外壁塗装のクリア塗装とは?特徴、適している壁、メリット・デメリット

外壁塗装によるメンテナンスを考えている方の中には、外壁の素材や柄を生かすためにクリア塗装を検討されていたり、外壁塗装を依頼した業者からクリア塗装をオススメされたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

クリア塗装は外壁のデザインを損なわない塗料として近年人気の塗料です。しかしクリア塗装に向かない外壁も存在するため、事前にクリア塗装が向いている場合・クリア塗装をやめておいた方が良い場合などの知識を知っておくことが大切です。

今回はクリア塗装の特徴やメリット、デメリットや費用相場などを解説します。

目次

外壁塗装におけるクリア塗装にはどんな特徴があるの?

クリア塗装とは、顔料を含んでいない「クリア塗料」と呼ばれる無色透明な塗料を使用して外壁を塗装することをいいます。

外壁にモルタルやタイル・コンクリートなどデザイン性の高いものを採用している場合は、クリア塗装を行うことでデザイン性を損なうことなく、綺麗な状態のままデザインを維持することが可能です。

ただし元々の外壁の材質によってはクリア塗装に適さない外壁もあるため、事前に塗装業者と相談を重ねた上で適切な塗料を選ぶことが大切です。

クリア塗装は今の外壁が気に入ってる方にオススメ

クリア塗装は既存の外壁のデザインを損なわずに上から透明の塗料を重ねることにより、外壁本来のデザイン性を保つことができます。

そのため既存の外壁デザインに高いこだわりを持っている方や、外壁デザインの風合いを損ねたくない方などにおすすめです。

クリア塗装に適している外壁

クリア塗装には向いている外壁と向いていない外壁の二種類が存在しており、中でも「窯業系サイディング」「コンクリートやモルタル」「ウッドデッキ」などはクリア塗装に向いているとされています。

この章では、クリア塗装に向いている外壁の種類と、クリア塗装を行う際の注意点について解説します。

窯業系サイディングなどデザイン性の高いサイディング外壁

クリア塗装にもっとも向いていると言われているのが、窯業系サイディングです。

窯業系サイディングは日本で多くの住宅に用いられていますが、他の外壁材に比べてデザイン性が高いことが特徴であるため、デザイン性を損なわない方法としてクリア塗装が採用されることが多くなっています。

コンクリートやモルタルの外壁

クリア塗装はコンクリートの外壁にも適しています。中でも打ちっぱなしのコンクリート外壁はそのままだと汚れがつきやすく雨風が侵入しやすいというデメリットがあるので、クリア塗装による塗装を行うことによりそのデメリットを解消することができます。

また、モルタル用のクリア塗料なども開発されているので、モルタルの素材を生かしたままクリア塗装により耐久性を上げることも可能です。

中にはモルタル用のクリア塗料などもあるため、モルタルの素材を生かしたまま耐久性を上げることも可能です。

ウッドデッキや窓枠などの木材部分にも使用可能

クリア塗装はウッドデッキや窓枠などの木材部分にも使用することができます。

本来であればウッドデッキなどの木製素材は耐久性が弱いとされていますが、クリア塗装をすることで防水性能が上がり木部の耐久性能を上げることができます。

また、耐久性を上げることでカビやコケなどの発生も抑制することができるため、綺麗な外観を保ち続けることも可能です。

クリア塗料に適さない外壁とおすすめできない外壁

クリア塗料に適している外壁があるように、中にはクリア塗装に適さない外壁というものも存在します。

その中でも「金属系サイディングを用いた外壁」「光触媒塗料や無機・フッ素塗料でコーティングした外壁」などが、クリアー塗料に適さない外壁だといわれています。

この章では、クリア塗装に適さない外壁の特徴やおすすめできない理由をご紹介します。

1 金属系サイディングを用いた外壁

金属系サイディングは他の外壁サイディング材と比べると表面がツルツルしているため、塗料との密着性が悪くクリア塗装に適していません。

また金属系サイディングは顔料入りの塗料による錆止めなどの処置が発生する可能性がありますが、クリア塗料では錆止めの効果が得られないため、クリア塗装を採用することができません。

2 光触媒塗料や無機・フッ素塗料でコーティングした外壁

光触媒塗料や無機塗料、フッ素塗料といった塗料は、耐用年数の向上を目的として特殊なコーティングがされています。

そのためクリア塗装を行なっても塗料が付着しにくく、すぐに塗装が剥げてしまう可能性があるため、クリア塗装には適していません。

しかし最近では、日本ペイントの「ファインパーフェクトシーラー」など特殊塗料に対応した下塗り材も販売されているため、必ずしもクリア塗装を行うことができないというわけではありません。

もしも光触媒塗料や無機・フッ素塗料でコーティングした外壁材でクリア塗装を行いたいという場合は、専門業者にクリア塗装ができるかどうか相談してみましょう

3 チョーキング現象などの劣化症状が発生している外壁

チョーキング現象

チョーキング現象はチョークの粉のようなものが発生する劣化症状ですが、このようなチョーキング現象が発生している外壁にクリア塗装を行った場合、塗装後に白く曇ってしまったりボケてしまう可能性があります。

チョーキング現象に関わらず、外壁に劣化症状が発生している場合はクリア塗装を行うことはできません。

  • ひび割れの上からのクリア塗装もおすすめできない

外壁にひび割れが起きている場合も、ひび割れの上からのクリア塗装はおすすめできません。

色付きの塗装を行う場合であればひび割れの補修を行った後に上から塗装を行うことは可能ですが、クリア塗装の場合は補修跡がそのまま露出してしまうためです。

どうしてもクリア塗装を施したいという場合は一度色付きの塗料で塗装工事を行った上からクリア塗装を行うことは可能ですが、そのぶんコストもかかってしまい費用が高額になります。

外壁塗装におけるクリア塗装のメリットとは

外壁塗装におけるクリア塗装のメリットは、「外壁素材のデザインを保つことができる」「外壁にツヤを出すことが」「チョーキング現象が起きることを防止できる」などさまざまなものがあります。

この章では、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

外壁材のデザインを保つことが出来る

クリア塗装はその名の通り無色透明であり、外壁材のデザインを既存のデザインのまま保つことができるのが大きな特徴です。

色や柄、風合いなどをそのまま保つことができるので、既存の外壁材のデザイン性を失いたくない方や、外壁材の雰囲気やデザインを損ないたくないという方におすすめの塗料です。

外壁にツヤを出すことが出来る

クリア塗装を行うことにより、外壁にツヤ感や光沢を出すことができます。塗料の種類によっては光沢の度合いなどを調整することも可能ですので、ご自身の希望に合わせて好みのツヤ感に仕上げることができます。

また紫外線の影響を受けにくくしたり外壁を汚れにくくする性能を持ち合わせた塗料もあります。

チョーキング現象を防ぐことが出来る

チョーキング現象とは、外壁の表面にチョークの粉のような白い粉が発生する現象です。この現象は塗料に含まれている顔料が劣化して起きる現象のため、顔料が含まれていないクリア塗料ではチョーキング現象が発生することはありません

外壁塗装におけるクリア塗装のデメリットとは

クリア塗装のデメリットは「外壁の劣化が目立ちやすい」「外壁によってはクリア塗装が適さないものもある」などが挙げられます。この章では、それぞれのデメリットについて詳しく説明します。

外壁の劣化が目立ちやすい

既存の外壁にすでに汚れやひび割れなどの劣化症状が発生している場合は、顔料が含まれている色付きの塗料を使用した方が劣化が目立ちません。

クリア塗料の場合は外壁の劣化状況が目立ちやすくなってしまうため、 外壁の状態について塗装を行う前に事前に把握しておきましょう。

またひび割れや汚れ以外にも、チョーキング現象が仕上がりに影響したり、簡単に剥がれてしまう原因となってしまうことがあります。

外壁が劣化を起こしている場合は、クリア塗装は避けた方が良いでしょう。

特殊塗装が施された外壁には適さない

外壁塗装に用いられる塗料の中に、光触媒塗料と呼ばれる塗料があります。光触媒塗料は光で汚れを分解させることのできる塗料として近年人気ですが、この光触媒塗料の上にクリア塗料を塗ると剥がれやすくなってしまうというデメリットがあります。

光触媒塗料に限らず、機能性を高めた塗料により塗装が施された外壁にはクリア塗装には適しません。

外壁のクリア塗装の費用相場・耐用年数

クリア塗装を行う際の塗料価格の相場と耐用年数は以下の通りです。

塗料の種類 耐用年数の目安 費用相場
アクリルクリア塗料 約5〜8年 1,000〜1,800円/㎡
アクリルウレタン塗料 約7〜10年 1,500〜2,500円/㎡
シリコンクリア塗料 約10〜15年 1,800〜3,500円/㎡
フッ素クリア塗料 約15〜20年 3,500〜5,000円/㎡
無機クリア塗料 約20〜25年 4,500〜5,500円/㎡

※横にスクロールしてください。
※これらは目安のため、施工を行う業者によって価格は変動する可能性があります。

外壁塗料は一般の塗料と同じように、アクリル系・ウレタン系・シリコン系・フッ素系がメインとなっています。また、耐用年数が高くなるほど価格も高くなる傾向があります。

上記のメジャーな4種類以外にも、耐候性が高いことが特徴の「無機クリア」や、紫外線による外壁の経年劣化を防ぐUVプロテクト機能を持ったクリア塗料なども現在は流通しているため、費用相場や耐用年数をしっかりと把握した上で納得のいく塗料選びを行う方がより安心です。

外壁塗装の塗料の価格や費用相場については、以下の記事を参考にして下さい。

大手メーカーから販売されているおすすめクリア塗料

塗料

大手メーカーから販売されている代表的なクリア塗料・おすすめ塗料には「ピュアライドUVプロテクトクリヤー」「SKシリコンクリヤーW」「クリーンSDトップ」などさまざまな種類があります。この章では、それぞれの塗料の特徴を紹介します。

ピュアライドUVプロテクトクリヤー(日本ペイント)

日本ペイントが製造・販売している「ピュアライドUVプロテクトクリヤー」は、防カビ・親水性に優れた塗料です。耐用年数は10ほどとされています。

紫外線を吸収する働きをもっているため、色あせなどを防止する効果があります。つや消し・つや無しの2種類の展開があり、好みに合わせた質感を選ぶことができます。

SKシリコンクリヤーW(エスケー化研) 

エスケー化研が製造・販売している「SKシリコンクリヤーW」はアクリル樹脂を使用しているため、耐久性が高いのが最大の特徴です。耐用年数は12年から15年とされています。また、セルフクリーニング機能なども備わっているため汚れが付きにくいということも特徴のひとつです。

クリーンSDトップ(エスケー化研)

エスケー化研が製造・販売している「クリーンSDトップ」は、アクリルシリコン樹脂や光安定剤や紫外線吸収剤などの効果により、高い耐久性と汚れのつきにくさが大きな特徴の外壁用塗料です。

塗料には特殊セラミックが使用されているため、セラミックの力で付着した汚れを雨で洗い流す機能が備わっています。

パワーアシストクリアー(水谷ペイント) 

水谷ペイントの「パワーアシストクリアー」は、窯業系サイディングボード専用のクリア塗料です。耐久性に優れていて、窯業系サイディング材の特徴である高級感や質感を長持ちさせることができます。また、UVカット機能が備わっているので、耐候性・耐久性にも優れています。

無機ハイブリッドクリヤー(アステックペイントジャパン) 

アステックペイントジャパンが製造・販売している「無機ハイブリッドクリヤー」は、2種類の光沢からお好みの仕上がりを選ぶことができるクリア塗料です。

耐用年数が20年以上と長く、20年経過した後でも光沢保持率80パーセントを維持することができる無機・有機のハイブリッド型塗料となっています。

まとめ

クリア塗料の特徴や、各メーカーが販売しているクリア塗料のおすすめ、またクリア塗料の耐用年数や費用相場などについて詳しく解説しました。

クリア塗料にはさまざまなメリットが備わっていますが、中にはデメリットやクリア塗料と相性の悪い外壁材なども存在します。

そのためクリア塗料を検討されている方は、それぞれのメリットやデメリット、費用相場などをしっかりと把握した上で適切な塗料を選ぶようにしましょう。

この記事のライター:外壁エージェント編集部
こんにちは、外壁塗装エージェント編集部です。「安心の外壁塗装」をコンセプトに、外壁塗装をトータルでサポートする外壁塗装エージェント。コラムでは、何を基準に業者を選べばよいかわからない、外壁塗装の注意するべきポイントが知りたいなど、外壁塗装にまつわる皆さまのさまざまな疑問にお答えします。外壁塗装アドバイザーによる有益で信頼できる情報をお届けしますのでぜひ参考にしてください。

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