雨漏りをコーキングで応急処置する方法!手順、用意するもの、注意点
ある日突然家の中に雨漏りが発生した場合、「コーキング材を使って自分で修理できないか?」と考える方が少なくないのではないでしょうか。
雨水の侵入口がわかっている場合であれば自分で修理することも可能ですが、やり方を間違えてしまうと雨水の出口まで塞いでしまって、逆に雨漏りが酷くなってしまうケースがあります。
そこで本記事では、コーキング材を使って自分で雨漏り修理が可能かどうかの判断基準や、コーキング材を使った雨漏りの補修方法・手順・注意点などについて紹介します。
目次
コーキングで直せる雨漏りかどうかチェック!
コーキングによる雨漏り補修が可能な場所には、外壁やサッシ廻り、バルコニー、屋根などがあります。
しかし屋根からの雨漏り修理の場合には高所での作業になるため、DIYによる補修はおすすめできません。転落により重大な事故に繋がる恐れがあるからです。
またコーキングを行う場所によっては雨水の排水経路を塞いでしまう可能性があり、余計に雨漏りが酷くなってしまうことがあります。
したがって本記事では、屋根からの雨漏り補修の方法については取り上げていませんのでご了承下さい。
屋根から雨漏りしている場合には、業者に修理を依頼するようにしましょう。
外壁のコーキング材の劣化やひび割れによる雨漏り
外壁からの雨漏りは、外壁サイディングボードの継ぎ目部分のコーキング材の劣化や、配管・配線の外壁貫通部の隙間などが原因になっていることが多いようです。
また、外壁に雨水の侵入口となるようなひび割れが発生しているケースもあります。
コーキングの寿命は使用されているコーキングの種類によって異なりますが、一般的には10年前後となります。それを過ぎると次第に弾力性を失ってひび割れや剥がれが生じやすくなります。
またモルタル外壁などでは表面の塗膜が劣化して塗膜の防水効果が低くなると、モルタルが吸水して乾燥収縮を繰り返すことでひび割れが発生します。
その他では、地震や振動などが原因でひび割れが発生することがあります。
このような理由からコーキングが劣化を起こすと、雨漏りが発生する可能性が高くなります。
雨漏りが疑われる部分にコーキング材を充填することは非常に有効ですが、DIYでのコーキングによる補修はあくまでも応急処置として考えておいた方が良いでしょう。
窓枠・サッシ周りコーキング剤の劣化による雨漏り
経年劣化により窓枠やサッシ廻りのコーキングにひび割れや剥がれなどが発生することがあります。
この場合もコーキング材を充填することで一時的に雨漏りを防ぐことができますが、ほかのサッシ周りのコーキングも同じように劣化していることが考えられます。
その場合は全体的なコーキングの増し打ちや打ち替えが必要になります。
また、地上から施工できない高所にある窓や天窓については、決して無理をせずに必ず業者に修理を依頼するようにして下さい。
コーキング材を使って雨漏り補修をする方法と手順
この章ではコーキング材を充填して自分で雨漏り修理を行う方法と手順について順を追って紹介します。
➀雨漏り箇所の特定
雨漏りを修理するためには、まず雨水の侵入箇所を特定しなければなりません。
雨水の侵入口になる可能性があるのは、以下の様な箇所が考えられます。
コーキングの割れ
外壁サイディング目地に充填されているコーキング材が劣化してひび割れが発生していると、そこから雨水が侵入してしまうことがあります。
コーキングの剥がれ
外壁サイディング目地やサッシ廻りのコーキングが劣化して剥がれていると、雨漏りの原因になることがあります。
ひび割れ
モルタル外壁では、乾燥収縮や地震などの影響でひび割れが発生することがあり、これらが雨漏りの原因になります。
ひび割れが軽微な場合は、シーリング材を充填することで補修が可能です。
ただし幅が大きなひび割れの場合には、専門業者によるUカットシール材充填工法などを利用した補修が必要になります。
欠け
外壁に小さな欠けがある場合には、コーキングで補修することができます。
大きな欠けの場合はコーキングだけでは補修できないことが多いので、業者に修理依頼するようにしましょう。
➁雨漏りの補修に必要な材料や道具等の準備
自分でコーキング補修を行うためには、まずは必要な道具や資材を揃えなければなりません。
雨漏りのコーキング補修に必要な道具には次のようなものがあり、ホームセンターや通販などで入手することができます。
道具の種類 | 特徴 | 価格相場 |
コーキング材
(カートリッジ入り) |
用途に応じて様々な種類があるので、補修する場所に合わせたものを使用します | 500~1,000円 |
コーキングガン | 容器に入ったコーキング材を押し出すための道具です | 500~2,000円 |
プライマー | コーキング材の付着力を高めるために使用します | 500~700円/缶
※100g入り |
マスキングテープ | 汚れを付けたくない場所に使用してコーキング材が付着するのを防ぎます | 200~300円 |
ヘラ | コーキング材を平らに均すために使用します | 500~1,000円/セット |
ハケ | プライマーを塗るために使用します | 250~350円 |
手袋 | 作業で手に汚れが付かない様にします | 200円程度 |
※横にスクロールしてください。
➂雨漏り箇所の補修
雨漏り箇所のコーキング補修方法について順を追って説明します。
1-1古いコーキング剤の除去を行う
カッターナイフなどを使用して古いコーキング材を削りとるように全て撤去します。
古いコーキングが残っていると完全に修理することができないので注意が必要です。
1-2マスキングテープで保護を行う
コーキング材がはみ出して汚れてしまうのを防ぐため、マスキングテープを使って外壁材やサッシを保護(養生)します。
1-3コーキング材の充填
事前にプライマーを塗り、プライマーが乾いたらシーリング材を充填します。
なるべく均一に充填するようにします。
1-4仕上げ
コーキングの表面が平滑になるようにヘラで均します。
最後にマスキングテープを剥がして完了になります。
コーキングによる雨漏り補修を行う際の注意点
この章ではコーキングで雨漏り補修を行う際の注意点を紹介します。
コーキング補修はあくまでも応急処置であり、その後にきちんと雨漏りの原因を明確にして、専門業者による補修工事を行うことが大切です。
コーキング補修はあくまでも応急処置である
雨漏り修理はプロが行っても難しい作業のひとつで、本格的な修理を行うためには過去の経験や専門知識をもとに散水調査などを行って、しっかりと雨水の侵入口を特定した上で必要な修理を行うことが大切です。
雨水の侵入口が特定できないまま補修を行った場合には、いったんは雨漏りが止まったように見えても、しばらくすると再発してしまうケースが数多くあります。
そのため素人が自分で完全に雨漏りを止めるのは非常に困難だと思って間違いありません。
したがってDIYでコーキング補修を行うのは「業者に修理してもらう前に自分で早めに応急処置しておきたい」「すぐに補修費用を用意するのが難しい」などの理由がある場合に限った方が良いでしょう。
雨漏りには重大な住宅の劣化が隠されている可能性も
雨漏りは建物にとって非常に深刻な事態のひとつです。
雨漏りを長い間放置しておくと、構造躯体の腐食やシロアリの繁殖などの原因
になって、やがて大掛かりな補修工事が必要になってしまう恐れがあります。
したがって、できるだけ早い段階で専門業者に調査と本格的な修理を依頼することが大切です。
必要な調査を行って雨水の侵入口を突き止めると共に、雨水の侵入経路を明確にして、構造躯体の健全度などをきちんと確認しておく必要があります。
雨漏りに気付いたら業者による早めの雨漏り調査を
本格的に雨漏りを修理するためには、まずは雨漏りの原因を突き止めて雨水の侵入箇所を特定しなければなりません。
雨漏りの原因箇所を突き止める調査には以下の調査があります。
調査方法 | 内容 | 費用相場 |
目視調査 | 目視で雨漏りの原因になりそうな箇所を洗い出す調査です。 | 無料~3万円程度 |
散水調査 | 目視調査で抽出した箇所に直接水をかけて、雨漏りを再現しようとする調査です | 3~5万円程度 |
発光液調査 | 雨漏りが疑われる箇所に発光液を流し込み、雨水の侵入箇所と侵入経路を特定する調査です。 | 10~20万円程度 |
赤外線サーモグラフィー調査 | 雨漏りして水が通った場所は温度が低くなるため、赤外線サーモグラフィーを使って雨漏りの原因箇所を特定する調査です。 | 20~30万円程度 |
※横にスクロールしてください。
※調査には他に足場や高所作業車が必要になる場合があり、その場合には別途費用がかかります。(最大20万円程度)
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
コーキング補修以外でできる雨漏りの応急処置
自分でできる雨漏りの応急処置には、コーキング補修以外の方法があります。
いずれもコーキング補修よりも簡単にできる方法なのでおススメです。
万一の雨漏りの際には是非お試しください。
ブルーシートで雨漏り箇所を覆う
外壁面やバルコニー、サッシ廻りからの雨漏りが疑われる場合には、外壁一面やバルコニー全体をブルーシートで覆ってしまう方法があります。
この方法であれば雨水の侵入箇所を特定することができなくても、一時的に雨水が室内に侵入するのを防ぐことができます。
ただしシートが風で煽られてしまうと隙間から雨水が侵入してしまうので、隙間がないようにしっかりと留めることが大切です。
防水テープによる補修を行う
雨水の侵入箇所が概ね想定できる場合には、防水テープを使って応急処置を行うのが有効です。雨水の侵入箇所と思われる部分に防水テープを貼り、雨水の建物内への侵入を防ぎます。
ただし濡れているところに貼ってもすぐに剥がれてしまうので、雨がやむのを待って乾燥してから貼るようにしましょう。
防水テープはホームセンターなどで購入することができます。
まとめ
雨漏りは構造躯体の腐食やシロアリの発生原因にもなるため、気が付いたら早めに対処することが重要になります。
そのため、コーキングを使って自分で応急処置をすることは非常に有効だといえます。
しかしそれで雨漏りが止まったからといって、そのまま放置しておくことは非常に危険です。
雨漏りが完全には止まっておらず、室内に雨水が侵入することはなくなったものの、天井裏や壁の内部には継続して雨漏りが発生している可能性もあるからです。
また、しばらくすると室内に雨漏りが再発してしまうことも良くあることです。
そのため一度雨漏りした場合にはできるだけ早めに専門の業者に依頼して、きちんと雨漏りの原因調査を行い、本格的に補修しておくことが大切です。
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