窯業系サイディングについて知りたい!特徴、費用相場、他の外壁材との違い
日本国内では、多くの住宅に窯業系サイディングが使われています。しかし、窯業系サイディングについて詳しく知らないという方の方が多いのではないでしょうか。
窯業系サイディングを外壁に採用するメリットやデメリットを把握しておくことで、住宅の寿命を延ばす方法やメンテナンスの必要性を理解することができます。
そこで今回は、窯業系サイディングの基礎知識やメリット、デメリット、工事費用について解説します。また代表的なメーカーやデザインについても紹介します。
目次
窯業系サイディングとは?
窯業系サイディングとは、セメントや繊維質原料を成型して薄い板状に加工した外壁材です。日本では住宅の外壁材として外壁材のシェアの80%以上を占めています。
窯業系サイディングは工場での一定した品質管理や大量生産が可能なので、さまざまなデザインや機能性を持たせたサイディングが安価に製造することが出来ることが特徴です。
窯業系サイディングを外壁に取り付ける工事では、住宅の外壁に合わせてサイディングボードを張り合わせていく工法を行います。
モルタルやコンクリート外壁に比べると施工方法が簡単なので、外壁材の材料費だけでなく施工費も抑えることができます。
また、窯業系サイディングの中には工場で塗装を行う塗装品と建築現場で塗装を行う無塗装品があります。
窯業系サイディング自体には防水性能がないため、無塗装品のサイディングボードを使う際には必ず塗装を行う必要があります。
窯業系サイディングは定期的に塗装をメンテナンスする必要がある
窯業系サイディングは、定期的に表面の塗装のメンテナンスをする必要があります。窯業系サイディング自体には防水性能がありません。
そのため表面の塗膜が外壁材を保護する役割を担っており、使用した塗料の耐用年数によって窯業系サイディング自体の耐久性にも差が出ることになります。
また、窯業系サイディングのジョイント部分に充填されたコーキングにも耐用年数があります。
一般的にはコーキングの耐用年数は10~15年程度です。コーキングが劣化することでひび割れや剥がれが起こりますが、ジョイント部分からの雨水の侵入などは防水性能のない窯業系サイディングにとって致命的な劣化に繋がる危険性があります。
そのため、塗装のメンテナンスを行うときにはコーキングのメンテナンスを同時に行った方が良いでしょう。
窯業系サイディングのメリットとは?
日本の住宅に多く採用されている窯業系サイディングには、さまざまなメリットがあります。
ここでは窯業系サイディングのメリットについて解説します。
初期費用が安い
窯業系サイディングは、他のサイディング材に比べて工事をする際の初期費用を安く抑えることができることが特徴です。
住宅に使われるサイディング材には、窯業系サイディングの他にも金属系サイディングや樹脂系サイディング、木質系サイディングなどがあります。
素材となる原料は異なりますが、どのサイディング材も板状に加工された外壁材です。
この中でも日本の住宅に普及している窯業系サイディングは大量生産されているため価格自体が安く、住宅に採用する際は初期費用を抑えることが出来ます。
また施工方法が比較的に簡単なため、施工費用も抑えることが可能です。
耐震性が高い
窯業系サイディングは耐震性が高い外壁材です。
これは製造工程の中で高温処理されたサイディング材の密度が高く、硬質な材質であるからです。
さらにサイディング材自体の重量が軽いため、住宅に負担をかけず、耐震性の向上にもつながります。
また、金物を使った工法の場合にはサイディング材を建物に固定しないため、地震などの揺れにも少なからず対応することができます。
耐火性に優れている
窯業系サイディングは耐火性にも優れています。
窯業系サイディングは「防火外壁材」として防火性能試験をクリアしているため、国から不燃材料として認定されている外壁材もあります。
45分~60分の耐火性能を持っていることで、隣家で火災があった場合にも火災の被害を最小限に抑えることができます。
デザインが豊富
窯業系サイディングはデザインやカラーバリエーションが豊富な外壁材です。
住宅の外壁材として普及しているため、多くのメーカーがさまざまなデザインのサイディング材を開発しています。
洋風の住宅の場合には、レンガ調やタイル調のデザインが多く展開されています。
また和風の住宅にはアクセントとして木目調などのサイディングが使われ、モダンテイストの住宅にはシンプルな柄のサイディングが使われています。
さらにデザインやカラーバリエーションの他にも、光触媒などの機能性を持たせたサイディングも開発されています。
施工が簡単
窯業系サイディングは、他の外壁材に比べて施工が簡単だということもメリットのひとつです。
窯業系サイディングでは、サイディング材を外壁の形状に合わせて切断し外壁に貼り合わせていく工事を行います。
1棟1棟外壁の形状が違う住宅に合わせて適切な大きさに切断することは簡単ではありませんが、モルタル外壁や塗り壁仕上げの外壁に比べると施工しやすい特徴があります。
モルタルや塗り壁のように施工期間の中で素材の養生期間がないので、工期を短くすることが可能です。
このように、工期が短い特徴を生かして窯業系サイディングをリフォームの際に採用することが多いようです。
既存の外壁材をすべて撤去して新しいサイディング材を施工する張り替えでは、施工にかかる工期は2週間程度です。張り替えについては以下の記事を参考にして下さい。
既存の外壁材の上から新しいサイディング材を施工する重ね張り(カバー工法)では、施工にかかる工期は7日~14日程度です。
ただし重ね張り工法の場合には、外壁の重量を出来る限り軽量にすることが重要です。
そのため重ね張りによるリフォームを行う際は、窯業系サイディングよりも軽量の金属系サイディングを採用するケースがほとんどです。
重ね張りについては以下の記事を参考にして下さい。
窯業系サイディングのデメリットとは?
さまざまなメリットのある窯業系サイディングですが、知っておきたいデメリットもあります。
ここでは窯業系サイディングのデメリットについて解説します。
素材自体に防水性能がない
窯業系サイディング自体には防水性能がありません。
窯業系サイディングはセメントが原料の多くを占めています。
そのため窯業系サイディング材自体には防水性能がなく、表面を塗装することで防水機能を付加する必要があります。
塗装後は塗料のグレードにもよりますが、通常10年前後でのメンテナンスが必要となります。
定期的なメンテナンスが必要
窯業系サイディングは、定期的なメンテナンスが必要な外壁材です。
メンテナンスは10年を目安に行う必要がありますが、もともと窯業系サイディング材自体に防水性能がないため、外壁塗装などによって表面の防水機能を維持する必要があります。
さらに、サイディングのジョイント部分に充填されているコーキングにも耐用年数があります。
一般的なコーキングの耐用年数は8~10年程度なので、外壁塗装と同時にコーキングの打ち替えなどのメンテナンスを行うことが多いようです。
窯業系サイディングは、住宅に使われる外壁材の中でもメンテナンスの頻度が高い外壁材です。
蓄熱性が高い
窯業系サイディングは蓄熱性が高い特徴があります。
原料に使われるセメントには熱を吸収する性質があるため蓄熱性が高く、外壁材に熱が溜まることで住宅の室内の温度が上がってしまうなどの影響が出ます。
特に夏場の日差しが厳しい季節にはサイディング材が熱を持ちやすくなります。対策としては、窯業系サイディングに遮熱塗料などを塗装する方法があります。
遮熱塗料を塗装することにより外壁の表面で熱を反射し、住宅内部の温度の上昇を防ぐ効果が期待できます。
遮熱塗料については以下の記事を参考にして下さい。
窯業系サイディングの費用相場やリフォームにかかる工期
既存の外壁材から窯業系サイディングにリフォームするには、重ね張りと張り替えの2つの方法があります。
ここでは窯業系サイディングを採用する際のリフォームにかかる費用相場と工期について解説します。
重ね張り(カバー工法)によるリフォームを行う場合
重ね張り(カバー工法)は既存の外壁材を解体することなく、上から新しい窯業系サイディングを施工する工法です。
既存の外壁材の解体や撤去にかかる費用や廃材となった外壁材の処分費がかからないため、全体の費用を抑えることができます。
さらにリフォームの工程も少なくなることから、工期を短くすることにも繋がります。
重ね張り(カバー工法)によるリフォームを行う場合の費用相場は130万~220万円前後で、工期は10日~20日程度です。
重ね張り(カバー工法)では既存の外壁材と新しく施工されたサイディング材によって外壁が二重になります。
二重になった外壁材によって住宅の断熱性や防音性が向上するなどの効果が期待できますが、新しい外壁材の重量が大きな問題となるので、重ね張りによるリフォームの際は窯業系サイディングよりも重量の軽い金属系サイディングが採用されることが一般的です。
重ね張りについては以下の記事を参考にして下さい。
張り替えによるリフォームを行う場合
張り替えによるリフォームは、既存の外壁材をすべて解体、撤去してから新しく窯業系サイディングを施工する工法です。
既存の外壁材をすべて撤去するため、その分の費用や廃材の処分費なども必要になり、全体の費用は重ね張りによるリフォームよりも高額になることが一般的です。また工期もその分長くなります。
張り替えによるリフォームを行う場合の費用相場は150万~300万円前後で、工期は10日~25日程度です。
重ね張り工法に比べて費用が高額になることや工期が長くなるデメリットがありますが、既存の外壁材をすべて撤去することで下地の補強や補修が可能になります。
外壁材を支える下地も経年劣化によって傷んでいる場合が多いので、張り替えを行うことで新築同様の外壁にリフォームすることが出来ます。
張り替えについては以下の記事を参考にして下さい。
窯業系サイディング以外にはどんなサイディング材があるの?
日本の住宅で多く採用されている窯業系サイディング以外にも、さまざまな特徴を持ったサイディング材があります。
窯業系サイディングの他には、金属系サイディングや木質系サイディング、樹脂系サイディングがあります。
ここではそれぞれのサイディング材と窯業系サイディングについて比較して解説します。
外壁材の種類 | 単価(㎡) | メンテナンスの頻度 | 特徴 |
窯業系サイディング | 3,500円~5,000円 | 7年~10年 | デザインが豊富 耐火性に優れている 初期費用が安価 |
金属系サイディング | 4,000円~6,000円 | 10年~15年 | 軽量 断熱性が高い |
木質系サイディング | 6,000円~8,000円 | 7年~10年 | 断熱性が高い 木独特の風合いを楽しめる |
樹脂系サイディング | 7,000円~9,000円 | 10年~20年 | 耐用年数が長い 寒冷地に向いている |
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断熱性が高く軽量な金属系サイディング
金属系サイディングは表面にガルバリウム鋼板やアルミ・ステンレス、裏面に断熱材を組み合わせた外壁材で、属板と断熱材だけで構成されるため断熱性が高く、他の外壁材と比べて軽量であることが特徴です。
施工単価は4,000円~6,000円前後で、メンテナンスの頻度は10年~15年程度とされています。
使用する金属の種類によって単価や耐用年数が異なるので注意が必要です。
金属系サイディングについては以下の記事を参考にして下さい。
木の風合いが楽しめる木質系サイディング
木質系サイディングは天然木を板状に加工した外壁材のため、自然な木の風合いを楽しめる外壁材です。
天然木をそのまま使用したサイディング材のほかにも、チップ状の木材を圧縮して加工したサイディング材などもあります。
いずれにしても天然木から作られているため、本物の木の風合いを楽しむことが出来ます。
ただし天然木が原料であることから、劣化や腐食が進みやすかったり燃えやすいなどのデメリットがあります。
このようなデメリットを避けるには、防腐処理のための塗装をこまめに行う必要や、不燃処理された商品を選択する必要があります。
施工単価は6,000円~8,000円前後で、メンテナンスの頻度は7年~10年程度とされています。
木質系サイディングはについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
メンテナンス頻度が少ない樹脂系サイディング
樹脂系サイディングはメンテナンス頻度が少なく、軽量なサイディング材です。日本ではあまり普及していませんが、北海道や東北などの寒冷地では採用されることが増えてきています。
樹脂系サイディングは耐用年数が長く、凍結や汚れにも強い特徴を持っています。
さらに、窯業系サイディングと比較すると10分の1の軽さの外壁材なので、耐久性の高さと軽量さからカバー工法などでも使われています。
ただし施工実績が少ないため、対応できる施工業者を探すのが難しいのが現状です。
施工単価は7,000円~9,000円前後で、メンテナンス頻度は10年~20年程度とされています。
樹脂系サイディングについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
窯業系サイディングのメーカーとおすすめ商品
窯業系サイディングを製造・開発しているメーカーとおすすめ商品を紹介します。
窯業系サイディングのメーカー①ニチハ
※出典:ニチハ「外壁材施工事例」
ニチハは窯業系サイディングを主体とした内・外装建材メーカーとして、窯業系サイディングメーカーの中でも50%以上のシェア率を誇るトップメーカーです。
窯業系サイディングの他にも、金属系サイディングなどの商品開発なども行なっており、商品のラインナップも豊富です。
さらに最近では木質系サイディングの開発なども積極的に行っています。
ニチハの窯業系サイディングはデザインが豊富であることが特徴で、本物の風格を追及した石調や木目調をはじめ、高級感のあるタイル調やレンガ調のデザインなどがあります。
また窯業系サイディングとしては業界初となる、塗膜の変色や褐色に30年の保証がついたサイディングも展開しています。
窯業系サイディングのメーカー②ケイミュー
※出典:ケイミュー「施工事例詳細」
ケイミューはニチハに続き、窯業系サイディングの国内シェア率2位のサイディング外壁材製造メーカーです。
光触媒技術を利用しセルフクリーニングき機能と高耐候性を持たせた商品開発を行なっており、劣化や汚れが目立ちにくい外壁材を製造販売しています。
セラミックコートが特徴の外壁材である光セラ、サイディングの柄を深くすることでデザイン性を高めた次世代外装パネルのレジュールなどが代表的な商品となります。
窯業系サイディングのメーカー③旭トステム外装
旭トステム外装はAGCとLIXILの外装事業を統合して生まれたメーカーで、ニチハやケイミューに次ぐ人気の窯業系サイディングメーカーです。
フッ素コートを使った高機能外壁材が特徴で、メンテナンスの負担を軽減するなどの独自の商品開発を行っています。
また日本ではまだまだ施工実績の少ない樹脂系サイディングも販売しています。
窯業系サイディングはこんな方におすすめ
窯業系サイディングは、住宅のデザインに合わせたテイストの外壁材を安価に選びたい方におすすめです。
窯業系サイディングは外壁材として、日本の住宅の約8割で採用されています。
そのためメーカーもさまざまなデザインやカラーバリエーションを開発しています。
住宅のテイストに合わせた外壁材を選びたい方には、デザインが豊富な窯業系サイディングがおすすめです。
さらにタイル張りや塗り壁仕上げの外壁に比べると施工費用も安く、初期費用を安価に抑えたい方にも良いでしょう。
まとめ
窯業系サイディングは、住宅の外壁材として広く普及しています。
さまざまなデザインやカラーバリエーションでどんな住宅のテイストにも合わせた選択が可能です。
また工場で大量生産することができるため、一定した品質を確保したサイディング材が安価に施工できるメリットがあります。
ただし、窯業系サイディング自体には防水性能がないなどのデメリットがあるため、定期的な塗装などのメンテナンスが欠かせません。
窯業系サイディング以外の金属系サイディングや樹脂系サイディングに比べると、メンテナンスの頻度が高くなる傾向にあります。
窯業系サイディングのメーカーによって、メンテナンスの頻度を大幅に減らすことができる商品も開発されています。
高機能な窯業系サイディングは初期費用が上がってしまいますが、住宅のトータルコストを下げる上では選択肢のひとつになります。

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