台風シーズンの外壁塗装工事の注意点、安全対策
「台風シーズンに外壁塗装工事を行っても大丈夫なの?」
こんな疑問を持つ方も少なくないかと思います。
結論から申し上げると、台風シーズンでも台風が直撃する日を避けることで外壁塗装工事を行うことは可能です。しかし台風の強さによっては足場が倒壊する危険性など、台風シーズンの工事だからこそ注意すべきポイントが多くあります。
そこで今回は、台風シーズンの外壁塗装工事で起こりうるトラブルや、外壁塗装工事を行う際に注意したほうが良いポイントを紹介します。台風シーズンの外壁塗装工事を検討されている方はぜひ参考にしてください。
目次
外壁塗装は台風シーズンに行っても大丈夫?
台風シーズンとは一般的に7月から10月の時期を指しています。
8月〜9月にかけては台風が数回来る地域もありますが、基本的には「台風シーズンの外壁塗装工事は避けなくても平気」といえるでしょう。上陸する台風が必ずしも全て直撃するわけではない上、直撃したとしても長くは滞在しないためです。
しかし台風襲来の可能性を考えて、あらかじめ対策を行っておく必要があります。
この章では、台風シーズンに外壁塗装工事を行う上で、気をつけるべきポイントを紹介します。
台風に備えての日程調整が不可欠
台風は通常、上陸までの予測を立てることができます。また、基本的にどれだけスピードが遅いものでも3日以上同じ場所に停滞することはまずありません。
外壁塗装前に行う高圧洗浄は台風の上陸前に済ませておき、その後台風上陸で工事ができなくなる期間を見越して外壁塗装の予定を組むことで、計画通りに施工を行うことができます。
塗装工程などは雨による悪影響を受けやすく、適切な乾燥時間も必要になります。台風が来る前に塗装を行うと塗装後に不具合が出る可能性があるため、台風が完全に過ぎ去ってから塗装工程を開始する必要があります。
また、台風により工期が伸びてしまうこともあり得ますが、追加料金などが発生することはありません。
雨が降ってきたら必ず塗装工程を中止する必要がある
台風が上陸する日に外壁塗装を行わないのはもちろんのこと、台風の上陸前後の場合でも雨が降っている状態では外壁塗装を行うことはできません。
外壁塗装には塗装を行える気象条件があり、湿度85%、気温5度以下の状態では塗装工程を行うことは推奨されていません。
雨が降っている場合は湿度85%以上になりやすく、湿度が高い場合は塗料が乾燥しにくくなったり雨や結露が混ざることで塗膜の形成不良を引き起こす可能性があります。
また、雨が降っていると足場が滑りやすくなるため、作業を行う上で安全とはいえません。
これらの理由により、雨の日に外壁塗装工事を行うことは作業品質やスピードの低下を招いてしまうため、雨天時には必ず塗装工程をストップするようにしましょう。
雨が塗装に与える悪影響や雨の日の塗装によるトラブル事例については、以下の記事を参考にして下さい。
台風前には必ず足場の倒壊を防ぐ安全対策を!
台風の影響により、組み立てた足場が崩れるのではないかと心配に感じる方も多いかと思います。しかし台風が近づく前に業者が対策を行っておくことで足場の倒壊を防ぐことができます。
この章では、足場対策方法について詳しく説明します。
台風対策1:メッシュシートを畳む
メッシュシートは、足場の周りを囲んでいるシートのことを指しています。
台風による強風を受けるとメッシュシートとともに足場が揺れ、倒壊する危険性があります。
台風が来る前にはあらかじめメッシュシートを畳んでおくことで足場間の風の通り道を作ることができ、足場の倒壊を防ぐことができます。
台風対策2:壁当てをつける
壁当ては、外壁に直接当てて足場を安定させる部材のことを指しています。
塗装作業を行う際は塗装の妨げとなってしまうため少しだけ浮かせて付いているのですが、台風が来る際は足場が動かないようにしっかりと固定する必要があります。
壁当ては固定する箇所が増えれば増えるだけ強度が増しますが、メッシュシートとは異なり外観からは判断しにくい対策のため、必ず業者に壁当てを使用しているかどうかを確認しておきましょう。
知っておきたい、台風で発生する外壁塗装工事への影響
台風の際に外壁塗装を行うことで、さまざまなリスクや危険性が伴うことも知っておかなくてはなりません。中でも、「強風でパーツが飛ばされる」「雨漏りが発生する」といったトラブルが起こりやすくなっています。
この章では、台風で発生するこれらの被害について解説します。
強風により外壁のパーツが飛ばされる
住宅には、屋根瓦やタイル、雨樋、雨戸などさまざまなパーツがついています。
これらのパーツは台風による強風の影響により損傷を受けたり、飛ばされてしまう可能性があります。
もちろん全てのパーツが簡単に飛ばされるわけではありませんが、メンテナンスが長年行われておらず接着が緩くなってしまっているパーツなどは強風で飛ばされてしまうこともあるため、必ず台風が来る前に対策を行うようにしましょう。
また、強風により足場が崩れて建物自体を傷つけてしまうこともあるため、足場の強風対策も非常に重要です。
大雨により雨漏りが発生する
外壁塗装を行う際は、まず初めにコーキングの補修を行います。
コーキングを補修している段階で台風による雨の影響を受けてしまうと、コーキング部分から外壁内部に雨水が侵入し、雨漏りを起こすことがあります。
雨漏りが一度起きてしまうと外壁塗装のみでは補修を行うことができず、最悪の場合外壁材を丸ごと交換しなくてはならなくなってしまいます。
このような雨漏り被害を無くすためには、台風の予測を事前にしっかりと行い、シーリング補修の日程と塗装の日程をずらすことが重要です。
外壁塗装工事中の台風によるトラブルは業者がカバーしてくれる
台風の影響により何らかのトラブルが発生し追加費用がかかる場合は、基本的には業者側がそれらの費用を負担します。
雨漏りの場合は火災保険の適用、足場が倒れてしまった場合の修繕費も業者側が負担をするのが一般的です。
この章では、それぞれのケースごとに業者がどのような対応を行うのかを紹介します。
台風により雨漏りを起こしてしまった場合は火災保険が適用される
火災保険は台風などの自然災害に対応しているため、台風の影響による雨漏りが起きてしまった場合は火災保険が適用されます。
ただし、経年劣化による雨漏りや施工不良による雨漏りなど、台風が直接関係していない被害については火災保険の適用対象外となるので注意が必要です。
台風の場合は、「飛来物により屋根や窓が損傷して雨漏りが発生してしまった」「強風によるパーツが剥がれたことにより雨漏りが発生してしまった」などのケースで保険が適用されるため、万が一台風の直後に雨漏りが発生した場合は、速やかに施工業者にその旨を伝えるようにしましょう。
台風により足場が倒れても修繕費などは業者が負担する
台風などの影響により足場が倒壊してしまった場合、「請負業者賠償責任保険」と呼ばれる保険を使用して修繕費を賄うことができます。
この保険では、台風による強風で足場が倒壊してしまった場合はもちろん、そのほかのさまざまな自然災害による壁の修繕や近隣の方々への補償などの幅広い補償内容があり、外壁塗装を行う業者の多くが加入しています。
しかし悪徳業者の場合は加入していない可能性もあるため、事前にこの保険の加入有無を確認するなどの注意が必要です。
台風通過後に台風の影響がないかのチェックを!
台風通過後には、必ず台風の影響が起きていないかの確認を行って下さい。
台風により、「台風による飛来物により外壁が傷ついてしまった」「自宅の敷地内に置いていたものが飛んでしまった」などのトラブルが発生することもあります。
この章では、このようなトラブルが起きた際に確認するポイントを紹介します。
屋根:台風により物が飛んできていることも
台風により発生した強風により物が飛んでくる可能性があります。強風により飛んできた物は屋根の上に落ちてしまったり、屋根や窓が衝撃により破損することもあります。
屋根の上はなかなか普段見る機会のない場所ですが、外壁塗装工事を行う際は足場が設置してあるため普段よりも簡単に屋根の上を確認することができます。
台風が通過した後は必ず屋根の上の確認を業者に依頼するようにして下さい。
近隣:自宅敷地内に置いていたものが飛んでしまいトラブルになることも
自宅の敷地内に置いていたメッシュシートや工具、材料などが近隣の家に飛んでしまい、トラブルになることがあります。
このようなトラブルが起きてしまうと、設備や部品の持ち主に過失の責任が問われるため、あらかじめ強風の影響を受けそうなものは飛ばないように対策を行っておく必要があります。
対策を行なっていたのにも関わらず強風により周囲に物が飛んでしまうことも少なくはありません。
台風の後に作業を再開する場合は、そのようなトラブルが起きていないかを事前に確認する必要があります。
壁当て:強風により足場が揺れ傷がつくことも
先述した通り、足場対策に使用している壁当てが強風で揺れることで外壁が傷ついてしまう可能性があります。
風があまりにも強すぎると外壁部分に細かい傷がついてしまうこともあるため、作業を再開する際には傷の有無を確認するようにしましょう。
また、これらの傷は足場がある状態だと簡単に補修を行うことができるのですが、足場を撤去した後はすぐに対応してもらえないこともあります。
外壁塗装工事中に限らず台風による雨漏りの被害は意外と多い
外壁塗装工事中に限ったことではなく、台風の影響で雨漏りを起こすトラブルは毎年多くの建物で発生しています。
特に長年メンテナンスを行っていない建物の場合は劣化が進んでいる可能性があり、台風による雨漏りで症状が明らかになるケースが多くなっています。
この章では、台風による雨漏りの対策方法や実際に雨漏りが起きてしまった場合の対処方法について説明します。
台風が来る前にご自宅の点検を!
台風が来る前に自宅の点検を行っておくと、台風による被害を最小限に止めることができます。
特に瓦屋根や外壁・床のタイルなどが剥がれかけの場合には、台風の前に補修を行なっておくと良いでしょう。
台風の被害に遭ってしまい部品が破損してしまうと新しい部品を仕入れるのにさらに高額な費用がかかるため、被害を防ぐためにも事前に補修をしておくことが重要です。
施工後すぐのトラブルについては業者が対応してくれる
施工完了後すぐに発生したトラブルについては、施工を行った業者が対応を行います。特に台風による影響などは対応してもらえる可能性が高いようです。
ほとんどの業者が施工後のアフターフォローを行なっていますので、もし台風などによる被害が発生した場合は施工業者に連絡をして下さい。
まとめ
「台風シーズンに外壁塗装を行うことは大丈夫なのか?」ということをテーマに、台風発生時に行う外壁塗装工事について解説をしました。
外壁塗装工事は台風が発生しやすいシーズンでも行うことはできますが、工期が遅れる可能性や飛来物で建物に被害が生じる可能性など、さまざまなメリット・デメリットを考慮した上で依頼を行うことが大切です。
万が一被害が起きてしまっても業者側で保証されるケースがほとんどですが、事前に対策をしっかりと行っておくように心がけましょう。
また施工を依頼する業者側が保険に加入しているかどうかという点も忘れずに確認しておくことが、安心して外壁工事を依頼する際の重要なポイントです。
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