外壁塗装のおすすめ色分け方法|色選びの鉄則を解説
外壁塗装の色は建物の印象を大きく左右しますが、最近では外壁をツートンカラーや3色に色分けする方も増えています。
外壁塗装の際に塗料を2色以上用いて1階と2階部分の色分けをしたり建物の出っ張り部分のみ違う色にしたりする方法で、おしゃれな外壁にしたい方や個性的な外壁にしたい方に近年人気があります。
そこでこの記事では外壁塗装の際におすすめしたい色分けの事例や色分けをする際の注意点などを紹介します。
色選びで失敗しないポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
外壁塗装のおすすめの色分け方法
外壁塗装を行う際の色分け方法は、建物の1階と2階を上下で分けて塗る方法と建物の左右で色分けをして塗る方法や建物の出窓やベランダ、ドアのみを色分けして塗る方法があります。
それぞれの方法の事例を詳しく紹介します。
1階と2階の上下で色分け
建物の1階と2階の上下で色分けを行う場合、濃い色を1階部分にして塗装を行うのが一般的です。
その理由として、建物の下方に濃い色を入れることで建物全体を広く大きく見せる効果があることと、建物全体に重厚感のある印象を与えることができるということがあります。
選ぶ色によってはモードでスタイリッシュな雰囲気に見せたり、明るく爽やかな雰囲気に見せたりすることもでき、ツートンカラーの建物のデザインとしては一番人気があるのが上下での色分けといわれています。
左右で色分け
建物の左右で色分けを行うメリットは、建物をスタイリッシュに見せることができるという点にあります。
縦ラインで垂直に色分けをするため、メリハリをつけることができるのも大きなポイントです。
左右での色分けを行う際は、建物のサッシやベランダ、ドアの色などとの相性をよく見るようにすることが大切です。
出っ張り部分のみ色分け
あまり派手な色分けをしたくない方、建物に少しだけアクセントを持たせたい方におすすめなのが出っ張り部分のみの色分けです。
ベランダ・サッシ・ドア部分など、一部分のみを違う色にするだけで建物の印象を大きく変えることができます。
建物の一部分の色を変えることで建物に立体感が生まれ、狭小住宅を大きく見せることができる効果もあります。
立体感のある建物はおしゃれな雰囲気に仕上がるので、ベランダと色を合わせたり門扉と合わせたりするのがおすすめです。
外壁を色分けして塗装する際の色選びの鉄則
ここでは、外壁塗装を色分けする場合の色選びの方法を紹介します。
外壁塗装に使われている色にはそれぞれ色のイメージがあります。色選びの際は色から連想されるイメージから選ぶと良いでしょう。
以下は外壁塗装の色から連想される色のイメージになります。
外壁塗装の色 | 色のイメージ |
白 | 清潔・開放的な印象 |
ベージュ クリーム アイボリー |
明るい・柔らかな印象 |
ブラウン | 高級・柔らかな印象 |
グレー | 高級・シックな印象 |
黒 | スタイリッシュ・都会的な印象 |
ネイビー | 都会的・落ち着いた印象 |
グリーン | ナチュラル・落ち着いた印象 |
イエロー | 個性的・優しい印象 |
赤 | 個性的・ポジティブな印象 |
ブルー | 清潔・落ち着いた印象 |
ボルドー | 個性的・エレガントな印象 |
白は清潔感や開放的なイメージ、最近人気があるネイビーなどは都会的で落ち着いた印象を与えることができます。
また、差し色に使われている赤やブルーなどもそれぞれ個性的でポジティブな印象を演出することが可能です。
色選びの際の注意点を詳しく紹介します。
色分けの色は同系色でまとめる
外壁塗装で使用されている塗料にはさまざまな色がありますが、色選びの際は同系色の2色を選ぶと建物全体が落ち着いた印象に仕上がります。
同系色のカラーとは、青と水色やオレンジと黄色など、色相環で表した際に隣り合っている色同士のことです。
外壁塗装に使用する色を2色選ぶ際は6:4〜7:3を基準にすると良いと言われています。
色分けをしたいものの無難な印象にしたい方にもおすすめです。
色がまとまらない場合はセパレーションカラーもおすすめ
同系色で色を選んでもなんとなく色がまとまらなかったり、思っていた通りの色合いに仕上がらなかったりすることもあります。
このようなケースではセパレーションカラーというものを活用することができます。
セパレーションカラーとは、2色の間に異なる別のカラーを差し込むことによりそれぞれのカラーをはっきりと独立させたり、配色をより効果的にしたりするものです。
多くの場合は黒やネイビーなど低彩度のカラーがセパレーションカラーとして選ばれやすい傾向にあります。
色分けに選ぶ色は3色までにする
外壁塗装の色選びを行う際、好きな色であれば何色でも選んでいいと思っている方も多くいらっしゃいます。
しかし実際に多くの色を取り入れて塗装してしまうと、 建物全体の雰囲気とまとまりが悪くなり逆効果になってしまいます。
そのため、色選びを行う際は必ず使用する色を3色までに限定しておくようにしましょう。
また、ベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーの3つに分けて選ぶ方法がおすすめです。
ベースカラー
塗装全体の70%以上を占める背景色です。
建物のイメージを決めるためにとても重要なベースカラーは、赤や緑など色鮮やかな原色カラーではなく、周囲の建物とも馴染みやすいよう違和感のない色を選択するようにしましょう。
アソートカラー
ベースカラーの次に占めている割合が高く、全体の25%ほどである色をアソートカラーと言います。
ベースカラーやアクセントカラーを安定させる役割があります。
アクセントカラー
外壁塗装の全体の5%ほどを占めているアクセントカラーは、全体のイメージを引き締めたり、建物にスタイリッシュな印象を与えたりすることができます。
カラーシミュレーションを必ず利用する
外壁塗装で使用する色を選んだら塗装前に実際にカラーシュミレーションを行い、どのような仕上がりになるのかを必ず確認するようにしましょう。
ただしカラーシミュレーションはどこの業者でも必ず行えるというものではなく、依頼先の業者によっては対応していない可能性も十分考えられます。
ご不安な方はあらかじめカラーシミュレーションを行うことが可能であるかどうか、事前に業者側に確認しておくと良いでしょう。
自分でも使用できるカラーシミュレーションは、こちらの記事で紹介しています。
ぜひ参考にしてください。
外壁の色分けをする場合は建物の立地条件も考慮することが大切
外壁の色選びをする際は、建物の立地条件を考慮することが大切です。
立地条件ごとに使用する塗料の色を変えると、より綺麗な状態を長続きさせることができます。
下記では、立地条件ごとに選ぶべきおすすめカラーを紹介します。
外壁が汚れやすい場合はグレー系やクリーム系のカラーがおすすめ
建物が道路沿いや都市部など比較的汚れやすい環境に立地している場合、白色や黒色などの色は外壁についた汚れが目立つため、避けておいたほうが無難です。
汚れが目立ちにくいカラーとしておすすめなのは、グレー系やクリーム系です。
どうしても白や黒などのカラーを選択したい場合、外壁塗装を行う際に耐候性が高い塗料を使用するようにするとメンテナンスも楽になり安心です。
日差しがよく当たる家には落ち着いたカラーを
日差しが良く当たる住宅は紫外線の影響を受けやすいことから、濃いカラー(原色)を外壁に選択してしまうと色あせが起きやすくなります。
濃いカラー(原色)の塗料には有機顔料が入っていることから色あせが発生するため、紫外線の影響を受けやすい建物の場合は薄いカラーを選択すると良いでしょう。
外壁の色は室内の温度にも影響を与える
黒色や紺色などの暗い色は室内の温度を上昇させることが多いため、建物の立地環境によってはなるべく避けた方が良いケースもあります。
特に夏の暑さなどを緩和させたい場合、濃い色を選ぶと室内温度を上昇させてしまう効果があるため、淡い落ち着いた色を選ぶか耐候性の高い塗料を 選ぶようにしましょう。
外壁塗装で色分けを行う際の注意ポイント
ここでは、外壁塗装の色分けをする際の注意ポイントを紹介します。
色の面積効果に注意
外壁の色選びを行う際は色の面積効果に注意するようにしましょう。
面積効果とは、見ている色のサイズによって色の見え方や印象などが変わってしまう効果のことです。
色の面積効果を考慮していないと、色を確認する際に小さな画面で確認した場合と実際に塗装を行った場合とで仕上がりのイメージが違っていたというトラブルが起きてしまいます。
そのため、色見本を確認する際は A 4サイズのもので確認を行い、実際に外壁に色を当ててみるなどシミュレーション念入りに行うようにしましょう。
また、蛍光灯の下で見た場合と太陽光の下で見た場合でも色の印象が異なるケースがあるため、色見本はさまざまな環境下で確認をしておくと安心です。
カラーシミュレーションの色と実際の色は違うことがある
カラーシミュレーションを行った場合でも、実際に施工してみたら思っていた色と違ったといったケースもごく稀に発生します。
カラーシミュレーションを行う際はコンピューターのディスプレイを通して行うため、自然光の下では想定していた色より明るすぎたり暗すぎたりといった多少のずれが生じることがあるためです。
そのため、ディスプレイでカラーシュミレーションを行う際は実際の色と少し異なるということをあらかじめ想定したうえで色選びを行いましょう。
周辺住宅との色のバランスに注意
家の印象は周囲に建設されている他の家によっても左右されるため、色選びを行う際は周辺住宅との色のバランスにも注意が必要です。
派手すぎる色を選んでしまったり周囲の家に馴染まない色選びをしたりしてしまうと自宅が悪目立ちしてしまい、印象を悪くしてしまうことも考えられます。
そのため、好きな色だからといって選ぶのではなくきちんとバランスを考慮した色選びを行うようにしましょう。
また、一部の地域では景観形成のためのガイドラインをあらかじめ用意しているケースもあるため、こちらも事前に確認しておくことが重要です。
玄関とサッシを起点に色を決めると良い
建物の玄関ドアやサッシ部分はあまり頻繁に塗り替えを行う部分ではないため、玄関ドアやサッシの色を起点に色選びを行うと建物全体の印象がまとまりやすくなります。
玄関やサッシを塗り直す場合も、予めこれらの色を決めてから選ぶと失敗が少なくなり、綺麗に馴染むのでおすすめです。
サイディング外壁のデザインを生かした色分けもおすすめ
外壁に使用されているサイディングの中には最初から模様がついているものがあり、これらの模様を生かした色分けも一風変わった味が出るのでおすすめです。
例えばタイル調のサイディングの場合、タイル模様を活かして部分的に色分けを行うことで個性的な雰囲気に仕上げることができます。
元のサイディング模様が気に入らない場合は一色で塗りつぶしを行うことも可能です。
ただし、サイディングの模様が気に入っていてそのまま残したいというような意思がある場合は、模様を生かしたデザインにしたいと施工業者に伝えてみると良いでしょう。
外壁塗装の色分けでよくある疑問・質問5選
ここでは、外壁塗装の色分けをする際によくある質問を紹介します。
色分けする色によって外壁塗装費用は変わるの?
使用する色が2色または3色になる場合は使用する塗料が増加するため、その分塗料代がかかります。
また、サイディング材の模様に沿った色分けを行う場合も使用する塗料が増える可能性があることから、施工費用が割高になる可能性があります。
塗料は色ごとに塗装費用が変わるというよりは、使用すると量が増えるとその分外壁塗装費用に影響すると考えておくと良いでしょう。
外壁塗装の色分けにはどんな色が人気?
外壁塗装の色分けではアイボリーやブラウンなど、無難で落ち着いた印象を与える色が人気です。
一方でネイビーや白などのはっきりとしたカラーを取り入れる方も近年増加していますが、周囲の建物とのなじみ具合や立地条件などを考慮したうえで選ぶことが大切です。
詳しい色選びのポイントについては、こちらの記事で紹介しています。
色分けに使う色によって耐用年数は変化する?
耐用年数は外壁塗装に使用する塗料の種類によって異なりますが、選んだ色によって変化するということはありません。
しかし色選びの際に濃い色を選択すると、紫外線が当たりやすい立地では色褪せが目立ちやすくなります。
また、白や黒などの色を選んだ場合は外壁の汚れが目立ちやすくなるといったデメリットもあります。
色あせや汚れが直接的に外壁の劣化につながることはありませんが、色あせや汚れは塗料の性能を低下させてしまう危険性もあります。
そのため、定期的に外壁洗浄などを行なって外壁に与えるダメージを最小限に抑えておきましょう。
色あせの原因や対策、色あせしにくい塗料などはこちらの記事で詳しく紹介しています。
外壁の色による風水効果でのおすすめは?
風水に配慮されている方の中には、色による風水効果を考慮したうえで外壁の色を選ぶ方も多くいます。
各色がもたらす風水的効果は以下の通りです。
色 | 風水の効果 |
白色 | 浄化作用・リセット作用 |
茶色 | 安定感・信頼感 |
黒色 | 運を停滞させる・人を寄せ付けない |
灰色 | 静寂・情緒安定 |
青色 | 仕事運・勉強運・人間関係 |
黄色 | 金運向上・貯蓄 |
緑色 | 人間関係・健康運 |
外壁塗装の際に用いたい風水や風水を重視する色選びなどについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
「no.253_外壁塗装 風水」
外壁塗装の色分けで失敗したらどうなる?
外壁塗装の色分けで失敗してしまった場合、既に塗装が終了していてやり直しを行う場合は再度業者と日程調節をし改めて外壁塗装を行う必要があるため、別途追加費用がかかってしまいます。
足場が解体される前であればスムーズに対応してくれる施工業者も存在しますが、塗装のやり直しは業者側に断られる可能性もあります。
そのため、色選びの段階から慎重に色を選ぶことが非常に重要です。
外壁塗装の色選びで発生しやすい失敗や失敗事例、失敗しないための注意点などは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
外壁塗装の色分けを依頼する業者選びの注意点
外壁塗装の施工業者を選ぶ際にはいくつかの注意点があります。
ここでは、業者選びの際にどのような点に気をつければいいのか注意点をそれぞれ解説します。
1社ではなく複数の業者から同じ内容で見積もりを取得する
外壁塗装工事の見積もりを取る際は、1社だけでなく複数の業者から見積もりを取得するのがおすすめです。
特に外壁塗装の色分けを行う場合は通常の外壁塗装よりも施工費用が高額になる可能性が高いため、複数の業者に見積もり依頼を行うことで塗料の金額や施工費用の違いを比較することができます。
それぞれの業者ごとにサービスの内容や施工費用、アフターフォローの有無など内容面でも大きく差が出るため、必ず同じ条件を提示したうえで見積もり内容を比較し、業者の選定を行いましょう。
相見積もりの正しい取り方や見積もり書の比較方法などは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
色分けの施工実績を確認する
外壁塗装の色分けは、施工業者の技術によって仕上がりが大きく左右します。
特に色の組み合わせ方は建物が与える印象が決まる重要なポイントですので、経験を重ねている施工実績が豊富な業者に依頼をすると安心です。
施工業者に直接尋ねてみるか、施工業者のHPなどをみて実際にどのような仕上がりになるのかリサーチしておくようにしましょう。
保証やアフターサービスの有無を確認する
外壁塗装は、施工直後よりもしばらく時間が経過した後に不具合や施工不良などが発覚する可能性が高いといわれています。
特に色分けを行う際は2色・3色に分けて塗装を行うため、通常の外壁塗装工事よりも手間がかかり、その分不具合が発生する確率も高くなるため注意が必要です。
そのため、施工業者を決める際は保証やアフターサービスがしっかりと備わっている業者であるかどうかを必ず事前に確認しておくようにしましょう。
外壁塗装のアフターサービスや定期点検の重要性、サービス内容のチェックポイントはこちらの記事で詳しく紹介しています。
まとめ
外壁塗装の色分けを行う際の注意点や、塗装業者を選ぶ際の注意点、主な色分け方法などについて詳しく解説しました。
塗料や色を選ぶ際は建物のデザインを考慮しながら立地環境を考慮し、周囲との建物から浮かないような仕上がりにすることも重要です。
これまで外壁塗装の色分けを行ったことがない方やメンテナンスの際に色分けを行おうと検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
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