サイディング外壁の重ね張りとは?メリット・デメリット、費用を解説

サイディング外壁の重ね張りという補修方法をご存知でしょうか?

既存のサイディング外壁に新しい外壁材を重ねて補修する「重ね張り」はサイディングの補修の中でもよく使われている方法です。

この記事では、サイディング外壁の重ね張りのメリット・デメリットや費用の相場について解説していきます。重ね張りと他の補修方法との違いについても紹介していていますので参考にしてください。

サイディング外壁の重ね張り(カバー工法)とは?

サイディング外壁の重ね張りとは、カバー工法ともいわれる方法です。

既存のサイディング外壁が劣化してしまった場合の補修方法のひとつで、外壁材を解体することなくそのまま使用することが特徴です。これにより解体によって出る廃材を減らすことができます。

さらに外壁材が二重になることで、断熱性や遮音性の向上も期待できます。

ただし重ね張りを行う際には、建物全体の重量を軽くするために金属系のサイディングなどの軽量の外壁材を選択する必要があります。建物全体の重量が重くなると、耐震性が低くなってしまうからです。

また、既存の建物の構造によっては重ね張りによる補修ができないケースもあるので注意が必要です。

サイディング外壁の補修方法は3通り

サイディング外壁のリフォーム方法は、大きく分けて3通りの補修方法があります。

既存の建物の構造や経年劣化の状態によっては選択できないこともあります。サイディング外壁の3通りの補修方法を紹介します。

塗装による補修

一つ目の補修方法は、塗装です。外壁塗装にかかる費用の相場は、60万~180万円程度です。建物の大きさや形状によっても変わりますし、使用する塗料のグレードによっても差が出るので注意が必要です。

外壁塗装にかかる工期は、天候によっても変わることもありますが1~2週間程度です。

塗装についてはこちらの記事を参考にしてください。

 

重ね張り(カバー工法)による補修

二つ目の補修方法は、重ね張り(カバー工法)です。重ね張り工法にかかる費用の相場は、130万~220万円程度です。工期は10日~20程度で、外壁塗装に比べると工期が長くなることが一般的です。

建物の構造や経年劣化の状態によっては、重ね張り工法が選択できないこともあるので注意が必要です。

張り替えによる補修

三つ目の補修方法は、張り替えです。張り替えにかかる費用の相場は150万~300万円程度です。3つの補修方法の中でも1番費用がかかる補修方法です。

既存の外壁材の解体撤去費用や廃材処理費が必要になるため、費用は高額になるケースがほとんどです。

張り替えにかかる工期は、10日~25日程度です。張り替えでは、既存の外壁材を解体してから発覚する問題も多く、下地や構造体の劣化が見つかった場合には、補強や取り換えが必要になることもあります。

張り替えについてはこちらの記事を参考にしてください。

リフォーム方法の判断基準

サイディング外壁の状態によって、最適なリフォーム方法を判断することが大事です。3通りのリフォーム方法の中から選ぶ基準や考え方を紹介していきます。

最適なリフォーム方法を判断するには、最終的な仕上がりの希望を考慮する必要があります。

現状と同様の質感を希望される場合には、外壁塗装がおすすめです。ただし既存のサイディング外壁の劣化が進んでしまっている状態では、外壁塗装でのリフォームが難しくなります。

また、塗装によるリフォームでは重ね張りや張り替えに比べて耐用年数が下がります。定期的に塗装をすることになるので費用対効果についても検討が必要です。

既存のサイディング外壁の劣化状況によって塗装では対応できないケースでは、重ね張りがおすすめです。

重ね張りで使用する外壁材は金属系のサイディングが一般的なため、最終的な仕上がりは現状と変わってしまうこともあります。ただし、外壁材が二重になることで断熱性や遮音性を高めることができます。

建物の下地の劣化が激しい場合には、張り替えによるリフォームが必要です。

サイディング外壁の下地には木材が使用されていることが多く、漏水などによって下地部分が劣化していることがあります。

下地が劣化した状態では重ね張りを行うことができないので、下地の補修と同時に行うことができる、張り替えが必要です。

サイディング外壁の劣化の見分け方

サイディング外壁の劣化をそのままにしておくと、建物自体への劣化に発展してしまいます。

サイディング外壁の劣化は、塗膜の劣化から始まります。次にコーキングのひび割れがれが起こります。

最終的にはサイディング外壁自体が劣化することで、ひび割れやサイディングの浮きが起こり、外壁材としての防水性能や強度の低下に繋がっていきます。

最悪の場合、雨漏りの原因にもなるので注意が必要です。サイディング外壁の劣化が見つかった場合には、補修を行うことが大切になります。

サイディング外壁の重ね張り(カバー工法)のメリット・デメリット

サイディング外壁を重ね張りする場合には、塗装によるリフォームでは得られないメリットがあります。

逆に、張り替えに比べて建物への負担が増えるなどのデメリットもあります。

ここでは、サイディング外壁の重ね張り(カバー工法)のメリットとデメリットを解説します。

重ね張り(カバー工法)のメリット

サイディング外壁を重ね張りする場合には、塗装によるリフォームでは得られないメリットがあります。ここでは重ね張りのメリットについて紹介します。

家に住みながらリフォーム可能

重ね張りでは、既存のサイディング外壁の上から新しいサイディング外壁を取り付けるため、家に住んだままリフォームすることが出来ます。

外観を新しくできる

上から新たなサイディング外壁を取り付けることで、外観が新しくなります。

今までとは違ったサイディング外壁を選べば、今までとは違った外観を変えることができるでしょう。

断熱性と遮断性が向上する

既存のサイディング外壁と新しいサイディング外壁で二重になるので、これまでよりも断熱性や遮音性がアップします。

環境に優しい

既存の外壁の解体や処分をする必要がないので、環境に優しい工法といえます。

工期が短い

既存のサイディングを取り外す解体工事などがないため、全体の工期を短く設定出来ます。

重ね張り(カバー工法)のデメリット

重ね張りによる補修では、張り替えに比べて建物への負担が増えるなどのデメリットもあります。ここでは重ね張りのデメリットについて紹介します。

初期費用が高い

重ね張りは、塗装よりも耐用年数は上がりますが初期費用が高くなるデメリットがあります。

さらにサイディング外壁以外にも、建物の外部に使用されている配管などの付属品に関しても新しい物への交換が必要になることがあるため、費用は高くなってしまいます。

耐震性が低くなる

重ね張り(カバー工法)による補修を行った場合、外壁の重量が増えてしまうことで住宅への負担が大きくなります。

重量が増えることで耐震性が低くなるため、外壁の重量は軽くする方が住宅への負担を和らげることに繋がります。

重ね張りの場合には、二重になる外壁材の負担を減らすために金属系で軽量のサイディングが採用されることが一般的です。

金属系サイディングを使用する

前述の通り、重ね張り(カバー工法工法)でサイディングを補修する際は住宅の重量を増やさないために金属系サイディングを使用します。

金属系のサイディングは外観に大きく影響するため、好みが分かれるという点も注意が必要です。

サイディング外壁の重ね張り(カバー工法)の費用相場

項目 費用相場 費用単価
サイディング外壁 60万円前後 3,000〜10,000円/㎡
シーリング 5〜35万円 900〜1,200円/m
下地胴緑 10〜25万円 850〜1,870円/㎡
足場 15〜23.5万円 600〜1,000円/㎡
防水シート 25〜45万円
養生 4〜7万円
土台水切り設置 8〜12万円
運搬費・諸経費 5〜7万円
施工費 10〜13万円 2,500〜3,250円/㎡

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サイディング外壁の重ね張りにかかる費用の相場は、100~220万円程度です。

費用の具体的な内訳は、新たに設置するサイディング材が平米3,000~10,000円で平均60万円前後、重ね張りの施工作業費が平米2,500~3,400円で平均30万円前後必要です。

さらに足場や養生、防水シートなどの工事設備として平均35万円前後、下地の取付に平米850~1,900円で平均20万円前後、土台の水切り設置費用として平均6万円、サイディングのジョイント部分などに施工するシーリングに平米900~1,200円で平均5~35万円が必要です。

工事に必要な材料の運搬費や、現場管理費などの諸経費として工事費用の5~15%が必要になり、平均11万円程度が加算されます。

重ね張り(カバー工法)の施工手順やリフォーム例

重ね張りは、外壁塗装などに比べると施工件数も少ないため、工事前にイメージすることが難しい工法です。ここでは、実際に重ね張りを行う際の施工手順やリフォーム例を紹介します。

重ね張り(カバー工法)の施工手順

①家の老朽度のチェック

既存のサイディング外壁の劣化状況を確認します。

ヒビなどがないか確認し、この段階で重ね張りによる補修が可能かどうかを判断します。

②ヒビなどの補修を行う

雨漏り防止のため、②既存外壁にヒビなどがある場合はまずヒビの補修を行います。

③防水紙を外壁全体に取り付ける

ヒビを補修した後、防水紙を外壁全体に取り付けます。

④新たなサイディング外壁を設置、完成

新たなサイディング外壁を重ね張りにより設置します。

重ね張り(カバー工法)のリフォーム例

サイディング外壁の重ね張り(カバー工法)はDIYでも出来るの?

重ね張りやカバー工法を行うには、他の外壁リフォームと同様に足場の設置などが必要です。また施工方法も難しいのでDIYはおすすめできません。

重ね張りは、既存のサイディング外壁の上に新しいサイディング外壁をただ重ね張りすればいいというわけではありません。外壁や下地の状態を正しく見極める専門知識と技術が必要です。

重ね張りをDIYしたことで雨漏りが発生してしまうこともあるので、DIYでの施工は絶対に避けた方が良いでしょう。

サイディング外壁の重ね張り(カバー工法)の業者の選び方

サイディング外壁の重ね張りは、既存の劣化状況を正しく見極める専門知識が必要です。

信頼できる業者の選び方について3つのポイントを紹介します。

重ね張りの施工実績が豊富

専門知識に加えて技術も必要になることから、数多くの現場を経験していることは重要なポイントです。

工事後の保証がしっかりとしている

万が一、工事後に不具合が見つかった場合に、無償で対応して貰える保証があることでトラブルを回避することが出来ます。

詳しくはこちらの記参考にしてください。

 

工事後のメンテナンスに対応している

外壁の補修は定期的に行う必要があります。以前にどのような補修を行ったのかを把握していることは大事なポイントになります。

工事後数年おきにメンテナンスを行っている業者もあるので、このような業者を選ぶと良いでしょう。

まとめ

サイディング外壁の重ね張りは、塗装による補修よりも耐用年数を増やしつつ、張り替えによる補修に比べて安価に施工できる方法です。

既存のサイディング外壁の解体や処分が発生しないことで、環境にも優しいリフォーム方法です。

ただし、外壁の劣化状態を正しく見極める専門知識や技術が必要になるので、適切な業者に依頼するようにしましょう。

サイディング外壁の重ね張りに悩んだら、ぜひこの記事を参考にしてください。

この記事のライター:タナカ サトシ
木造ハウスメーカーにてリフォームと新築の現場監督を経験後に二級建築士資格を取得、エクステリア会社にてハウスメーカーへの新築外構図の設計職を担当。 現在は二級建築士の資格を活かし、住宅を中心とした外壁塗装の職人として活躍中。 また、現場監督時代の経験と建築士の知識を活かし現在も店舗などのリフォームを提案、設計監理を行う。趣味は子供と休日に思い切り遊ぶこと。

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