10種類の屋根材を徹底比較!選び方・価格・耐用年数をプロが解説!
屋根は常に紫外線や風雨に晒されており、建物の中でも最も過酷な条件の中にあるといえます。
そのためマイホームを新築する時やリフォームで屋根を葺き替える時には、使用する屋根材を慎重に選ぶことが大切です。
一方、屋根材にはさまざまな種類があって、それぞれにメリットとデメリットが存在しています。
そこで今回の記事では、屋根材の種類や特徴、価格、耐用年数、メンテナンスのしやすさなどといった屋根材を選ぶ際に注意するポイントについて詳しく紹介します。
10種類の屋根材の主な特徴やメリット・デメリット
屋根材には大きく分けると陶器瓦、セメント瓦、スレート瓦、金属系の4つがあり、それぞれにはいくつかの種類があります。
そこでこの章では屋根材を10種類に分けて、屋根材ごとの特徴やメリット・デメリット、価格、耐用年数などを詳しく解説していきたいと思います。
化粧スレート
化粧スレートはカラーベスト、コロニアルなどといった商品名で呼ばれることが多く、セメント成分に繊維質の材料を混ぜて薄く加工した後に着色塗装したものです。
価格が安価でデザインやカラーバリエーションが豊富なため、現在の国内の住宅の屋根材として最も多く使われています。
メリット |
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デメリット |
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耐用年数 | 約20~25年 |
工事価格 | 4,500~8,000円/㎡(材工) |
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天然スレート
天然スレートとは、天然の岩石である粘板岩を使用した屋根材のことをいいます。岩石そのものが何万年もの年月を経過したものなので、割れない限り長寿命な屋根材といえます。
メリット |
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デメリット |
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耐用年数 | 30年以上 |
工事価格 | 10,000~30,000円/㎡(材工) |
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日本瓦(和瓦)
日本瓦(和瓦)とは粘土を使った焼き物の屋根材で、粘土瓦とも呼ばれています。
仕上げ方によって釉薬瓦、いぶし瓦、無釉薬瓦などがあり、耐久性が高く、他の屋根材よりも重くて厚みがあるため、遮音性、断熱性、耐熱性に優れています。
以前は国内の多くの家屋の屋根に使用されていましたが、近年は使用頻度が減少しています。
比較的高価なので、費用を惜しまずに耐久性を重視したい方にオススメの屋根材といえます。
メリット |
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デメリット |
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耐用年数 | 約50~100年 |
工事価格 | 8,000~12,000円/㎡(材工) |
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セメント・コンクリート瓦
セメントやコンクリートと砂を使って成型した瓦のことをセメント・コンクリート瓦といい、ほぼ同じ形に仕上がり焼きムラがないため、商品によるバラツキが少ないのが特徴です。
ただし吸水性が高いセメントやコンクリートを主原料としている分、塗装によるメンテナンスが不可欠になります。
一時期(1970~1980年代)コンクリートでできた洋風の瓦のことを「モニエル瓦」と呼び、洋風住宅に多く採用されていましたが、近年ではあまり使用されていません。
メリット |
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デメリット |
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耐用年数 | 約30~40年 |
工事価格 | 6,000~8,000円/㎡(材工) |
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トタン
トタン屋根は日本に古くからある屋根材のひとつで、亜鉛で鉄をメッキ加工した鋼板のことをいいます。
日本瓦よりも安価で施工期間も短いため、戦後から広く全国に普及しました。サビやすいため現在ではあまり目にしなくなりましたが、東北や北海道などの積雪の多い地域では現在でも使用されています。
メリット |
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デメリット |
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耐用年数 | 約10~20年 |
工事価格 | 5,000~6,000円/㎡(材工) |
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ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、「亜鉛」と「アルミニウム」と「シリコン」を組み合わせた合金でメッキを施した薄い鉄板(鋼板)のことをいい、従来のトタンの最大のデメリットであった錆びやすさが大きく解消し耐久性が格段に向上しています。
金属系の屋根材の中では最も人気が高く、近年では多くの住宅の屋根材として採用されています。
屋根の葺き替え工事を機に、トタン屋根からガルバリウム鋼板に屋根を変える方も多いようです。
メリット |
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デメリット |
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耐用年数 | 約30~40年(塩害地域は除く) |
工事価格 | 6,000~9,000円/㎡(材工) |
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ジンカリウム鋼板(自然石粒付ガルバリウム)
ジンカリウム鋼板はガルバリウム鋼板の表面に細かな石粒を吹き付けたもので、紫外線で劣化しない鉱物などの細かな粒を吹き付けることで耐久性を向上させています。
メリット |
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デメリット |
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耐用年数 | 約40~50年 |
工事価格 | 7,000~12,000円/㎡(材工) |
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アスファルトシングル
アスファルトシングルは、不燃布やガラス繊維であるグラスファイバーにアスファルトを塗布した後に表面に細かな石粒(砂)などを施して、アクリル樹脂で固めたものです。
欧米では昔から使用されていた屋根材ですが、日本では比較的新しい屋根材のひとつです。
メリット |
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デメリット |
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耐用年数 | 約20~30年 |
工事価格 | 6,000~8,000円/㎡(材工) |
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銅板
銅板は厚みによって耐用年数に差があり、一般的に屋根には0.4mm厚以上のものを使用します。
以前は100年近くもつと言われていましたが、近年は酸性雨の影響で銅板に穴があいてしまう事例が時々見られます。
高価なのでお寺などの屋根に使用することが多く、住宅の場合には玄関部分の屋根などに部分的に使用されることが多いようです。
また、新築時には新しい10円玉の様な色ですが次第に緑色に変化していきます。
メリット |
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デメリット |
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耐用年数 | 60年以上 |
工事価格 | 18,000~20,000円/㎡(材工) |
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陶板
屋根材としての陶板とは日本瓦と同様の素材を軽量化したもので、建物の耐荷重の理由などで重い瓦を使用することができない場合に使用します。
メリット |
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デメリット |
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耐用年数 | 50年以上 |
工事価格 | 16,000円/㎡~(材工) |
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屋根材の種類別比較表
前章で紹介した屋根材の種類ごとの耐用年数と工事価格を表にまとめると次のようになります。
屋根材の種類 | 耐用年数 | 工事価格(材工) |
化粧スレート | 20~25年 | 4,500~8,000円/㎡ |
天然スレート | 30年以上 | 10,000~30,000円/㎡ |
日本瓦(和瓦) | 50~100年 | 8,000~12,000円/㎡ |
セメント・コンクリート瓦 | 30~40年 | 6,000~8,000円/㎡ |
トタン | 10~20年 | 5,000~6,000円/㎡ |
ガルバリウム鋼板 | 30~40年 | 6,000~9,000円/㎡ |
ジンカリウム鋼板 | 40~50年 | 7,000~12,000円/㎡ |
アスファルトシングル | 20~30年 | 6,000~8,000円/㎡ |
銅板 | 60年以上 | 18,000~20,000円/㎡ |
陶板 | 50年以上 | 16,000円/㎡~ |
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屋根材を選ぶ時のポイント
屋根材は種類によって大きな価格差がある一方で、耐用年数も異なります。
そのため屋根材を選定する際には、価格と耐用年数、デザイン、機能などを良く比較して検討することが大切です。
何を重視するのかによって選ぶべき屋根材が異なるので、この章では屋根材を選定するポイントについてご紹介します。
安い屋根材は「化粧スレート」か「アスファルトシングル」
何よりも価格の安さを優先したいのであれば、「化粧スレート」か「アスファルトシングル」がおすすめです。
どちらも比較的軽量な屋根材なので建物の構造体に負担をかけず、地震の際にも安心です。
また化粧スレートは、近年の国内の住宅で最も普及している屋根材なので、数多くの施工業者がいるのもメリットといえます。
トタンも安価で軽量な屋根材ですが、耐久性の面で不安があり、建築後のメンテナンスコストがかかってしまいがちです。
耐用年数が長い屋根材は「銅板」か「日本瓦」
最も耐用年数を重視するのであれば、「日本瓦(和瓦)」か「銅板」を選ぶとよいでしょう。
しかし銅板は高価すぎるため、一般的な住宅にはあまり使われていません。
コストパフォーマンスを重視するのであれば、日本瓦が最適といえるでしょう。
しかし日本瓦は重量があるので、建物の耐震性能を確保するために構造的な補強が必要になってしまうことがあります。
デザイン性が高いのは「アスファルトシングル」「日本瓦」「陶器瓦」
屋根材の種類によって建物の外観が大きく変わります。
したがってデザインを重視して屋根材を選ぶ際には注意が必要です。
純和風住宅であれば「日本瓦(和瓦)」が、洋風住宅であれば「アスファルトシングル」や洋風の「陶器瓦、粘土瓦」などが最適といえます。
耐震性が高いのは「ガルバリウム鋼板」「アスファルトシングル」
同じ構造躯体であれば、屋根の重さが軽いほど耐震性が高くなります。
軽量な屋根材には、「トタン」、「ガルバリウム鋼板」などの金属屋根や、「アスファルトシングル」があり、これらは屋根のカバー工法(重ね葺き)のリフォームでも良く使われています。
しかしトタンは耐久性に難があるので、「ガルバリウム鋼板」と「アスファルトシングル」がお奨めです。
まとめ:目的に合わせた屋根材選びをしよう!
屋根材には多くの種類があり、それぞれに特徴があります。
したがって屋根材を選ぶ際には、価格やデザイン性、耐用年数、機能などを十分に考慮した上で、何を優先したいのかを明確にしておくことが大切です。
本記事の内容を参考にして、自分の要望に最適な屋根材を選んでください。
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