パイン材の風合いを活かした節のある板目調タイプのサイディング材です。ナチュラルな質感を再現することで落ち着いた雰囲気の外観にすることができます。
またシェーブウッドSCには、パインホワイトやパイングレイッシュブルー、パインモカブラウンなどの深みのあるカラーが豊富に揃っています。
ウッドタイプSCとウッドタイプは鋸刃柄のテクスチャーが特徴的なサイディングで、アイボリーホワイトやライトマスタードなどの明るい色合いと質感を持ったサイディング材です。
光が当たることで影とのコントラストが調和し落ち着いた外観を演出してくれます。
エルタイプ・エルタイプSC・ハードタイプ/ソフトタイプ
エルタイプ・エルタイプSC・ハードタイプ/ソフトタイプは、重厚感が人気のフラットタイプのサイディング材です。モダンテイストでさまざまな住宅に対応することができます。
フラットな面がつくるシャープなラインが美しく、豊富なカラーリングが特徴です。
またソフトタイプは板の重なり合う部分をアールにすることで、やわらかな印象を演出してくれます。
タテスリーライン16SC(KANPEKIシリーズ)
出典:東レ建材「タテスリーライン16SC(KANPEKIシリーズ)」
タテスリーライン16SCは、シンプルな羽目板調のサイディング材です。
約8㎝の縦ラインのボーダー柄で、伝統的なスタイルからモダンテイストまでさまざまな表現が可能なデザインとなっています。
グレーホワイト、アンティークグリーンなど全4色のカラーリングを揃えています。
タテスリーライン(KANPEKIシリーズ)
出典:東レ建材「タテスリーライン(KANPEKIシリーズ)」
タテスリーラインは、タテスリーライン16SCと同じデザインのシンプルな羽目板調のサイディング材です。
無塗装の1種類のみの展開で、現地にて塗装工事が必要になります。
オートクリーンやハイブリッドコートFなどの機能性はありませんが、既製品にはないカラーリングにすることができます。
スリットライン16SC(KANPEKIシリーズ)
出典:東レ建材「スリットライン16SC(KANPEKIシリーズ)」
スリットライン16SCは、細リブ柄がモダンなイメージが特徴サイディング材です。約4㎝のシャープな細リブ柄がスタイリッシュで都会的なイメージを演出してくれます。
カラーリングはグレーホワイト、ミッドナイトブルー、スモーキーブラックの3種類です。
サイディング外壁のリフォーム方法や費用・工期など
サイディング外壁のリフォームには、塗装、重ね張り、張り替えの3種類の方法があります。
新しいデザインや機能性を持ったサイディング材を使用するには、重ね張りか張り替えによるリフォームを行う必要があります。
ここでは、サイディング外壁のリフォーム方法と費用、工期について解説します。
重ね張り(カバー工法)によるリフォーム
重ね張り(カバー工法)は、既存の外壁を解体や撤去せずに新しいサイディング材を上から張り付ける工法です。
解体や撤去などの工程がないため、全体の工期は比較的に短くなります。リフォームにかかる工期は7日~14日前後です。
既存の外壁と新しく張り付けたサイディング材によって外壁の重量が重くなることから、一般的には金属系サイディングしか使えないことがほとんどです。
東レ建材のサイディング材は、窯業系サイディングなので重ね張りには向いていません。
重ね張り(カバー工法)については以下の記事を参考にしてください。
張り替えによるリフォーム
張り替えは既存の外壁をすべて解体、撤去してから新しいサイディング材を張り付ける工法です。
すべての外壁を解体するため、全体の工期は長くなります。リフォームにかかる工期は2週間~3週間前後です。
既存の外壁をすべて撤去することで、下地や構造体の劣化や腐食に対する補修を行うことができます。
また既存の外壁材とは異なった素材やデザインの外壁材を選択することも可能です。
張り替えについては以下の記事を参考にしてください。
サイディング外壁の種類別 メリット・デメリット
サイディング外壁には、窯業系サイディングの他に金属系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングの4つの種類があります。
ここではサイディング外壁の種類別のメリットとデメリットを解説します。
日本で一番人気な外壁材である窯業系サイディング
窯業系サイディングは日本で一番人気のある外壁材です。国内の住宅の約8割が窯業系サイディングは採用しているといわれています。
セメントや繊維質を原料としたサイディング材で、さまざまなデザインやカラーバリエーションが豊富に揃っているので幅広いテイストの住宅に対応することができます。
しかし窯業系サイディング自体には防水性能がないため、塗装などのメンテナンスが必要になります。メンテナンスの頻度を少なくするために、オートクリーンやハイブリッドコートF など表面の塗膜の劣化を抑える機能をつけた商品も各メーカーから開発されています。
窯業系サイディングについては以下の記事を参考にしてください。
軽量で耐震性が高い金属系サイディング
金属系サイディングはガルバリウム鋼板などの金属板と断熱材を組み合わせたサイディング材で、軽量で耐震性の高いことでも知られています。
表面に使われる金属板や、塗膜によって耐久性に差が出ることがありますが、金属本来の質感とシンプルでモダンテイストなデザインが特徴で、スタイリッシュな住宅を演出してくれる外壁材です。
また金属系サイディングは軽量なため、住宅全体の重量を軽くすることができます。重ね張りなどのリフォームでは、軽量で断熱性の高い金属系サイディングは重宝されています。
ただし、窯業系サイディングのように幅広いデザインの住宅に対応することは出来ません。
金属系サイディングについては以下の記事を参考にして下さい。
天然木から作られている木質系サイディング
木質系サイディングは、天然木から作られているサイディング材です。窯業系サイディングや金属系サイディングの木目調とは異なり、本物の木材を使用することでデザインはもちろん、木のぬくもりを感じることができます。
住宅のエントランスやファサード部分にアクセントして取り入れることも多い人気のサイディング材です。天然木をそのまま使用するタイプや細かくなった木材を圧縮して板状に加工するタイプがあります。
どちらも木材が原料になっているため、耐火性や耐久性は高くありません。塗装や防腐剤の塗布などのメンテナンス頻度は、他のサイディング材と比べても多くなります。
木質系サイディングはについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
メンテナンスいらずな樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、日本ではあまり使われていないサイディング材です。北米エリアなどの寒い地域でよく使われているサイディング材で、日本での普及率は1%前後ですが、最近では北海道や東北の寒冷地などで採用する方も増えています。
樹脂系サイディングは塩化ビニル樹脂を原料にしているため、耐久性が高くメンテナンスの頻度を下げることが期待できます。
ただし、外壁材としての普及が進んでいないことから種類も少なく、日本では適切に施工できる業者も限られています。
樹脂系サイディングについては以下の記事を参考にして下さい。
まとめ
東レ建材のサイディングは、シンプルでモダンテイストの住宅に最適な外壁材です。
幅の細い板を1枚1枚重ねる伝統的な工法を採用したラップサイディングは、奥行の感じられる陰影と美しい水平ラインが特徴です。
またパイン材の風合いを生かした節のある板目柄や重厚感のあるフラットタイプなど、幅広いデザインの住宅に対応するサイディングが豊富に揃っています。
金属系サイディングのようなシンプルな縦ラインを活かしたスタイリッシュが好きな方にもおすすめです。
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