外壁塗装で大人気の塗料・パーフェクトトップとは?効果、費用相場、おすすめケース
外壁塗装を検討している方の中には、耐用年数が高い塗料を選びたいという理由からパーフェクトトップという塗料の選択肢を視野に入れる方もいらっしゃるかと思います。
また、業者から見積もりを提示された際、塗料の種類にパーフェクトトップという記載があり「パーフェクトトップって一体どんな塗料なの?」と疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、パーフェクトトップの基礎知識やメリット・デメリットなどを紹介します。
目次
外壁塗装で大人気の塗料・パーフェクトトップとは?
塗料の名称 | パーフェクトトップ |
メーカー | 日本ペイント |
分類 | 1液水性ラジカル制御型塗料 |
費用相場 | 2,930〜3,400円/㎡(施工業者により変動) |
耐用年数 | 12〜15年 |
パーフェクトトップは、日本ペイント株式会社が2012年に発売を開始した外壁塗装用の塗料です。
ラジカル塗料に属しており、シリコン塗料よりもランクが高い塗料です。ラジカル塗料は、ラジカル制御によって紫外線による劣化を防ぐ効果があります。
具体的な特徴については、下記でさらに詳しく説明します。
ラジカル制御塗料はチョーキングを引き起こす物質を制御する塗料
そもそもラジカル塗料最大の特徴である「ラジカル制御」とはどのような状態のことをいうのでしょうか。
外壁は一年中紫外線に晒され続けていますが、紫外線と塗膜の発色を担う顔料「酸化チタン」に紫外線が当たることにより、外壁は劣化します。
酸化チタンが紫外線に触れ続け年月が経つと、チョーキングと呼ばれる劣化症状が発生します。
チョーキングが発生した外壁は、触ると手にチョークのような粉がつくのが特徴です。
ラジカル制御型塗料は、チョーキング現象が起きる原因である酸化チタンを紫外線に触れさせないよう働きかけてくれる効果があります。
酸化チタンをコーティングしてしまうことにより、ラジカルを発生させなくするのがラジカル制御型塗料の特徴です。
またそれと同時に、ラジカルの働きを抑制するために光安定剤という化学物質を塗料に配合しています。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
パーフェクトトップはさまざまな建物と相性が良い
パーフェクトトップは、戸建て住宅や集合住宅、オフィスや商業ビルなどさまざまな建物に使用が可能で、相性も良い塗料となっています。
また外壁塗装を行うことも可能で、モルタル外壁やコンクリート外壁、金属パネルとも相性が良いのが特徴です。
パーフェクトトップシリーズは全3種類
パーフェクトトップには、「パーフェクトトップ」「パーフェクトトップローズ」「ファインパーフェクトトップ」の3種類があります。
次の項では、それぞれの塗料の特徴を紹介します。
日本ペイントは3種類のパーフェクトトップを製造販売している
製造元である日本ペイントは3種類のパーフェクトトップを製造販売を行っていますが、それぞれの塗料には細かな違いがあります。
パーフェクトトップ
パーフェクトトップは、2012年に発売されたパーフェクトトップの基本となる塗料です。
シリコン塗料と同じくらい人気が高い塗料ですが、耐用年数はシリコン塗料よりも長く、価格もほぼ変わらないことが大きな特徴です。
パーフェクトトップローズ
パーフェクトトップローズは優れた耐候性が特徴です。
仕上がりは艶感があるため、好みが別れる塗料でもあります。
また、水性塗料は基本的には臭いが控えめなのですが、パーフェクトトップローズはバラの香りがするため、些細な臭いが気になる方にもおすすめの塗料です。
ファインパーフェクトトップ
ファインパーフェクトトップはラジカル制御技術により耐候性が高い塗料となっています。
また上記2点の塗料とは異なり油性塗料のため、より耐久性が高い仕上がりになることも特徴です。
パーフェクトトップの費用相場
パーフェクトトップの施工単価は2,200円~2,700円/㎡とされています。
シリコン塗料と同程度もしくは少し高価で、フッ素塗料より安くなっています。
またエスケー化研から発売されているラジカル塗料「プレミアムシリコン」と同価格帯の塗料でもあります。
パーフェクトトップのメリット・デメリット
パーフェクトトップは、先述したとおり耐久性が高く費用もそこまで高額ではないため人気の高い塗料です。
しかしメリット・デメリットもそれぞれあるので、塗料を選ぶ際はメリットやデメリットを事前に知っておくことで塗装の失敗を防ぐことが出来ます。
パーフェクトトップのメリットとデメリットについて解説します。
パーフェクトトップのメリット
パーフェクトトップのメリットは以下の通りです。
・耐用年数が長い
パーフェクトトップはラジカルの発生を防ぐことができるため、塗膜の劣化を防ぐことが出来ます。
また、耐候性が高く住宅を紫外線から守ることができるため、耐用年数が長いことが特徴です。
・チョーキングが起こりづらい
チョーキングとは塗装を行った壁の表面などにチョークに触った時のような白い粉が発生しまうことで、外壁の劣化症状のひとつとなります。
パーフェクトトップを使用することにより、他の塗料よりもチョーキング現象の発生が起こりづらくなります。
・ツヤ感がある仕上がりになる
パーフェクトトップは、ツヤ感のある仕上がりが特徴です。
ツヤ感にも種類があり、パーフェクトトップの場合は「ツヤあり」「七分ツヤ」「五分ツヤ」「三分ツヤ」の4種類があります。
また、艶のある仕上がりが苦手な方には「ツヤ消し」という光沢感が低い仕上がりにもできます。
・透湿性が高い
パーフェクトトップは、他のラジカル塗料と比較すると透湿性に優れています。
湿気を取り込み外に逃す効果が強いため、結露や雨にも強い塗料です。
・安全性が高い
パーフェクトトップは種類によっては飛び散りにくく、また水性のため安全性が高い塗料です。
塗装する住宅にお住まいの方はもちろん、塗装工事を行う職人にも配慮された塗料といえるでしょう。
パーフェクトトップのデメリット
パーフェクトトップのデメリットは以下の通りです。
・下塗り材にもパーフェクトトップを選ぶ必要がある
パーフェクトトップを使用する際は、下塗り材にもパーフェクトトップシリーズの下塗り材を使用しないと十分な効果を発揮することが出来ません。
高い効果を期待している方は、下塗り塗料や中塗り塗料も全てパーフェクトトップシリーズで揃えましょう。
・耐用実績がない
パーフェクトトップの耐用年数は12〜15年ですが、発売されたのが2012年であるため塗料が使用されている建物の全てで耐用実績がありません。
そのため本当に長持ちするのか疑問に思う方もいらっしゃるかとは思いますが、塗料メーカーがこれまでに耐用年数実験を重ねて作られた塗料ですので、安心して使用している職人さんがほとんどです。
とはいえ、実際に使用してみるとさまざまな想定外のトラブルが発生する可能性もあるため、あくまでも「経過観察中」であることを心得ておきましょう。
・ラジカル制御効果は白か淡い色ではないと効果が薄い
ラジカル制御効果は、白や淡い色の際に効果を高く発揮します。
先述したとおり、ラジカルの発生には塗料の中に含まれる「酸化チタン」が深く関わっているのですが、この酸化チタンは原色系塗料にはあまり含まれておらず、白や淡い色の塗料に多く含まれています。
そのため、原色系カラーを選ぶ方にとってラジカル系塗料を選択するメリットはあまりありません。
パーフェクトトップはこんな方にオススメ
パーフェクトトップは「耐用年数や価格を重視する方」「外壁の色褪せを防ぎたい方」「ツヤのある仕上がりを求めている方」「住宅にさまざまな資材を使用している方」にオススメです。
下記で詳しく理由を説明します。
耐用年数と価格のどちらも重視する方
パーフェクトトップは、一般的に外壁塗装に使用されているシリコン塗料と同価格帯で使用することが出来ます。
場合によってはパーフェクトトップの方が少し割高になることもありますが、シリコン塗料と比べると耐用年数が高いため、価格と耐用年数のバランスを重視する方にぴったりです。
シリコン塗料の耐用年数は10年〜13年と言われていることに対し、パーフェクトトップは12年〜15年の耐用年数があります。
外壁の色褪せを防ぎたい方
ラジカル塗料に含有されているラジカル制御機能には、外壁の色褪せを防ぐ効果があります。
またパーフェクトトップは紫外線にも強く、日差しが強い地域・立地にお住まいの方にもオススメの塗料です。
ツヤのある仕上がりが好みの方
パーフェクトトップは、さまざまなツヤ感で仕上げることができる塗料です。
ツヤの度合いも好みに応じて決めることができるため、仕上がりにこだわりを持つ方にオススメです。塗装した後の外観にこだわりを持つ方はパーフェクトトップがぴったりでしょう。
住宅にさまざまな建築素材を使っている方
パーフェクトトップは、塗装対象の素材を選ばないということが最大の特徴です。
サイディング材・モルタル・金属など下塗り塗料を変更するだけでさまざまな素材に塗装が可能なため、住宅にさまざまな建築資材を使用している方にオススメです。
パーフェクトトップを使用する際の下塗り材の選び方
パーフェクトトップを使用する際は、日本ペイントが販売している同シリーズの下塗り材を使用することでより高い効果を得ることが出来ます。
下塗り用の「パーフェクトシリーズ」には、パーフェクトフィラーやパーフェクトサーフ、パーフェクトプライマーなどさまざまな種類があります。
下記では、さまざまな外壁に合った下塗り塗料を紹介します。
窯業系サイディングボード・ALC外壁パネルを塗装する場合
窯業系サイディングボード・ALC外壁パネルを塗装する際は、下塗り塗料に「ニッペ パーフェクトサーフ」、中塗りと上塗りに「ニッペ パーフェクトトップ」を使用します。
モルタル外壁・コンクリート外壁などを塗装する場合
モルタル外壁・コンクリート外壁などを塗装する際は、下塗り塗料に「ニッペ パーフェクトフィラー」、中塗りと上塗りに「ニッペ パーフェクトトップ」を使用します。
金属面・FRPなどを塗装する場合
などを塗装する際は、下塗り塗料に「ニッペ パーフェクトプライマー」、中塗りと上塗りに「ニッペ パーフェクトトップ」を使用します。
それぞれの外壁に合った適切な塗料を知り、よりパーフェクトトップの効果を高めていきましょう。
まとめ
パーフェクトトップ塗料の特徴や値段、種類について紹介しました。
数ある塗料の中でも比較的新しい塗料ではありますが、耐久性や使いやすさ、値段とのバランスを考えるととてもコストパフォーマンスの良い塗料といえるでしょう。
外壁塗装にパーフェクトトップの使用を検討している方は、塗装を依頼する専門業者と念入りに話し合いを重ね、最適な塗料を選ぶようにしましょう。
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