タイルに外壁塗装は必要?おすすめ防水塗装・クリア塗装やメンテナンスについて解説

通常、住宅の外壁がタイルによって作られている場合は外壁塗装を行うことはありません。しかし美観を保つ目的や目地などを保護する目的で仕上げに防水塗装・クリア塗装を行うことがあります。

また、タイルはメンテナンスフリーとも言われている素材ですが、実際には他の外壁材と同じように10年に1度ほどのペースでメンテナンスを行うことが望ましいといわれています。

そこで今回は、外壁タイルにおすすめの防水塗装やクリア塗装、外壁タイルのメンテナンス方法・費用について詳しく解説します。

外壁タイルの防水塗装やクリア塗装を検討されている方、外壁タイルのメンテナンスについてお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

タイルへの外壁塗装は必ずしも必要ではない

タイルの壁

タイルへの外壁塗装は必ずしも必要ではありません。

タイルは外壁塗装を行わなくても、十分に耐久性を発揮することができます。しかし美観を保ちたい場合は防水塗装やクリア塗装を行うこともあります。

この章では、防水塗装とクリア塗装にはどのような効果があるのか、またタイルへの外壁塗装にかかる費用相場や注意点などについて詳しく解説します。

美観を保ちたい場合は防水塗装やクリア塗装がおすすめ

基本的にタイルへの外壁塗装は必要ありませんが、タイルは無機質素材で作られているため、経年劣化により色褪せが発生します。

そのため、美観キープしたい方や劣化が気になる方はタイルに防水塗装やクリア塗装を行うと良いでしょう。

タイルに防水塗装やクリア塗装を行うことにより、タイル本体や目次を経年劣化から保護することができます。どちらの塗装の場合も色は無色透明の塗料を使うため、タイルのデザインを損なわせることはありません。

また、クリア塗装は艶出しが目的で行うこともあります。タイルに艶を出したい方にはクリア塗装がおすすめです。

クリア塗装については、以下の記事を参考にして下さい。

 

タイルを外壁塗装する場合の費用相場

タイルへ外壁塗装をする場合の相場は以下の通りです。

防水塗装:5,000〜12,000円/㎡
クリア塗装(シリコン塗料の場合):2,000〜5,000円/㎡

また、外壁塗装の費用相場は塗料の種類によって大きく変動します。各塗料ごとの費用相場は以下になります。

塗料の種類 工事費用の相場(㎡)
アクリル塗料 1,000〜1,800円
ウレタン塗料 1,500〜2,500円
シリコン塗料 1,800〜2,500円
ラジカル塗料 2,200〜4,000円
光触媒塗料 3,800〜5,500円
フッ素塗料 3,500〜5,000円
無機塗料 4,500〜5,000円

塗料の種類によりメリットやデメリット、耐用年数に違いがあるため、塗料を選ぶ際は建物の周辺環境やニーズに応じて慎重に選ぶことが大切です。

塗料の選び方や各塗料の特徴については、以下の記事を参考にして下さい。

 

タイルを外壁塗装する際の注意点

塗料

外壁タイルを塗装する際には、いくつかの注意点に気をつけることが重要です。塗装の際の注意点をいくつかご紹介します。

■必ずタイル用の塗料を選ぶ

外壁塗装で使用する塗料には、それぞれ適用下地というものが定められています。

それぞれの塗料の適用下地はカタログに記載されています。塗料を選ぶ際は必ず適用下地の項目にタイルが掲載されているか確認し、タイルへの塗装が可能な塗料を選ぶようにして下さい。

■クリア塗料を選ぶ

タイル塗装を行う際は、色付きの塗料ではなくクリア塗料を選ぶようにしましょう。

色付け塗料の場合は劣化や色褪せが目立ちやすくなるので、逆効果になってしまう恐れがあります。

■DIYはしない方が良い

タイル外壁塗装を行う際は、DIYではなく必ず専門業者に依頼をするようにしましょう。

DIYで外壁塗装を行うと適切な塗料選びを誤ってしまったり、仕上がりが悪くなり耐久性が低下する可能性があります。

外壁塗装は一見DIYでも出来るのではないかと思われがちですが、実際に外壁を綺麗に仕上げるには職人による高度な技術を必要とするため、知識や経験が十分にあるベテランの専門業者に依頼をしましょう。

外壁タイルは10年に1度のメンテナンスが必要

外壁の点検

外壁タイルはメンテナンスフリーで手間がかからないと耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

実際にはメンテナンスフリーといわれている部分はタイルのことであり、タイル同士を繋いでいるコーキングや下地などの寿命は10年前後といわれています。

そのため、外壁材にタイルを選択した場合であっても10年前後を目安に定期的なメンテナンスを行う必要があります。

外壁タイル全体をメンテナンスフリーと誤解してしまいメンテナンスを怠ることにより外壁タイルの劣化事故やトラブルも起きているため、外壁タイル=メンテナンスフリー・メンテナンス不要ではないことを理解しておくことが大切です。

外壁タイルがメンテナンスフリーとされる理由とは?

タイルの壁

外壁タイルがメンテナンスフリーとされる理由は「耐候性が高い」「傷がつきにくい」「吸水性がない」の3つが主な理由とされています。

この章では、それぞれの理由について詳しく解説します。

外壁タイルは無機質であるため耐候性が高い

住宅で使用されている外壁材には、無機質のものと有機質のものが存在しています。

外壁タイルの場合は砂や砂利などの無機質素材で作られていることから耐候性に優れ、紫外線の影響を受けにくく劣化がしにくいのが特徴です。

傷つきにくい

外壁タイルは電動ドリルを使用しても穴を開けることができないほど耐傷性が高く、砂やほこりによる傷などもほとんど付くことがありません。

そのため、外的要因による破損や劣化が生じることなく、外壁の張り替えや塗装などのメンテナンス頻度を少なくすることができるのです。

外壁タイルには吸水性がない

外壁タイルに使用される素材は、JIS規格でも高い吸水性が証明されています。

主に使用する素材はⅠ類もしくはⅡ類ですが、その吸水性は3〜10%以下と低く、雨漏りリスクなどをほとんど懸念する必要がありません。

そのため、一般的な外壁材よりも耐用年数が高くメンテナンスフリーといわれています。

外壁タイルの劣化を見逃してしまうと住宅全体に悪影響を及ぼす

外壁タイルそのものはメンテナンスフリーといわれるほど耐用年数が高いのですが、下地や目地は他の外壁材と同様、10年に一度ほどの周期でメンテナンスを行わなくてはなりません。

メンテナンスを怠ることで目地のひび割れやタイルの浮きが生じてしまい、雨漏りや住宅の劣化へと繋がってしまいます。

一度雨漏りが起きてしまうと外壁を丸ごと交換しなくてはならなくなるケースもあるため、建物に深刻なダメージが起きる前に定期的なメンテナンスを心がけましょう。

外壁タイルに起きる劣化症状とは

ブラウンなどの同系色でまとめた外壁

外壁タイルの施工方法は湿式と乾式の2通りがあります。

湿式:昔から用いられている工法で、モルタル下地にタイルを貼り付けていく方法
乾式:モルタルを一切使用せず、下地に弾性接着剤を用いてタイルを貼り付けていく工法

現在は目地やタイルの割れ・剥がれが起きにくいとされる乾式が主流となっており、多くの住宅で乾式が採用されています。

では、実際に外壁タイルに起きてしまう劣化症状にはどのようなものがあるのでしょうか。

一つずつ詳しくみていきましょう。

モルタルの目地や下地の劣化‌

湿式工法で施工されたタイルは、モルタルの目地や下地が劣化を起こすとひび割れを起こし雨漏りが起きることがあります。

しかし湿式工法で貼られたタイルの場合は雨漏りを初期で気付くことはあまりなく、症状がひどくなってから劣化に気付くことが多いようです。

そのため、モルタルの目地や下地が痛んでいないかを定期的に点検する必要があります。

目地コーキングの劣化

タイル外壁に欠かせない目地コーキングも、時間が経つとともに経年劣化していく部分です。

そもそもコーキングとはタイル間の隙間やサッシ部分に詰められているゴムのような素材をしたもので、地震などによる揺れを吸収する役割を持っています。

このコーキング部分が硬くなって割れたりヒビが入ってしまうとコーキング本来の役割を果たすことができなくなり、雨漏りの原因や建物全体のダメージにつながることもあります。そのため、コーキングの定期点検や補修を行う必要があります。

外壁タイルの浮きや剥がれ

外壁タイルは基本的に耐久性が高いことが特徴ですが、環境や立地条件によってはタイルの浮きや剥がれが発生することがあります。

また、場合によっては施工不良などにより新築後数年でこのような症状が発生することもあります。

早期の場合は施工業者がし補修をしてくれることもあるため、もしもタイルの浮きや剥がれを見つけた場合は早めに施工業者に連絡をするようにして下さい。

外壁タイルの補修方法

高圧洗浄

外壁タイルの補修方法には「高圧洗浄・バイオ洗浄」「モルタル補修」「コーキングの打ち替え・増し打ち」「タイルの張り替え」などさまざまな方法があります。

この章では、それぞれの外壁の状況に合わせた補修方法を紹介します。

高圧洗浄・バイオ洗浄

外壁タイルの表面にカビやコケなどが発生している場合は、高圧洗浄やバイオ洗浄などで表面の汚れを落とすことができます。ここでは、それぞれの洗浄方法について詳しく解説します。

■高圧洗浄

高圧洗浄は、高圧洗浄機という道具を使用して水圧で外壁の汚れを落としていく方法です。

施工単価は200〜300円/㎡ほどとされており、水道水と道具さえあれば洗浄を行うことが可能です。

■バイオ洗浄

バイオ洗浄は、高圧洗浄で洗浄しきれなかった汚れを根本から落とす方法です。

施工単価は250400/ほどで、高圧洗浄よりも建物自体にかかる負担を軽減することができるのが特徴です。また、自然由来の成分で分解洗浄を行うため人体への影響が少なく、環境にも優しい洗浄方法といえるでしょう。

使用している洗浄剤は施工会社ごとに異なる可能性があるため、事前に使用する洗浄剤の成分やメーカーなどを調べておくとより安心です。

モルタルの補修

モルタルの目地・下地が傷んでいる場合やタイルが浮いてしまったり剥がれてきている場合は、モルタルの補修を行う必要があります。

モルタルの補修にかかる施工単価は4,0007,250/ほどとされており、エポキシ樹脂を重鎮することでモルタルの目地や下地に発生した割れ目やひび割れを塞いでいくのが一連の流れです。

劣化症状が進んでいる場合は、さらにモルタルを追加したり塗装工事を行うこともあります。

コーキングの打ち替え・増し打ち

コーキングの注入作業

コーキング部分のヒビや劣化に対する補修方法は、コーキングの打ち替えや打ち増しによる補修で対応します。

コーキング材にはシリコン系・アクリル系・ポリウレタン系などさまざまな種類がありますが、どのコーキング材を使用するのかはコーキングの状態やニーズによって異なります。

また、コーキング材の種類によって価格も大きく異なるため、コーキング材は業者としっかり相談をして決めるようにしましょう。

コーキングの打ち替え・増し打ちについて詳しく解説します。

■コーキングの打ち替え

コーキングの打ち替えは、現存のコーキング材を全て撤去した上で新しくコーキング材を打つ方法です。

施工単価は9001,200/mほどで、コーキング自体が劣化している場合は基本的に打ち替えを勧められるケースが多いようです。

打ち替えではコーキング材の耐久性や防水性を一新させることができるため、耐久性を重視する方は打ち替えを選ぶと良いでしょう。

■コーキングの増し打ち

コーキングの増し打ちは、現存のコーキング材の上に新しくコーキング材を充填する方法です。

施工単価は500900/mと打ち替えよりも安く抑えることができますが、耐久年数は打ち替えと比較すると格段に落ちてしまうため、またすぐにメンテナンスを行わなくてはなりません。

いきなりの補修工事で予算の都合がつかない場合やコーキング部分だけを早急に治したいと言った応急処置を希望される場合に採用されることが多いようです。

タイルの部分張り替え・全体交換

外壁タイルに欠けや割れ、ヒビが発生している場合は、タイル部分の張り替えや全面張り替えが必要です。

また、タイルが剥がれ落ちている場合は劣化が進行している可能性があるため、放置せずに早急に補修を行うようにしましょう。

部分張り替え・全体交換を行う場合の費用相場は以下の通りです。

■部分的な張り替え

タイルの部分張り替えにかかる費用は5001,000/枚が相場とされています。

基本的にはタイルが浮いていたり破損している箇所のみを張り替えるため、そこまで費用は高額にはなりません。

しかし場合によっては広範囲にわたりタイルを剥がした後に下地の補強を行う場合もあります。

また、必ずしも同じメーカー・デザインのタイルが用意できないこともあるため、その場合はできる限りデザインや色味が近いもので雰囲気を合わせていきます。

■外壁タイル全体の張り替え

現存のタイル全体に劣化や異常がない限りは基本的に全体の張り替えを行うことはありませんが、外壁タイル全体の張り替えを行った場合にかかる費用は10,00050,000/ほどとされています。

外壁タイルの部分張り替えと全体張り替えでは費用面でも大きな差が生まれるため、専門業者としっかり話し合いを重ねて適切な補修方法を選びましょう。

まとめ

外壁タイルのメンテナンスの必要性や費用相場、外壁タイルの補修方法などについて詳しく紹介しました。

タイルに防水塗装やクリア塗装を施すことで、タイルのデザインや質感をそのまま残しながら綺麗な状態を保ち続けることができます。

また、タイル周りのメンテナンスは10年に一度ほどの周期で行わなくてはならないことを心得ておきましょう。

この記事のライター:外壁エージェント編集部
こんにちは、外壁塗装エージェント編集部です。「安心の外壁塗装」をコンセプトに、外壁塗装をトータルでサポートする外壁塗装エージェント。コラムでは、何を基準に業者を選べばよいかわからない、外壁塗装の注意するべきポイントが知りたいなど、外壁塗装にまつわる皆さまのさまざまな疑問にお答えします。外壁塗装アドバイザーによる有益で信頼できる情報をお届けしますのでぜひ参考にしてください。

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