外壁塗装における断熱塗料のメリット・デメリット!性能、おすすめ商品

断熱塗料は、室内温度を快適に保つことができるという特性がある塗料で、四季による気温の変化が激しい日本では特に人気の塗料です。

また断熱塗料は断熱性能の他にも機能性・耐久性が備わっているため、似たような性能を持っている遮熱塗料と比較すると人気が高く、高めの価格が設定されています。

今回はそんな断熱塗料の特徴やメリット・デメリットに加え、代表的な断熱塗料の種類をいくつか紹介します。

断熱塗料の種類についてお悩みの方や、「そもそも断熱塗料って何?」と言った疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。

外壁塗装における断熱塗料と遮熱塗料の違いとは?

外壁塗装工事で使用する断熱塗料・遮熱塗料には、下記のような違いがあります。

塗料の種類 遮熱塗料 断熱塗料
耐用年数 10年〜20年 15年〜20年
費用相場
  • 屋根:2,300円〜3,500円(/㎡)
  • 外壁:2,300円〜2,800円(/㎡)
  • 屋根:3,500円〜4,000円(/㎡)
  • 外壁:2,400円〜3,800円(/㎡)
性能
  • 熱の発生を抑える
  • 室内温度の上昇を防ぐ
  • 熱伝導を抑える
  • 熱や冷気の侵入を防ぐ
  • 室内温度の上昇を防ぐ

※横にスクロールしてください。

二つの塗料の大きな違いは、冬場でも室内温度を快適に保つことができるかどうかという点にあります。

断熱塗料は熱や冷気の侵入を防ぐ断熱性能や、室内外の熱の移動を抑える保温機能を備えているため、冬場でも快適な室内温度を保つことができます。

しかし遮熱塗料には保温機能が備わっていないため、冬場は室内温度を保つことはできません。

そのため冬場が長い地域にお住まいの方は断熱塗料を選ぶことをおすすめします。

遮熱塗料の詳細については別記事「外壁塗装における遮熱塗料のメリット・デメリット!選び方、おすすめ商品」を参考にしてみてください。

外壁塗装の断熱塗料のメリット

断熱塗料を使用するメリットは「年間を通して室温を一定に保つことができる」「耐久性が高い」「節電効果がある」などさまざまなものがあります。

ここでは、それぞれのメリットを一つずつ詳しく解説します。

1年中室温を一定に保つことができる

断熱塗料は夏季の強い日差しによる室内の温度上昇や、冬季の冷たい空気による室内温度の下降を防ぐことができるため、暑さと寒さの両方に対する断熱性があることが最大のメリットです。

また暖房などで暖かくなった暖気を逃さない保温効果も備わっているため、年間を通して快適に暮らすことができます。

耐久性が高く耐用年数が長い

断熱塗料にはさまざまな種類がありますが、その多くは一般的な他の塗料よりも耐久性が高いことが特徴です。

シリコン塗料は耐用年数が10年〜15年ほどですが、耐熱塗料は15〜20年ほどの耐用年数があります。

このようにメンテナンス周期も長くなるため、長期的なコストパフォーマンスが高くなります。

節電効果が得られる

断熱塗料は室内温度を一定に保つことができるため、夏場や冬場のエアコン・ヒーターの使用頻度を減らすことができます。

そのため、結果的にエアコン・ヒーターに費やす光熱費を削減することができます。

遮音効果が高い

断熱塗料はセラミック素材で覆われているため、塗装をした際の表面の厚さが他の塗料と比べて厚いことが特徴です。

そのため車や周辺地域の騒音などを遮音する効果があり、また住宅内部からの音漏れを防ぐこともできます。

また断熱塗料に含まれているセラミックが空気の振動を小さくし、内部に侵入してくる音を軽減しているのも遮音効果が高いといわれている理由の一つです。

結露の発生を抑える

断熱塗料を使用すると壁の表面温度を下げることができるため、結露の発生を抑えることができます。

結露の発生を防ぐと同時に壁の表面に出来やすいカビ・ダニなどの汚れを抑制する効果があり、建物の劣化を遅らせることもにも繋がります。

耐火性が高い

断熱塗料は他の塗料と比べると耐火性が高く、火災に強いことが特徴です。

一般的な断熱材と呼ばれるものは燃えやすく、また燃えた後に有毒なガスを発生すると言われています。しかし断熱塗料はそのような特性がないため、危険性が低く安心です。

外壁塗装で断熱塗料を使用するデメリット

断熱塗料のデメリットは「費用が高額」「住宅によっては機能性が低くなる」などが挙げられます。

一つずつ詳しく解説します。

費用が高い

断熱塗料のデメリットとしてまず第一に、外壁塗装に使用する他の塗料と比べると施工費用が高額になることが挙げられます。

しかし、断熱塗料は耐久性が高く耐用年数も長くなることからメンテナンスや塗り替えの頻度を減らすことができるため、施工時の費用は高額でもコストパフォーマンスが悪いわけではありません。

ごく普通の30坪ほどの家を施工する場合、シリコン塗料と断熱塗料の施工費用の差は30万円〜80万円ほどとされています。

住宅によっては断熱性能が低くなることも

断熱塗料はとても効果な塗料ですが、住宅の状態によっては効果を発揮しにくい場合もあります。

例えばすでに断熱材を使用している家、白い屋根を使用している家、金属製の屋根を使用している家などが断熱性能が低くなる可能性があります。

また、そもそも室内の温度が上昇してしまう理由にもさまざまなものがありますので、事前に住宅診断などを行っておくことが大切です。

代表的な断熱塗料の費用・耐用年数・特徴

外壁塗装に使用されている代表的な断熱塗料は「日進産業のガイナ」「関西ペイントのドリームコート」「東日本塗料の断熱コートEX」などがあります。

下記では、それぞれの塗料の特徴やメリット・デメリットなどを解説します。

株式会社日進産業:ガイナ

ガイナは、断熱塗料の中でも人気が高く、住宅の外壁・工場・屋外プールの床などさまざまな場面で多く用いられています。

価格は決して安いとは言えませんが、臭い対策・騒音対策・結露対策など多くの機能性を備えた優秀な塗料です。

この塗料はJAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同開発を行なっており、ロケットに用いる断熱技術を応用して作られているため、その効果は確かなものであるといえるでしょう。

費用 14kg缶:56,000円(ホワイト)
耐用年数 15年
メリット
  • 特殊セラミックによる断熱効果が高い
  • 塗料耐久性に優れている
  • JAXA共同開発商品である
デメリット
  • 価格が高い

関西ペイント:ドリームコート

ドリームコートには、断熱機能に加え雨水によってできる結露防止機能や防水機能が備わっています。

またカラーはグレー系のものを多く取り揃えているため、落ち着きのある雰囲気に仕上げたい方にもおすすめの塗料です。

他の断熱塗料と比較すると軽量なため、建物にかかる負担も軽減させることができます。

また透湿性があるため、湿気の強い梅雨の時期でも湿気を外に逃してくれる効果が期待できます。

費用 14L:11,000〜12,000円
耐用年数 12〜15年
メリット
  • 防水、透湿、弾圧性能が高い
  • 明るく高級感のある外観になれる
  • ひび割れが起きやすいコンクリートやモルタルとも相性が良い
デメリット
  • 断熱材を使用している家ではあまり意味がない

株式会社シンマテリアルワン:キルコート

断熱性・耐久性どちらも重視したいという方は株式会社シンマテリアルワンから発売されているキルコートがおすすめです。

キルコートは他の塗料よりも遥かに伸縮性に優れており、コーキング材と同レベルと言われています。

伸縮性の高い塗料を用いることで外壁部分にひび割れなどのダメージが発生しにくくなるため、より高い外壁の耐久性を求めている方はキルコートを塗料とし使用するのが良いでしょう。

費用 12kg缶:46,000円
耐用年数 15年〜
メリット
  • 防水、透湿、断熱性能が高い
  • 伸縮性に優れ、ひび割れを起こしにくい
  • 下地を選ばずに使用できる
デメリット
  • 価格が高い

東日本塗料株式会社:断熱コートEX

断熱コートEXは価格が安くトップコート仕上げが不要なため、工期が短いことが特徴です。

工期を短くすることができるので、必然とかかる施工費用も抑えることが出来ます。

他の断熱塗料と比較すると耐用年数が含めですが、価格をなるべく抑えたい方や艶のある仕上がりを求めている方にはおすすめの塗料といえるでしょう。

また、断熱コートEXは選ぶ色の種類によって費用が変動するので注意しましょう。

費用 10kg缶:15,400円(白)
耐用年数 8〜12年
メリット
  • 価格が安い
  • 高い防汚性能がありトップコート仕上げが不要
  • 色の種類が豊富
デメリット
  • 耐用年数が断熱塗料の中では低め

株式会社 OKUTA:ロハスコート

ロハスコートは、太陽光の反射性能・粘着力・断熱性能などの機能を兼ね備えている塗料です。

通常粘着力の低い塗料では塗膜が弱くなってしまうため、ひび割れなどの外壁ダメージが起きやすくなってしまいます。

しかし、ロハスコートの場合は特に粘着性が強いため、外壁の塗膜をより強くすることができます。

その分耐久性も上がりますので、より長い耐用年数を求めている方におすすめの塗料です。

ロハスコートは濃い色の塗装を行うことができないため、色選びにこだわりたい方は注意しましょう。

費用 16L:37,500〜41,250円
耐用年数 15年以上
メリット
  • 伸縮性や耐光性に優れている
  • 断熱塗料の中でも耐久性が高い
  • 粘着力が強く、強い塗膜を作ることができる
デメリット
  • 濃い色の塗装ができない

断熱塗料を使い外壁塗装をする際の費用相場

断熱塗料を使用して行う外壁塗装の費用相場は、30坪ほどの戸建て住宅で5080万円が相場となっています。

塗装にかかる費用の内訳は主に塗料代・足場代・人件費ですが、塗料の種類選びによって費用が大きく変動することが特徴です。

また塗料以外の料金については施工業者によって異なるため、必ず相見積もりをとって工事費用を比較するようにしましょう。

外壁塗装で断熱塗料を使用する際の注意点

外壁塗装で断熱塗料を使用する際は「白色の塗料を選ぶ」「仕上がりはツルツルしたものよりもざらざらになることが多い」「効果が得られない場合もある」など、いくつかのポイントをしっかりと理解した上で行うことが大切です。

それぞれのポイントごとに詳しく説明します。

断熱性能を重要視する場合は白色を選ぶ

断熱性能を重視している場合は、濃い色ではなく白色の塗料を選ぶ方で高い効果を実感することができます。

なぜかというと、明るい色の場合は光をあまり吸収せず反射するのに対し、暗めの色は吸収しやすい性質があるためです。

暗い色の洋服を着ている方が明るめの色の洋服を着ているよりも暑さを感じやすい経験をしたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、断熱塗料にも全く同じことがいえるのです。

より高い効果を実感したい場合は、白色の塗料を選ぶようにしましょう。

仕上がりはつや消しの場合が多い

断熱塗料の仕上がりは、基本的にはざらざらとした質感の仕上がりになります。

ただし選ぶ塗料の種類によっては艶々とした仕上がりに仕上げることもできないわけではありません。

完成後にイメージと違うことが起きないよう、塗料選びの際は仕上がりイメージも必ず確認するようにしましょう

断熱塗料だけでは断熱性能の効果を得られないこともある

部屋の温度が上昇する理由はさまざまですので、全てを断熱塗料のみでカバーするのはなかなか難しい場合もあります。

もしも熱の侵入を断熱塗料でカバーすることができない場合は、効果を実感することができないことも少なからずあるでしょう。

気密性が低い建物や金属製の建物の場合は特に効果を実感しにくい場合もありますので、事前に心得ておきましょう。

まとめ

断熱塗料の特徴や種類、メリットやデメリットについて詳しく解説しました。

外壁塗装は住宅の耐久性やその他の機能性を高めるために非常に重要な施工ですので、塗料選びは慎重に行うことが大切です。

もしも塗料の選び方がわからない場合や、住宅にあった塗料がわからないという場合は、専門業者と納得のいくまで話し合いを重ねていきましょう。

この記事のライター:外壁エージェント編集部
こんにちは、外壁塗装エージェント編集部です。「安心の外壁塗装」をコンセプトに、外壁塗装をトータルでサポートする外壁塗装エージェント。コラムでは、何を基準に業者を選べばよいかわからない、外壁塗装の注意するべきポイントが知りたいなど、外壁塗装にまつわる皆さまのさまざまな疑問にお答えします。外壁塗装アドバイザーによる有益で信頼できる情報をお届けしますのでぜひ参考にしてください。

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