外壁塗装で液垂れが発生したら再塗装を依頼しましょう!事前にできる対策も解説

外壁塗装後、外壁に塗料の液垂れが起きることがあります。

塗料の液垂れは見た目にもあまり美しいものではありません。外壁塗装を行った直後の場合には、やり直してもらいたいと思う方も多いでしょう。

そこで今回は、塗料の液垂れが発生してしまう原因や発生後の対処方法について解説します。また液垂れの予防方法などについても紹介します。

外壁塗装後に起きる塗料の液垂れとは

外壁の塗装作業

外壁塗装後に発生する液だれは、工事中の施工方法が原因で起こります。

塗料の液垂れは塗装した塗料がしっかりと乾燥する前に重力によって上から下に流れてしまった状態で、水滴が流れているような形状が残ります。

塗料の液垂れが発生した場所は見た目も悪く、建物の美観を損ねてしまうことになります。

外壁塗装工事の際に液垂れが起きる原因

塗料

外壁塗装工事の際に液垂れが起きる原因には、主に塗料の希釈率や塗膜の厚さ、塗装面の温度などが関係しています。

ここでは、液垂れを発生させるそれぞれの原因について詳しく解説します。

原因①:塗料の希釈率

外壁塗装工事の際に液垂れが起きる原因として、塗料の希釈率が守られていなかったことが挙げられます。

塗料の種類には水性塗料と油性塗料があり、それぞれの塗料に合わせた希釈剤を使用する必要があります。

水性塗料の場合は水を使って希釈し、油性塗料の場合にはシンナーなどの有機溶剤を使って希釈します。

この際に塗料メーカーが指定した希釈率を間違えてしまうと、後の液垂れの原因となります。

希釈率の間違いは手抜き工事のよくあるパターン

希釈率の間違いは、外壁塗装で見られる手抜き工事のよくあるパターンのひとつです。

先述の通り塗料には塗料メーカーが定めた希釈率がありますが、手抜き工事を行う業者の場合はこの希釈率を守らずに薄めで塗料を作り塗装を行うことがあります。

塗料が必要以上に薄められてしまうと、外壁表面にしっかりとした塗膜を形成することができません。また、塗料が本来持つ性能を発揮することができず、ひび割れや剥がれなどの不具合につながります。

原因②:塗料の厚塗り

外壁の塗装作業

外壁塗装工事の際に液垂れが起きる原因には、塗料が厚塗りされていることが考えられます。

外壁塗装の際は同じ厚さの塗膜を形成するために塗料を塗布しますが、職人の技術力が低い場合は塗料が厚塗りされてしまい、液垂れにつながってしまいます。

経験を積んでいる職人の場合は塗料の量などを微調整することができますが、経験不足の職人や技術力の低い職人の場合はこの限りではありません。‌

また、塗膜が厚くなってしまった部分は他の部分よりも乾燥に時間がかかるため、外壁表面に気泡などが発生する危険性もあります。

塗料の厚塗りの場合は手抜き工事ではない

塗料の厚塗り自体は手抜き工事とは考えにくいでしょう。

手抜き工事の場合には、塗料の希釈率を守らずに塗料を薄くして塗装することが一般的です。希釈率が守られていない薄い塗料は塗料の粘度も低くなるため、液垂れは発生しにくい傾向にあります。

原因③:外壁の表面温度

外壁塗装工事の際に液垂れが発生する原因には、外壁などの塗装面の表面温度も関係しています。

外壁の表面温度が高い場合は塗料に含まれる希釈剤が一気に乾燥するため、塗料の粘度が高くなり液垂れが発生する可能性が高くなります。

また、外壁の表面温度が低い場合も同様に希釈材の蒸発が進まずに塗料の乾燥に時間がかかり、結果的に塗料の液垂れが発生する可能性が高くなります。

外壁塗装で塗料の液垂れが起きた時は再塗装を依頼しよう

塗装作業

外壁塗装で塗料の液垂れが起きた時には再塗装による補修が必要です。

一部分の液垂れであっても、液垂れを起こした部分を削り再塗装を行う必要があります。また、別の場所も液垂れを起こしている可能性が高いため、全体の再塗装を検討する必要もあります。

そのため、液垂れを確認した際には必ず外壁塗装を行なった施工業者に点検や補修を依頼するようにして下さい。

施工業者と別の業者であっても補修は可能ですが、別途費用が発生する可能性があります。

外壁塗装で事前に塗料の液垂れを防ぐ方法

足場での塗装作業

塗料の液垂れを防ぐには、塗料メーカーが定める希釈率や塗膜の厚み、塗装回数などを守ることが大切です。

ここでは、外壁塗装工事の際に事前に塗料の液垂れを防ぐ方法を解説します。

塗料の希釈率の確認

塗料の液垂れを防ぐには、希釈率が守られているかどうかを確認することが大事です。

外壁塗装に使用する塗料には、それぞれメーカーが定めた希釈率があります。そのため、必ず希釈率が守られているかどうかを確認することが大事です。

正しく希釈率を守っている業者であれば、塗料の希釈を行う際に軽量カップなどを使用しています。

また、直接職人に希釈率について一声かけてみるのも良い方法です。優良業者であれば、希釈率についてしっかりと説明をしてくれるでしょう。

塗装回数の確認

塗料の液垂れを防ぐには、塗装回数を確認することが大事です。

外壁塗装の塗装工程では、3回塗りが基本です。

外壁塗装における3回塗りには下塗り、中塗り、上塗りの各工程があり、下塗りでは塗装面と新しい塗料との密着性を向上させる役割があります。

また、中塗りと上塗りは一般的に同じ塗料を使用することが多く、重ねて塗装することで塗料本来の性能を発揮するだけの塗膜を確保する役割があります。

外壁塗装の3回塗りについては、以下の記事を参考にして下さい。

 

業者の施工実績や所有資格の確認

塗料の液垂れを防ぐには、外壁塗装を依頼する業者の施工実績や所有資格を確認することが大切です。

業者によっては、これまでの施工実績をホームページなどで公開していることがあります。

多くの施工実績があることは多くのお客様から選ばれた証拠にも繋がるので、外壁塗装工事を依頼する場合には施工実績を必ず確認した方が良いでしょう。

また、業者が所有している資格や塗装作業を行う職人が所持している資格についても確認することが大切です。

外壁塗装は職人の技術力によって最終的な仕上がりや耐久性に影響するため、多くの経験や知識を持った職人が多く在籍している業者を選定することが塗料の液垂れなどの不具合を防ぐためには必要です。

信頼できる業者が保有する外壁塗装の資格などについては、以下の記事を参考にして下さい。

 

気象条件の確認

塗料の液垂れを防ぐには、塗装工事の際の気象条件を守ることが大切です。

外壁塗装には、塗装作業に適した気象条件があります。一般的に気温5℃以上湿度85パーセント以下の気象条件であれば施工可能といわれています。

湿度が高い状態で塗装を行うと液垂れなどが発生しやすくなるといわれているため、塗装の際は必ず気象条件を確認しておくことが液垂れを防ぐことにつながります。

優良業者に依頼を行う

塗料の液垂れを防ぐには、優良業者に依頼をすることが大事です。

外壁塗装工事では、業者によって仕上がりや耐久性などに差が出ます。

優良業者の場合は施工実績が豊富であることが多く経験も豊富で外壁塗装の現場を熟知していることから、液垂れなどが起こりにくい工事を行ってくれるでしょう。

優良業者の見極め方については、以下の記事を参考にして下さい。

まとめ

外壁塗装で起きる塗料の液垂れは、それぞれの塗料に定められた希釈率や塗装回数、塗膜の厚みを忠実に守ることで防ぐことができます。

しかし希釈率や塗装回数など、液垂れが発生する原因となる工程は、外壁塗装が最終的に仕上がった状態では確認する方法がありません。

外壁塗装工事が完了した後に発見した液垂れについては、塗装工事を行った業者に再塗装を依頼しましょう。

塗料の液垂れなどの不具合が起こらないようにするためにも、外壁塗装工事は優良業者へ依頼することが最も大切です。

この記事のライター:タナカ サトシ
木造ハウスメーカーにてリフォームと新築の現場監督を経験後に二級建築士資格を取得、エクステリア会社にてハウスメーカーへの新築外構図の設計職を担当。 現在は二級建築士の資格を活かし、住宅を中心とした外壁塗装の職人として活躍中。 また、現場監督時代の経験と建築士の知識を活かし店舗などのリフォームを提案、設計監理を行う。趣味は子供と休日に思い切り遊ぶこと。

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