外壁塗装の浮きの原因、補修方法|DIYで補修は可能?

外壁塗装は、施工を行った後月日が経過するとともに劣化が進行します。

塗装の浮きも経年劣化の一つですが、経年劣化の他にも施工不良や塗装できない外壁材に塗装を行ったことが原因である場合もあります。

そこで今回は、外壁塗装の浮きの原因や対処法、補修方法について詳しく紹介します。外壁塗装の浮きについてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

外壁塗装の浮きとは?

外壁のはがれ

外壁塗装の浮きとは、塗膜が外壁から剥離してしまっている状態、または塗装の表面に水ぶくれのようなものが起きてしまっている状態を表します。

塗装が浮いている部分に触ってしまうとさらに塗装が剥がれてしまったり表面の塗膜がより浮いてしまう可能性もあるため、外壁塗装が浮いている場合は早急に対処が必要です。

この章では、外壁塗装の浮きを放置しておくとどのようなことが起きてしまうのかを解説します。

浮きを放置すると雨漏りなどの原因になる

外壁に浮きが起きたまま放置してしまうと浮きが起きた箇所から雨水が入り込み、雨漏りを起こすリスクが高まります。

また、そのままにしておくと広範囲の塗膜が浮き出てしまい、最終的には外壁材の劣化につながる危険性があります

外壁材が劣化をしてしまうと建物の構造躯体の劣化にもつながるため、外壁に浮きを発見した場合は絶対に放置しないようにしましょう。

外壁塗装後に浮きが起きる原因

外壁の塗装作業

外壁塗装に浮きが発生してしまう原因として、経年劣化の他にも「高圧洗浄が不十分」「下地処理が不十分」「下塗り材が不足している」などといった業者による施工不良が挙げられます。

ここでは、外壁が浮きを起こす原因について解説します。

浮きの原因①:経年劣化

塗料の種類によっても耐用年数は異なりますが、多くの住宅で使用されているシリコン塗料は10年前後で経年劣化が発生するといわれています。

以下は塗料ごとの耐用年数の目安です。

塗料の種類 耐用年数の目安
アクリル塗料 5〜8年
ウレタン塗料 7〜10年
シリコン塗料 10〜15年
ラジカル塗料 12〜15年
光触媒塗料 12〜20年
フッ素塗料 15〜20年
無機塗料 20〜25年

塗料の耐用年数は目安となり、環境や立地条件などによっても経年劣化が起きる時期が変動します。

しかし施工後2年から3年で発生した外壁塗装の浮きについては環境による劣化とは言い難く、業者の施工不良が疑われます。

浮きの原因②:高圧洗浄が不十分

外壁塗装を行う際は、必ず塗装前に高圧洗浄機で外壁の表面を洗浄します。

しかし高圧洗浄が不十分だと外壁表面に埃や汚れが残ったままになってしまい、塗膜が浮いてしまう原因となります。

浮きの原因③:下地処理(ケレン作業)が不十分

ケレン作業とは高圧洗浄の後に行う下地処理のことで、塗料との密着性を高めるために外壁の表面に細かい傷をつけたり、古い塗膜のさびを削る作業を行います。

こちらの作業も、高圧洗浄と同じく外壁塗装を行う上で必ず行わなくてはならない重要な作業とされています。この作業が十分に行われていないと外壁と塗料の密着性が低下してしまい、外壁塗装の浮きの原因となります。

ケレン作業の重要性については、以下の記事を参考にして下さい。

 

浮きの原因④:下塗り材の不足

外壁塗装では通常下塗り・中塗り・上塗りの3段階で塗装を行っていきます。

下塗り工程で使用する下塗り材は外壁と塗料の密着性を高める接着剤のような役割がありますが、この下塗り材が不足していると塗料の密着度が低くなり、外壁の浮きが発生する原因となります。

下塗り材の量については規定量がないため、職人が下地となる外壁の状況を確認しながら塗布量を判断し施工を行います。そのため、職人の判断ミスによって施工不良が発生しやすい工程ともいわれています。

浮きの原因⑤:塗料の乾燥時間

塗料にはそれぞれ塗料メーカーにより定められた乾燥時間があります。

この乾燥時間を守らず塗料が完全に乾燥しないまま次の工程に移ってしまうと塗膜を完全に作ることができず、施工不良の原因となります

また、高圧洗浄後の外壁の乾燥時間も塗料の乾燥時間と同じく重要です。

外壁がしっかり乾燥していないのに塗料を塗ってしまうと密着性が低下してしまい、施工不良の原因となります。

浮きの原因⑥:外壁材と塗料の相性

外壁材と塗料の相性も、外壁塗料の浮きの原因となる場合があります。

外壁にはモルタル・ 金属・サイディングなどさまざまな種類がありますが、それぞれの外壁材に相性が良い塗料があります。

例えば窯業系サイディングには弾性塗料が合わず、弾性塗料を使用した場合は数年後のひび割れや膨れの原因となってしまうのです。

このように、外壁材に合った塗料を選ばないとその後の施工不良へとつながってしまうため、 住宅の外壁材と相性が良い塗料を選択することがとても重要です

また、経験豊富な業者でないと外壁のサイディング材を見誤ってしまう可能性もあるため、依頼を行う際は経験豊富な業者に依頼を行うと良いでしょう。

浮きの原因⑦:外壁内部への水分の侵入

外壁内部に雨水などの水分が侵入すると日光の熱によって水分が温められ、水蒸気が発生します。その水蒸気が塗膜を持ち上げてしまうことで、外壁の浮きが発生します。

外壁と塗膜の間に水分が入り込む原因として、塗装した際の気象条件や外壁のひび割れや反り、サイディング同士を繋いで繋いでいるシーリング材(コーキング材)の劣化が挙げられます。

浮きの原因⑧:凍害

凍害で内部に侵入した水分が凍ってしまうと内側からサイディングを破壊してしまい、外壁塗装の浮きが生じる可能性があります。

外壁塗装の浮きを放置するとどうなる?

白と黒の外壁

外壁塗装に浮きが発生したまま放置してしまうと塗膜による保護機能が低下し、外壁にさまざまなダメージが起きてしまいます。

この章では、外壁塗装に発生した浮きを放置することで起きるさまざまなトラブルについて紹介します。

外壁に対する保護機能が低下する

塗膜に浮きが発生すると雨水が外壁内部に侵入しやすくなり、浮きが更に広範囲に広がることで外壁に対する保護機能が低下します。

また、浮いた塗膜は非常に破れやすいため、触れただけで剥がれを起こすこともあります。

美観が悪くなる

塗膜が浮きを起こすと見た目が悪くなり、美観が損なわれてしまいます。美観の維持という観点からも、浮きを放置せずに補修した方が良いといえます。

保証を受けられなくなる

塗装業者によっては保証やアフターサービスを行っている業者もありますが、使用した塗料の耐用年数以下で浮きが起きた時は、早い時期であれば保証内で直せる可能性があります。

しかし年月が経過してしまうと施工不良とは認めてもらえず、施主負担での補修となることがあります。このようなことからも、浮きを発見した際はすぐに施工業者に連絡を取るようにしましょう。

外壁塗装直後に起きた浮きの補修費用・補修の流れ

外壁塗装を行ったすぐ後に浮きが発生した場合は、通常は再塗装により補修を行います。

この章では浮きの補修にかかる費用や補修の流れについて紹介します。

浮きの補修にかかる費用

施工した業者による保証が適用となる場合は、無償で再塗装による補修を受けることが可能です。

業者が取り扱っている保証のほかにも、リフォーム瑕疵保険などが使えるケースもあります。

しかし保証期間を過ぎていたり何かしらの理由で保証を受けることができない場合は、実費で補修を行う必要があります

補修にかかる費用は浮きの状態によっても異なるため算出することができず、外壁の状態や劣化の状態によっても変動します。

補修の流れ

補修工事を行う際は、まず古い塗膜の除去作業から行います。

ヘラ・研磨紙を使用してサビや塗膜の浮きを除去した後に、表面上に汚れがたまっていないか、浮いてる部分は全て落とせたかというのを念入りに確認します。その後、外壁に模様が施されている場合はパターン調整と呼ばれる›凹凸模様を表面につけるための作業を行なっていきます。

下塗り材を塗布してしっかりと乾燥させた後、中塗り・上塗りを行い補修が完了です。

外壁塗装に浮きが起きた時の相談先

外壁に浮きが発生した際は、塗装を施した施工業者に必ず連絡をする必要があります。

業者が対応してくれない場合は第三者保証・第三者機関などに相談をするようにして下さい。ここでは、それぞれの連絡先についての注意点を紹介します。

外壁塗装を施工した塗装業者

施工を行ってから2年から3年ほどで浮きが発生した場合は、塗装業者による施工不良が原因となっている可能性が高いです。

もしも施工不良が認められた場合は保証やアフターフォローサービスを利用して補修できる可能性があるため、まずははじめに施工業者に連絡をしてみましょう。

適用される条件は業者ごとに異なるため、こちらも事前にしっかりと確認しておくようにして下さい。

第三者保証

第三者保証とは、施工業者とは別の第三者が取り扱っている保証です。

具体的にはリフォーム瑕疵保険などが挙げられ、施工業者がこの保険に加入している場合は条件に当てはまる場合に限り保険で再塗装を行うことができます。

また、施工業者が万が一倒産してしまった場合にもこちらの保険が適用される可能性があります

第三者機関

施工不良が疑われるにも関わらず業者がしっかりと対応してくれない場合には、第三者機関に相談を行うようにしてください。

第三者機関は客観的に状況を把握することができるため、落ち着いて解決策を導き出すことができます。

浮きはDIYで補修可能?

塗料

外壁塗装に浮きがある場合、DIYで補修ができるのではないかと考える方も多いと思います。

しかし外壁塗装の浮きは見かけよりも大きな施工不良が隠れている場合もありますので、あまりむやみにDIYで補修を行うことはおすすめできません。

すでに雨漏りが進行していて外壁材自体が大きく痛んでいる場合は、必ず専門業者に補修を行う必要があります。

いずれにせよ今外壁がどんな状態なのか、ダメージはどれくらいなのかという判断は素人では完璧に行うことができないため、必ず専門業者に状態を見てもらうようにしましょう。

まとめ

外壁塗装の浮きの原因や対処法、また実際に浮きが発生していた場合に連絡するべき情報機関について紹介しました。

この記事でも述べた通り、外壁塗装の浮きは放置しておくと建物自体に大きなダメージを及ぼしてしまう可能性があります。外壁の表面に凹凸やダメージが見受けられた場合は、必ず専門業者に連絡をして修復を行うようにしましょう。

また、 このようなダメージが起きることのないよう業者選びは慎重に行い、万が一トラブルが発生した場合に備えて保証や保険に加入している優良業者を選ぶことが大切です。

事前にトラブルが発生することのないよう十分に注意をしながら業者選びを行うようにしてください。また、外壁の浮きを発見した場合は触れたりせずに速やかに施工業者に連絡を行うようにしましょう。

この記事のライター:外壁エージェント編集部
こんにちは、外壁塗装エージェント編集部です。「安心の外壁塗装」をコンセプトに、外壁塗装をトータルでサポートする外壁塗装エージェント。コラムでは、何を基準に業者を選べばよいかわからない、外壁塗装の注意するべきポイントが知りたいなど、外壁塗装にまつわる皆さまのさまざまな疑問にお答えします。外壁塗装アドバイザーによる有益で信頼できる情報をお届けしますのでぜひ参考にしてください。

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